大山は丹沢山地の南東部に位置する標高1,252mの山であり、他の丹沢の山々と共に丹沢大山国定公園に指定されている。地質特性としては、新生代の第三紀から中新世初期に海底火山が隆起して形成された緑色凝灰岩からなる。
また、美しく広がる稜線を有しており、山頂部に突出している大石は石尊大権現(石尊社)として祀られている。古くから、庶民の山岳信仰の対象とされており、山頂には阿夫利神社本社、中腹に阿夫利神社下社、大山寺が建立されている。江戸時代から続く参詣の場とされており、多くの信仰を集めてきた。江戸初期には春日局が何度も祈願に訪れており、さまざまな歴史物語の舞台にもなっている。そのため、江戸期から続く仕来りが数多く残っている。その代表が、先導師(御師)と呼ばれる神職と講中(檀家)の関係である。
一方、稜線を構成する山腹から山頂には広葉樹の原生林が多く残されているため、春には瑞々しい青葉の山、秋には紅葉の山として多くの登山者を集めている。また、多くの野生動物が生息している。
しかし、近年は、観光客の大幅な増加に伴い、自然環境や貴重な文化財の荒廃問題が発生している。他の丹沢山地とともに「丹沢大山自然再生計画」が神奈川県の行政の手によって進められている。
神奈川県北西部から山梨・静岡県の一部へと広がっており、都心に近いにも関わらず関東地方でも有数の山地である。最高峰の蛭ヶ岳(1,672m)をはじめとして、標高1,000mを超える九座の山々が連なっている。地形学的には複数の山地が複雑に連なっており、急峻な山岳と深い幽谷を有している。一方で、尾根や山頂部には火山灰や火砕流の堆積による緩斜面が発達しており、大昔の海底火山によって作り出された後、何度も地殻変動が繰り返されて現在の複雑な山岳地帯が形成されている。
また、それらの地形を利用した丹沢湖や宮ケ瀬湖等の人工湖が作られており、神奈川県の重要な水源地となっています。さらに、都心から近いにも関わらず、ブナやモミ等の広葉樹の原生林の森も残されている。それらの森にはニホンカモシカやイノシシ等の大型野生動物も数多く生息しており、植物学的にも動物学的にも貴重な自然環境が数多く残されている。また、その麓に広がる里山、山から続く緩やかな小川の流れ、青々と広がる水田は日本の原風景を思い起こさせる。大山道が形成されたことから石仏等も数多く残されており、民俗学的にも重要な場所である。
これらの自然は、四季折々に美しい表情を見せており、観光地としても多くの人を集めている。しかし、近年は酸性雨や大気汚染による森林の立ち枯れ、放置された人工林の荒廃、さらに外来生物の繁殖等の問題も数多く報告されており、後世に残すためには早急な対応が必要とされている。これらの問題に対処するために、神奈川県は1999年より「丹沢大山自然再生計画」を策定し、自然環境を守るための様々な対策を継続的に進めている。