公開

講座チラシ.jpg

令和3年8月22日、29日(日曜日)に、講座「歴史研究の方法」を2週連続でオンライン(Zoom)開催しました。

今回の講座は歴史の授業で知識を得たあと、さらに自分自身で研究を進める方法や、成果のまとめ方まで取り扱う実践的な講座です。横浜市政史や国際交流史をご専門に研究されているフェリス女学院大学の大西比呂志教授に2回続けてご講義いただきました。

第1回は「近現代を探究する」をテーマに、先生ご自身の「横浜の風車」や「大江卓」に関する研究のご経験から、歴史研究の魅力についてお話しいただきました。

身近なモノの由来・背景を調べる過程で、関係する人々の歴史が分かる出会いがあり、地域への理解が深まっていきます。新しいことが分かるたびにまた新たな疑問が生まれ、その問いをさらに調べるうちに、研究対象や周りの世界に対する知識は深まり、より鮮明になっていくようです。

研究の醍醐味を生き生きと語っていただきました。

研究という行動そのものの面白さが伝わる第1回でしたが、第2回「歴史研究のまとめ方」では研究のルールを学びます。

まず、基礎的な知識を学ぶための資料や、研究・考察のための原資料はどこで探せばよいのか、公文書館や図書館、資料館の紹介を交えて教えていただきました。

続いて、論文の構成の組み方、後から検証されるための正しい引用の方法を教えていただきました。出所の確かな資料に基づいて研究を進め、盗用にならないように正しい表記で先行研究を取り扱うことで、自信をもって学術研究の世界に踏み出していけそうです。

今回は2回連続講座ということで、第2回の講座には事前課題が提示されました。

歴史研究の出発点である「問い」を起点に、ご自身の研究したいことを書き出していただき、関連する先行研究を探すという内容です。

その内容についても第2回後半の時間に先生に講評していただきました。

参加者の皆さんの研究テーマ、熱心に調査された内容をお話しいただき、大変盛り上がりました。

ワークショップ風に開催した今回の講座ですが、実はこちらは新棟再整備に合わせたプレイベントです。

新棟がオープンした後には、「価値を創造する図書館」という当館の新しい機能を体感いただくため、参加者の皆さんが調べてまとめて成果を発表する講座を開催するべく、ただいま鋭意企画中です。

詳細は準備が進み次第、当館ホームページでお知らせします。

研究成果を発表する場の一つとして、ご検討いただけますと幸いです。

(県立図書館:「歴史研究の方法」担当)