今年も、当館に「WikiGap(ウィキギャップ)」のウィキペディアンたちが集結する日がやってまいりました。

当館では、共催イベントとしてウィキペディアの記事を執筆するイベントである「Wikipediaブンガク」と「WikiGap」を行ってきました。図書館とウィキペディアの関係については、2024年4月に開催された「Wikipediaブンガク11 橋本治」についての記事(下記リンク参照)をご覧ください。今回は、3月2日(日曜日)に開催された「WikiGap in Kanagawa 2025」についてご紹介します。
「WikiGap」とは、「インターネット上の男女格差を埋める」ことを目的に、スウェーデンから始まった「エディタソン」です。「エディタソン」とは、「edit(編集する)」と「marathon(マラソン)」を足した言葉で、編集者が集まって編集や執筆を行うイベントのことです。ウィキペディア上では、女性人物の記事が男性人物記事と比べて少なく、まだ取り上げられていない女性がたくさんいらっしゃいます。「WikiGap」は、こうした女性に関連する記事を、新しく立項したり、内容を充実させていくことで、ウィキペディアの記事から「ジェンダー平等」を実現しようとする取組みです。
当館では、山川菊栄関連の資料をはじめ、「男女共同参画関連資料」を収集しています。「WikiGap」は、資料を活用していただくにはぴったりのイベントなのです。
執筆の材料になりそうな図書館資料は、事前にわたしたち司書が準備します。今回は「山川菊栄関連資料」や、事前調査の段階で名前の挙がった神奈川にゆかりのある女性、「平野恒」「白石敬子」についての資料などを集めました。
山川菊栄関連の資料は、当館1階の企画棚「共生展示」において紹介されています。女性運動の指導者である山川菊栄の著作や山川菊栄についての研究書、「山川菊栄賞」受賞本などを中心に集められたものです。このほかに当館には、山川菊栄のご遺族の方より寄贈された蔵書を元に構成されたコレクション、「山川菊栄文庫」があります。現在は、図書館再整備のためご利用いただけませんが、利用が再開された際には、山川菊栄に関する貴重な情報源としてご活用いただけます。

「男女共同参画関連資料」は、「県立かながわ女性センター」より譲渡された女性問題や男女共同参画社会などに関する資料群です。現在は、県立図書館が継続して収集しています。資料の背にあるラベルに黄緑色のシールを貼っています。当館にお立ち寄りの際にはぜひ、探してみてください。
イベント当日は、当館4階学び⇔交流エリアにて、午前中に山川菊栄記念会とWikiGapかながわ実行委員会より講義があり、午後より執筆作業が行われました。「山川菊栄」「井上輝子」「潮田登久子」「松井やより」などのページへの追記のほか、「日本婦人問題懇話会」「隅谷茂子」「平野恒」「白石敬子」「ザンドラ・ローズ」の新規立項がされました。
このイベントの中で、新しく生まれた記事や文章、出典等に、今回のイベントのためにピックアップした資料の名前が見えると、図書館の資料が信頼性の高い情報源として活用され、広く発信されていることを実感できます。当館が所蔵する「男女共同参画関連資料」や雑誌のバックナンバー、郷土資料が活用され、こうした成果につながることをとても嬉しく思います。
ここに名前の挙がる女性たちや関係団体が、どのようなことを成したのかについては、ぜひ、ウィキペディアの記事を検索していただき、お読みいただければ幸いです。
(県立図書館 「WikiGap」担当)
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『神奈川県立図書館紀要 第14号』神奈川県立図書館編 2020 p.19-40)(PDF)