最近、年のせいか身体が温泉を欲しているようで、疲れやストレスが溜まった時、体が凝って痛い時、時間が取れると日帰り温泉でのんびりと過ごしてくるのが私の活力復活法となっていました。
そんな時にこの本と図書館で出合いました。
この本は、温泉ガイドブックのようにただ温泉を紹介するだけでなく、4000以上の温泉に浸かった温泉教授として知られる医学博士の著者が、温泉の有効性を実験、検証を踏まえて説いています。また温泉地形成の歴史や文化にも言及しています。
温泉地で見かける含有成分表や、療養によって効果をあらわす症状を記した適応症などの掲示を目にすると、温泉の効能が一目でわかり、漠然と身体に良いのだと感じます。
ヨーロッパ諸国では温泉水を飲む「飲泉」が盛んで、それは含有成分を含んだ温泉水を体内に余すことなく取り込もうとするためです。
源泉(地下から湧出した温泉そのもの)は、空気に触れることでエイジング(酸化)し、鮮度が衰え効能も失われていくので、空気にさらされないうちに人肌に届くことが重要で、温泉の効果を最大限に身体に取り込むには、浴槽の底から湧出る温泉や、源泉かけ流しの湯が理想的だといいます。
その他にも温泉には抗酸化作用があるとされています。人の細胞は食生活や乱れた生活習慣、過度なストレスなどにより酸化ストレス状態に陥り、がんや糖尿病、動脈硬化などさまざまな生活習慣病を発症することが知られていますが、温泉が酸化された状態を元に戻してくれるのだそうです。
温泉は自然治癒力を引き出し、免疫力を活性化してくれるのです。
また、温泉地の多くは渓谷や山間、海辺など自然豊かな場所にあり、そこへ行くことで癒しの脳波アルファ波が発現することが確認されていて、それは自律神経系、免疫系、内分泌系の活性化にもつながります。
その他にも、優れた温泉を持つお料理の美味しい旅館や、蟹、和牛など、その土地の食材や旬の食材を楽しめる旅館なども数多く紹介されています。
旅行に出掛け自然を感じ、美味しいものを食べ、温泉に浸かってのんびりすることが、身体や精神に効き、健康に良いと改めて知り、さっそく群馬県の四万温泉に旅行に行ってきました。
露天風呂に浸かり流れる風の音だけを感じ、時がゆっくりと流れていきました。美味しい食事からも元気の素、幸せを頂きました。
ちょっと疲れてしまった時、温泉から自然のエネルギーをもらってみてはいかがでしょうか?きっと元気を取り戻せるはずです。
『全国温泉大全 湯めぐりをもっと楽しむ極意』 松田 忠徳 著 東京書籍 2022年
資料コード:23424328 請求記号:453.9/112 所蔵検索(OPAC)
(県立図書館:次は祖谷温泉)