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ディック・ブルーナ書影

世界中で愛されているうさぎのキャラクター"ミッフィー"。小さい頃から絵本などで目にする機会がありましたが、私はぬいぐるみをプレゼントされたことがきっかけで、その可愛らしさに夢中になりました。

ミッフィーはどのように生まれたのでしょうか。その秘密が知りたくて、この本を手に取りました。


本書はミッフィーの生みの親であるオランダのイラストレーター、ディック・ブルーナについて書かれた伝記です。彼によって生み出された本の表紙、絵本、ポスターなどが満載で、まるで展覧会を観ているような楽しい時間を過ごすことができます。


ミッフィーの本当の名前は「ナインチェ」。オランダ語で「小さいうさぎちゃん」という意味の「コナインチェ」を縮めたものだそうです。日本では、福音館書店を中心に「うさこちゃん」(日本語訳)、講談社を中心に「ミッフィー」(英語訳)というふたつの呼び方が存在しています。


1955年6月21日、最初の絵本『ちいさなうさこちゃん』『うさこちゃんとどうぶつえん』の2冊がオランダで出版されました。この日がミッフィーの誕生日とされています。

初期のミッフィーは、左右非対称でぺしゃんこなぬいぐるみのようです。時がたつにつれその姿は変化していきます。

1959年に絵本の形を長方形から正方形に変え、キャラクター全員の目の形を考え直し、より読者の心を引きつけるようにしたからです。

1963年のミッフィーの最初の絵本の改訂版では、全体的に丸みを帯び、ほぼ左右対称になり、目と目はより離れて、シンプルで愛らしい姿に大変身しました。こうした工夫のおかげで、ミッフィーは世界で最も有名なうさぎになっていったのです。

2020年はミッフィー誕生65周年を迎え、世界中でお祝いの記念イベントが行われました。


ブルーナ氏が息を引き取った2017年までに創作した絵本の総数は124冊。そのうちミッフィーの絵本32冊は85か国、50以上もの言語に訳されています。

当館でもブルーナさんの絵本は約60冊所蔵されています。手に取って心あたたまる時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。


『ディック・ブルーナ "ミッフィー"を生んだ絵本作家 Dick Bruna 』

ブルース・イングマン/ラモーナ・レイヒル 著 北川玲/訳 河出書房新社 2020

資料コード:23145998 請求記号:726.6/91 OPAC(所蔵検索)


(県立図書館:うさふみ)