神奈川県立川崎図書館では、2023年10月13日(金曜日)から2024年3月30日(土曜日)までの開館日に、ものづくりギャラリー展示「ダムの技術と魅力」を開催しています。展示は2期に分け、前期「ダムの技術・しくみ・治水」は終了していますが、県内のダムを中心に紹介した「神奈川のダム」を現在開催中です。
今回は、この展示の舞台裏をご案内します。
神奈川県立川崎図書館では、通常、年度に2回、テーマを変えて展示を企画しています。今回の展示のテーマを考える打ち合わせでは、「ダムの展示をしてみたい」という提案がありました。
主な理由としては、『多目的ダムの建設』(全7巻、ダム技術センター刊行)という資料を今年度に受け入れたこと、ダム関係の図書(非売品の工事誌、技術関係の図書など)を書庫内などにも多く所蔵していること、月刊「ダム日本」(日本ダム協会刊行)、季刊「大ダム」(日本大ダム会議刊行)といった雑誌をバックナンバーを含めて所蔵していることなどで展示を通して皆様に知っていただき、これまで以上に活用してほしいという意図がありました。当然、神奈川県内には、宮ヶ瀬ダム、城山ダムや相模ダムなど大きなダムがあることも企画の前提となりました。
私は今回の展示を担当することになっていましたが、正直、ダムについてはほとんど知識を持っていませんでした。観光で富山県の黒部ダムを通ったとか、渇水のニュースでダムの映像を見かけるというくらいです。
そこで、まずダムの概説書を読んで知識をつけることから始めました。ダムは、洪水などにならないよう水の量を調整する「治水」、農業や工業、生活などのために水を配分する「利水」、水力を用いた「発電」に代表されるいくつかの役割を担っていることを知りました。水量を維持して川の環境を正常に保つ効果もあるそうです。
また、重力式コンクリートダム、アーチ式コンクリートダム、アースダムなどの型式があることも知りました。
日々、水道をひねるたびにお世話になっているダムの水ですが、これまで知らなくてごめんなさい。
だからこそ、展示を通して皆様にダムのことを伝えたいという意欲も生まれました。
こうして、職員で手分けをして、本や雑誌を集め、そのキャプションを作るなどの準備をすすめていきました。
また、日本ダム協会や、国土交通省の相模川水系広域ダム管理事務所(宮ヶ瀬ダム)、神奈川県企業庁等にご協力いただき、展示用のダムカードを借用したり、提供していただいたデータをもとにパネルを作成・掲示したりする他、職員がペーパークラフトでダムの姿を紹介するなど、どなたにも親しめる展示になっていると思います。
神奈川県立川崎図書館にお越しの際や、お近くにいらしたときは、是非ご覧ください。
展示期間:後期 2024年1月23日(火曜日)から2024年3月30日(土曜日)まで
展示資料リスト:「ダムの技術と魅力」展示資料リスト(リンク)
会場:県立川崎図書館 ものづくりギャラリー
HP:2023年度ものづくりギャラリー展示「ダムの技術と魅力」(リンク)
(県立川崎図書館:会員番号10008)