NHKで放送されている2025年大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」では物語も佳境に入っている現在、県立図書館では企画展示「江戸時代と本-花開いた出版文化-」を令和8年3月11日まで開催しています。
本展示については、大河ドラマの影響で江戸時代の本について関心を持つ方が増えてきているであろうことを受けて企画しました。図書館で働いている職員として、本や出版文化に興味を持っていただけることをとても嬉しく思うと同時に、せっかく会場へ足を運んでくださった方々にとって何か得るもののある展示にするためにはどのようにしたらよいだろうかと、展示資料の選定や各コーナーの内容構成について試行錯誤しました。
ここでは、試行錯誤の結果どのような展示になったのか、3点のアピールポイントに絞って紹介したいと思います。
1 多彩な角度からテーマを掘り下げることができる
本展示は「本が多様化する~江戸時代の娯楽小説の類型~」「本を造る~繊細なる和本の世界~」「本が身近になる~江戸の本屋と庶民の読書~」「本を読む、浮世絵を見る~江戸時代のベストセラー~」の4章構成となっています。江戸時代と本という大きなテーマに対して様々な側面から焦点を当てながら当館の所蔵資料を紹介することで、多角的なアプローチが可能となるような構成を意識しています。
2 多くの「本物」を鑑賞することができる
普段は書庫に保存されていてなかなか見ることのできない江戸時代の出版物について、なるべく多くの点数を見ていただきたいと考えました。12月に一部展示替えを行い、前期・後期合わせて18点の江戸時代の出版物を展示する予定です。
展示資料の中には、大河ドラマにも登場した大田南畝(四方赤良)が序文を寄せ、蔦屋重三郎が出版を手掛けた狂歌の指南本『狂歌はまのきさご』などの資料も含まれています。
3 視覚的に楽しむことができる
書籍の展示に加えて、映像資料投影コーナーも用意しました。ここでは、当館で管理しているデジタル資料のアーカイブサイトから浮世絵作品を抽出したスライドショーを鑑賞することができます。また、歌川広重作の『東都名所高輪廿六夜待遊興之図』という浮世絵のマスターレプリカは、鮮やかな色彩や精緻な書き込みを味わうことができます。このように、視覚的に美しさや迫力を感じられる資料もご用意しています。
ほかにも、クイズを解きながら展示に参加することができるワークシートを配布していたり、会場を賑やかに演出するために浮世絵内のキャラクターをパネルにして設置していたり、楽しみながら興味・関心を深められる仕掛けを工夫しています。
ぜひ実際に来場いただいて、活気あふれる江戸時代と本の世界を堪能していただきたいと思います。そして可能であれば、ご自身と本とのかかわり方についても改めて考える機会としていただければ幸いです。
展示案内はこちら(神奈川県立図書館HPリンク)
(県立図書館:展示担当)