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講義中の様子

令和4年度の10月から3月にかけて、新しい試みである連続講座を始めました。「Lib活 本を選び、本を読み、本を朗読する講座」です。

この講座は全6回の連続講座で、講師はフリーアナウンサー・書評家の北村浩子氏です。

受講したメンバーは、多数の応募者から抽選で選ばれた本が好きな15名。「朗読で本の魅力を伝えよう」という目的を共有しながら、北村先生からの個人指導や全体指導を受け、個人やグループで朗読練習や紹介文の作成などを行ってきました。

講座の最終回では、県立青少年センター内のスタジオHIKARIの舞台で来場者に多彩なジャンルの朗読を披露しました。

この全6回の講座を通して、他の人の声を通して本に触れるという朗読の素晴らしさに改めて気づくことができました。

子どもの頃、絵本を読み聞かせてもらって優しい気持ちに包まれたあのときがよみがえってきた朗読。本の作者と朗読者との間にある深い対話を感じさせてくれた朗読。朗読者の好奇心・探求心を呼び水として、朗読で聞いた本の続きを強烈に読みたくなった朗読。声からは本の魅力だけではなく、朗読者の魅力が伝わってくるという新鮮な体験がありました。

朗読会の様子朗読を聞いた後に、朗読された本や朗読された作家の本を読むと、朗読者の声や読む際のテンポ、あるいは間などが思い出されて、朗読を聞かなかったときの読書と比べると、より深く文章を味わうことができました。なぜその本を朗読に選んだのか、選んだ本のどの部分を読むのか、本や作者の紹介をどのようにするのかなど、朗読以外にも朗読者の個性の輝きを感じることができました。

最終回の朗読会は、紅葉ケ丘公立文化施設5館が連携して芸術文化等のプログラムに取り組むことで、地域との連携を深め、地域の活性化に資することを目的とした「まいらんイベント」の一環として開催しました。

当日は紅葉ケ丘の広場にキッチンカーが出店され、周辺はとても賑やかでした。各館様々なイベントを開催し、スタンプラリーやクイズラリーも行いました。紅葉ケ丘公立文化施設である県立音楽堂、県立青少年センター、横浜市民ギャラリー、横浜能楽堂と県立図書館がつながり、紅葉ケ丘の魅力を発信することができました。

令和4年度に新しくオープンした県立図書館本館が目指すのは、「価値を創造する図書館」です。

朗読会は、本と朗読者との間で生まれた読書体験を、来場者が受け取ることができ、これまでの自分の読書から一歩踏み出して本の新たな魅力を再発見できるものでした。新しい価値が創造された朗読会だったと思います。

令和5年度は、令和4年度の「Lib活 本を選び・本を読み・本を朗読する講座」受講メンバーによる朗読会を開催します。人と人との読書体験をつなぎ、本との対話を深める「価値を創造する朗読会」となるよう、メンバーとスタッフとで準備を進めておりますので、どうぞご期待ください。

まいらんイベント当日の様子



(県立図書館:イベント担当)