令和5年3月12日に県立図書館本館4階の学び⇔交流エリアで「ボランティア入門講座~役に立ちたいを実践へ~」を開催しました。
応募者多数のため、抽選で選ばれた40名の方に受講いただきました。応募の多さから、県民の皆様のボランティアへの関心の高さを感じました。
講師は、神奈川大学人間科学部教授の齊藤ゆか先生です。齊藤先生のご専門は生涯教育学、生活経営学、ボランティア学です。ボランティア活動を通したアクティヴライフの構築支援方法論の研究開発や、自治体やNPOとの協働で、「潜在的ボランティア」の参画力を高める学習プログラムの実践と評価等を行っていらっしゃいます。
本講座の学習目標は、「ボランティア活動に関する基本的な考え方を理解し、誰もが手軽に参加できる活動や、新たな課題に向き合う活動などについて学び、実践につなげる」ことです。
1.ボランティアへの思い:イメージや動機
2.ボランティアとは何か:基本的な考え方
3.どんな活動があるのか:活動の種類や情報
4.私に何が出来るのか、どんな方法で参加するか:手軽な活動参加~企画運営へ参画
5.新しい生き方の創出:キャリアライフ・イノベーション
上記5つの観点から、ボランティアについて学びました。ボランティアへの思いは人それぞれであること。ボランティアとは、営利目的ではなく、自発的動機から、自分の時間、能力、エネルギーなどに基づく労働を第三者に提供する人。自由意思に基づく社会的行動。このような基本的な考え方を確認した上で、具体的な活動について豊富な写真のスライド投影を見ながら学ぶことができました。
ボランティア活動について、「人の視点」、「組織の視点」、「地域の視点」から整理された齊藤先生のお話は大変わかりやすく、大切なことを教えていただきました。
人の視点からは、「寛容な言葉かけ」「相互の感謝」が大切であること。
組織の視点からは、共感的な関係づくりと、ゆるやかな生き方、ゆるやかな組織との関わり、ゆるやかなビジネス感覚を肯定することが大切であること。
地域の視点からは、地域の未来の姿を展望することや、地域の魅力、地域の価値に気づき、新たな価値の創造を担う人を創ることが大切であること。
もっと長く齊藤先生のお話を聞きたかったなど、受講者から好評の声が多く届きました。
この講義を受けて、無理なく続けられる自分に合ったボランティア活動をしていきたい、何かを始めようと思ったという受講者の声もありました。本講座が、受講者にとって新たな出発のきっかけになったとしたら、スタッフとしてこれ以上嬉しいことはありません。今後も「ボランティア入門講座」の開催等を通して、ボランティア活動の支援をしていきたいと思っています。
齊藤ゆか氏 著書
『ボランタリー活動とプロダクティヴ・エイジング』 ミネルヴァ書房 2001年
請求記号:369.7RR/142 資料コード:21916366 OPAC(所蔵検索)
『ボランティア評価学』 ミネルヴァ書房 2022年
請求記号:369.7/203 資料コード:23401987 OPAC(所蔵検索)
(県立図書館:「ボランティア入門講座」担当)