今年のノーベル平和賞は、被爆者の立場から核兵器廃絶を訴えてきた日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が選ばれました。日本人としては1974年の佐藤栄作元首相以来2例目、50年ぶりの受賞になります。被爆の実相を訴え結成して68年。「ノーモア・ヒバクシャ」と米ニューヨークの国連本部で、被爆者自身が世界に核廃絶を訴えてから42年。高齢化が進み、今後若い世代にどう繋いでいくのか、という課題もあります。この地球から核兵器をなくすという強いメッセージを含む今回の平和賞。世界各国の指導者たちはどのように受け止めたでしょうか。
講演「核兵器も戦争もない世界をめざして」
「地域と人権」通巻472号(2023年8月) 8ページから14ページまで Z368/501
日本被団協の現事務局長である木戸季市氏の講演です。木戸氏は1945年8月9日、長崎の爆心地から2kmの路上で母親と被爆、5歳7か月でした。1991年に日本被団協の運動に参加。さまざまな国際会議に出席し、「核兵器から人類を守るために一番確かな道は、核兵器をなくすことだ」と訴え続けてきました。誕生と被爆、京都の学生生活の思い出、日本被団協運動への参加など、木戸氏が歩んだ83年を振り返る内容です。
プロデュースされた「被爆者」たち 表象空間におけるヒロシマ・ナガサキ
柴田優呼/著 岩波書店 2021年刊 778.2/277 <23239080>
原爆、そして被爆者のイメージはどのようにつくられてきたのでしょうか。本書は原爆後の広島を表象しようと試み、し損なったと著者が語る映画『ヒロシマ・モナムール』に軸足を置きながら、「原爆映画」が誕生する敗戦直後から2000年代に至る国内外の映像・文学作品を取り上げて、多様な視点からこの問題を解き明かそうとするものです。文学では被爆者である林京子が取り上げられています。
新聞のとびら
被団協 ノーベル賞 平和賞 核廃絶の訴え 評価 日本2例目 佐藤元首相以来
読売新聞 2024年10月12日朝刊 1面
3面 核使用に危機感
28面 草の根 奔走68年 高齢化 団体存続の危機
被団協 ノーベル平和賞 核廃絶 訴え続け 被爆証言 世界に示す
毎日新聞 2024年10月12日朝刊 1面
3面 核脅威 改めて警鐘
被団協に平和賞 ノーベル委、被爆者たたえる 証言通じ「核廃絶へ尽力」 日本からの受賞50年ぶり
朝日新聞 2024年10月12日朝刊 1面
2面 核はタブー 今こそ
29面 「核なき世界を」響いた
インターネットのとびら
日本被団協(外部リンク)
日本原水爆被害者団体協議会 2024年11月21日参照
サイト内は「日本被団協について」「核兵器の廃絶と国家補償を求めて」「被爆の実相普及」の3つのカテゴリーに分かれており、核兵器の廃絶や被爆者の救済を訴える活動を続けています。
図書のとびら
原爆被爆者の暮らしとトラウマ 絡み合いを描きだす
愛葉由依/著 春風社 2024年刊 369.37/205 <23556483>
原爆報道の研究
小池聖一/編著 現代史料出版 2023年刊 210.75/805 <23461338>
絵で見てわかる核兵器禁止条約ってなんだろう?
川崎哲/監修 旬報社 2021年刊 319.8/984 <23275316>
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