神奈川県立の図書館

山川菊栄生誕135周年関連展示 秘話

公開
1 山川菊栄生誕135周年関連展示について

「山川菊栄生誕135周年関連展示」展示の様子文化の日である11月3日は、山川菊栄の誕生日でもあります。今年は生誕135周年のため、10月10日(金曜日) から11月12日(水曜日)までの1ヶ月の間、彼女を紹介する小さな展示を県立図書館で開催しています。


山川菊栄は、神奈川県にゆかりのある、戦前・戦後を通じての女性運動の指導者です。あまり世には知られていませんが、その主張は、リプロダクティブヘルス/ライツ、セクシャルハラスメント、夫婦別姓問題、同一価値労働同一賃金など、現代的課題につながる先見性に満ちています。

展示では、その生涯や功績をまとめた8枚のパネルのほか、直筆書簡のパネルなどもご覧いただくことができます。加えて当館では初めて、展示を見た方が個人で好きな時に楽しむことができる小さな謎解きイベントもご用意しました。


今回の司書の出番では、当館と山川菊栄の繋がりのほか、展示開催までの準備期間について、お話したいと思います。


2 県立図書館と山川菊栄

当館には、直筆の書簡や愛用したとされているタイプライターなど、山川菊栄に関する貴重な資料がたくさん所蔵されています。この資料の多くは、かながわ女性センター(現・かながわ男女共同参画センター)が2015(平成27)年、江の島から藤沢合同庁舎に移転した際に移管されたものです。かながわ女性センターの前身である神奈川県立婦人総合センターは、山川菊栄が発起人を務めた婦人関係等資料収集委員会と繋がりの深い施設です。


資料が移管されて以来、当館でも「女性関連資料室」などを設け、貴重な資料たちを活用して参りました。現在では、本館1階の窓面にある「共生棚」の一角に、山川菊栄を紹介するコーナーを設けています。


3 初めての試み「謎解きイベント」

「山川菊栄生誕135周年関連展示」封筒の写真展示担当として山川菊栄について調べてみると、その思想が現代の感覚にとても近いことに驚きました。なにより、戦前から戦中の激動の時代の中でも、自分らしく堅実に生き抜いた、彼女のしなやかな強さを素敵だと感じました。


もっと山川菊栄について、みなさまに知ってもらいたい。
そのためには、従来のパネル展示だけではなく、関心がない方をも楽しめるような工夫が必要です。思いついたのが、いま流行りの「謎解きイベント」でした。


本格的に謎解きイベントを開催しようとすると、謎解きに使う小物や運営スタッフの配置、魅力的なストーリーと秀逸な問題など、それなりに準備が必要です。今回は、全てを当館で手作りする必要があり、多くの職員の協力を得ました。展示会場だけではなく館全体を巡っていただきたくて、各階の展示担当者にも声を掛けています。没入感に欠かせないイベントに用いる小物たちは、普段は本の修理を担当しているスタッフに依頼し、試作を繰り返すことで、こだわりの仕上がりになりました。また、整理休館日を利用し実際に職員同士で実施してみることで、運営上の動線や小道具の配置、安全性なども事前に確認しました。


小さなイベントですが、こういった多くの職員の熱意が積み重なる形で、開催に漕ぎ着けています。


4 これまでの反響

大盛況!とまではいきませんが、開催初日から、何人も挑戦されている方をお見かけすることができました。挑戦される方は、お子様を交えたご家族からお一人で取り組まれる方まで、様々なようです。
職員には、謎解きをお手伝いできない魔法がかかっておりますので、直接のお手伝いはできませんが、本棚のご案内など通常のご利用の範囲内でしたら、もちろんお答えさせていただきます。気張らずお気軽に挑戦なさってください。


5 最後に

移管された資料の中には、まだ整理が済んでいないものもあり、有識者の助言をいただきながら、少しずつ整理を進めているところです。
現在、当館は再整備中のため、山川菊栄文庫をご利用いただくことができませんが、再整備が完了いたしましたら、ぜひご利用ください。


展示案内はこちら(神奈川県立図書館HPリンク)


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(県立図書館:3Fミニ展示担当)