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「鉄道へぇ~事典」書影

1872年10月14日に日本で初めての鉄道が新橋~横浜間(現在の桜木町)で開業しました。

昨年の2022年には鉄道開業150周年を記念した様々なイベントが開催され、会場では多くのお子さんを見かけました。

そこでこの機会に鉄道に興味を持ったお子さんや、鉄道なんて普段乗っている路線しか知らないという保護者の方などへ、子供から大人まで楽しめる本書をおすすめしたいと思います。

本書は鉄道の用語事典になっており、「鉄道を極めるならこれだけは知っておきたい」という専門的な知識から普段馴染み深い言葉まで、177個をピックアップして紹介。

イラストで説明されていたり、漢字にはルビが振ってあったり、その言葉が鉄道の何に関するものなのかイメージしやすいよう7つにジャンル分けされているなど様々な工夫で、お子さんにも読みやすくなっています。

それでは、気になる内容を少し紹介してみたいと思います。

まず、私が読んで驚いたのは「地下鉄」についてです。

地下鉄は、その名の通り地下を走る電車の事だと思っていますよね?しかし、地下を走る鉄道イコール地下鉄ではないというのです。ホントに?と思いますが、「これが地下鉄だ!という明確なルールはない」というのです。

なので、地上を走っている地下鉄もあれば、ほとんど地下を走っているのに地下鉄とは言わないものもあるのだそうです。

次は、初めて知る次世代の鉄道です。

超電導リニアは有名ですが、他にも「デュアル・モード・ビークル」(線路と道路の両方を走行できる車両)や、「ライトレール」(最新技術が使われている次世代型の路面電車)、「フリーゲージトレイン」(線路幅に合わせて左右の車輪の間隔を変えることができる車両)など、ぜひ乗ってみたいと思う最新の鉄道が紹介されています。

最後は、「スイッチバック」を紹介したいと思います。

スイッチバックは、急勾配の山の斜面に線路をジグザグ敷いて、鉄道が登って行く方法の事で、県内を走っている箱根登山鉄道は有名だそうです。実際に乗って体験してみるのもいいかもしれませんね。

ほんのごく一部を紹介させていただきましたが、興味を持っていただけたでしょうか。他にも多くの用語が紹介されており、読み終えた後は鉄道に詳しくなっているはずです。

本書をきっかけに、鉄道の魅力を感じ、さらに鉄道を好きになって、ご家族で一緒に楽しんでもらえればと思います。

おまけに、本書を読んで知ったトリビアを一つ。

県内を走る小田急小田原線は、新宿~小田原間を走っていますが、「東京都と神奈川県の都県境を7回も行ったり来たりする」そうです。乗っているだけでは気づきませんよね。

『鉄道へぇ~事典 大人もなるほど!』栗原景/著、井上広大/イラスト、米村知倫/イラスト 交通新聞社2022年

資料コード:23425556 請求記号:686/ク OPAC(所蔵検索)

(県立図書館:「青春18きっぷ」で旅人になる)