神奈川県立の図書館

本が書架に並ぶまで

公開

購入された本の様子図書館に置かれる本はどのようにして選ばれているのでしょうか。
勝手に増えていく?AIがどんな本を置くか決めてくれる?
もちろんそんなことはありません。当館では、司書が新しく刊行される本の情報を1冊ずつ調査し、会議を経て購入する本を決めています。

よく「県立図書館で働いている」というと、「本の貸出や返却を行っているの?」と聞かれます。もちろんカウンターでの業務を行うこともありますが、基本的に私は裏方にいて、本の選定・発注に関わっています。

新しく刊行される本の情報は、本の取次会社が毎週発行している情報誌で確認しています。この情報誌には、毎週数百点の新刊に関する情報が「NDC」(日本十進分類法)の番号順で掲載されています。私たちは、それらの本の内容について、分野ごとに分担して調査を行っています。

自分の担当する分野の本は1冊ずつチェックを行い、必要に応じて会議用の資料を作成します。目次の情報や著者の経歴、著作の所蔵有無、類似する内容の本の有無などから購入する資料の決定を行っています。中身を見て購入するか判断したい本については、事前に書店さんにお願いして、現物を持ってきていただくこともあります。
調査した情報や作成した資料をもとに、毎週課内で会議を開き、図書館として購入する資料の原案を作ります。会議では各担当が調べた本について1冊ずつ購入するかどうかを検討していくので、場合によっては朝から夕方までずっと会議していることもあります。
また、司書は文系出身者が多い仕事ではありますが、理系分野の本の選書も行っています。当館だけではなく、県立川崎図書館とも調整しながら、それぞれの図書館でどんな本を所蔵しているとよいのか?を考えて購入する本を決定しています。

そうして決定した原案を、今度は当課以外のメンバーも含めた選定会議にかけ、新しく購入する資料を決定していきます。

事前調査や会議で必然的に本のタイトルを目にする機会が多く、時々本屋さんに行くと「この本先日調査したなあ」という本がずらっと並んでいることがあります。実際に中身をすべて読んだわけではなくても、自分が調査した資料が本屋さんに並んでいると少し親近感がわきます。

今年度はレファレンス(調べもののお手伝い)に有用な資料をまとまって購入しました。近年はインターネットを通じて様々な情報を得ることができる時代ですが、少し前のことを調べようと思うと、紙の資料が必要となることがあります。利用者の方にお尋ねいただく質問にスムーズにお答えできるよう、こうした資料を備えておくことは大切です。

利用者の方と直接接する仕事ではないですが、自分の選んだ本が利用者の方からのレファレンスに役立っていると考えると、なんだか嬉しい気持ちになります。毎週調査しなければならない本の点数は膨大ですが、より良いサービスを提供できるよう、資料を揃えていきたいです。

(県立図書館:選定担当)

購入された本の様子2