2024年5月11日から11月13日まで、企画展示「源氏物語を取り巻く女性たちと文化」を開催しています。
今年のNHK大河ドラマの主人公である紫式部。彼女の代表作品である、『源氏物語』について、皆様はどのくらいご存知でしょうか。
1000年以上読み継がれてきた『源氏物語』はいったいどのような作品で、どのような人々によって伝えられてきたのか?物語に登場する姫君、現代語訳にあたった女性たち、物語の中に登場する文化について、キーワードから読み解いていきます。
本展示では、5つのテーマから資料を紹介しています。
1.「『源氏物語』と紫式部」
『源氏物語』は女房・紫式部によって1008年頃に成立したとされています。
このコーナーでは、『源氏物語』や紫式部を理解する手助けとなる資料を紹介しています。
展示ケース内には、『源氏物語』のストーリーを大和和紀が漫画化した『あさきゆめみし』が並べられています。1巻はお手に取ってご覧いただくことができます。
また、その横に置かれている『複刻日本古典文学館 紫式部日記繪巻 第3段(詞書・繪)』では、藤原公任(きんとう)が紫式部に向かって「このわたりにわかむらさきやさぶらふ(このあたりに若紫はいらっしゃいませんか)」と呼びかけたという場面が描かれています。
2.「『源氏物語』に登場する姫君たち」
藤壺、紫の上、葵の上、浮舟など物語に登場する姫君について、キーワードから読み解いていきます。姫君たちの人生を紹介するとともに、「牛車」や「垣間見」など、平安時代ならではの文化にも触れていただくことができます。
3.「『源氏物語』を読み解いた女性たち」
明治時代以降、「○○源氏」と呼ばれる多くの現代語訳が登場します。今回はその中で与謝野晶子、円地文子、田辺聖子、瀬戸内寂聴の現代語訳について、若紫巻の垣間見の場面を比較の題材として取り上げています。
それぞれの現代語訳には各作家のカラーが出ていますし、訳された時代によって言葉遣いも異なっています。「谷崎源氏」などの男性の現代語訳と比較してみるのも面白いかと思います。
現代語訳の比較展示の周囲には、女性たちの生涯を紹介する本も合わせて展示しています。

4.「平安文化からみた『源氏物語』」
こちらのコーナーは会期中2ヶ月ごとに展示替えを行っています。
7月12日(金曜日)からは、「音」と「食」をテーマに、雅楽に関する資料や当時の人びとの食事について、取り上げています。また、映像資料スペースでは雅楽に関する映像資料を上映しています。
9月13日(金曜日)からは、テーマが「色」「住まい」となります。
5.『源氏物語』の影響
このコーナーでは、『源氏物語』がどのように受容され、後世の作品にどのような影響を与えたかについて紹介しています。
作品が生まれた当時のジェンダー観や、物語を題材として平安時代末期に描かれた『源氏物語絵巻』についても紹介しています。
また、「『源氏物語』と神奈川」についても取り上げています。『源氏物語』と神奈川にどんなゆかりがあるのでしょうか。気になる方はぜひ展示をご覧いただければと思います。
現在、大河ドラマの主人公「まひろ」として紫式部が話題になり、『源氏物語』への注目度も高まっています。作品名を知ってはいても、実際に54帖すべてを読んだことがあるという方はなかなかいらっしゃらないのではないかと思います。
この展示が『源氏物語』を読んでみようと思っていただけるきっかけになると嬉しいです。華やかな展示になっているので、ビジュアル的にも楽しんでいただけたらと思います。
たくさんの方のご来館をお待ちしております。
(県立図書館:展示担当)