公開

神奈川県立図書館では、10月15日(金曜日)より本館1階入口付近にてLLブックをご紹介しています。

「LLブック」は、スウェーデン語のLättläst(レットラスト)の略で、「やさしく読みやすい本」を意味しています。障がいの有無に関わらず、平等に生活する社会を実現させるノーマライゼイションの理念に基づき、スウェーデンで1960年代から出版され、北欧を中心に普及して世界へ広がりました。

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日本のLLブックを出版する取り組みは、2000年初期から始まっています。

現在、LLブックと明示して発行している出版社には、樹村房や埼玉福祉会などがありますが、未だに出版点数も少なく、認知度が低いのが現状です。

世の中には、LLブックを必要としている人が大勢います。

例えば、知的障がいや自閉症などの障がいをもっている人、母語の異なる人、活字を読むことや内容を理解することが苦手な人たちです。最近では高齢者や認知症の人まで対象が広がっています。

LLブックは、文字が中心の出版物が理解しにくい人たちにも、読みやすいさまざまな工夫がされています。わかりやすい文章で書かれ、絵記号(ピクトグラム)、イラスト、写真などが多く使用されています。そして、LLブックが必要な人が知りたい、興味のある分野にも手をさしのべています。

日本では2019年6月に「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(読書バリアフリー法)が成立し、そのニーズは一層高まってきています。

今回の資料紹介では、展示ケース以外のLLブックは、実際に手に取ってご覧いただけます。

当館で所蔵しているLLブックは、当館のOPACで件名に「LLブック」と入力して検索できます。

お近くの図書館に所蔵がない場合は、図書館ネットワークで取り寄せを依頼することが出来ますので、お借りになる図書館へお問合せください。

本は人を楽しませ、こころを豊かにします。本にアクセスできる権利は誰もが持っています。

このような本があることを知っていただき、より多くの人に本を読む楽しみを伝えたい!

今回の資料紹介がそのきっかけとなれば幸いです。

展示期間

2021年10月15日(金曜日)から11月30日(火曜日)まで

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(県立図書館:展示担当)