令和4年10月9日(日曜日)、神奈川県立図書館の新しい本館の開館を記念して、東京都立大学大学院教授 木村草太氏を講師にお招きし、開館記念講演会2「憲法学者の図書館利用法」を開催しました。
木村氏が専攻していらっしゃる憲法学は、社会・人文系の図書館として、当館が収集している資料の柱の一つである「法学分野」に属しています。
また、神奈川県出身であり、子どもの頃から図書館が身近で、よく当館を利用されていたことを新聞のインタビュー記事で語っていらっしゃいました。そこで、ご自身の経験も踏まえた「図書館の利用法」を語っていただくことで、来館者の皆様にも図書館の活用法を考えていただくきっかけになればと思い、ご講演をお願いしました。
学生のころから当館(現在の前川國雄館)や近隣の図書館をご利用になっていらっしゃった木村氏に、まずは当時の思い出からお話しいただきました。参加者の皆様の中にも、懐かしく感じられている方も多く、相槌をうちながら聞いていらっしゃいました。
和やかにお話しが進む中、2012年に出版された著書「キヨミズ准教授の法学入門」の舞台がなんと!当館がモデルになっているとのお話しがありました。
さらには「残念ながら県立図書館には所蔵がなく・・・」と続き、どっと笑いの生まれる瞬間となりました。
専門書を収集する県立図書館の役割は、知の体系化にとって大事なことであると評価いただきました。
その一方で、家具や書架の配置、場の雰囲気など「空間」としてとらえた時に図書館を使い分けることもあるなど、所蔵資料の特色以外にも、様々な図書館活用法をお話しいただきました。
図書館のよさは予期せぬ図書との出会いがあること、電子書籍が身近に利用されるようになっても紙の本の良さはなくならないこと、ぜひ図書館を利用してくださいとのメッセージが、心に残る講演会となりました。
新型コロナ感染症の発生状況は落ち着いてきたとは言え、まだまだ感染の危険性を否定できる状況ではないため、サイン会は行えませんでしたが、代表して当館蔵書では最新のご著書『自衛隊と憲法 危機の時代の憲法論議のために』にサインをいただきました。
貸出も予約も可能な資料です。ご興味のある方はぜひ予約してみてください。
(県立図書館:開館記念講演会2担当)