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14歳の君へ書影.png試合前のアスリートが、「この曲を聴いてテンション上げます。」とか、「この曲を聴くとリラックスできます。」と言うのをよく耳にします。私は、物事が思うようにいかずへこんだ時、訳もなく弱気になった時、この本を読んでいます。


この本は、タイトルのとおり中学生に向けて書かれたもので、「毎日中学生新聞」に連載されていました。

「毎日中学生新聞」が2006年3月に休刊となり、書き下ろしを加えて書籍化されました。

「友愛」「勉学」「言葉」など、若い人に関心の高い16のテーマで著者の論が展開されます。

その時の気分で、どのテーマからでも読み進める事が出来ます。


著者の池田晶子さんは大学で哲学を学び、2007年に46歳の若さで亡くなるまで、文筆家として多くの著書を残しました。哲学というと、デカルト、カント、ショーペンハウエル...というように、難解で敷居の高いイメージがありましたが、池田さんが確立した「哲学エッセイ」は、生きること、考えることを日常の言葉で分かりやすく伝えています。


私は14歳の何倍も人生を過ぎてからこの本に出会ったのですが、本屋さんで「はじめに 14歳の君へ」の部分を読んだ時、グッと心を掴まれました。

"よい人のよい心を、悪い人の悪い心が傷つけることは、決してできないことなんだ。

だから、よい心でいることが、一番強いことなんだ。"

読者に直接語りかけるような口調で、モヤモヤしていることを爽快に斬っていきます。


孔子は40歳を不惑と言いました。実際には、40歳をはるかに超えても日々迷うことばかりですが、この本にいつも力をもらっています。もう少し大人向けの本をお探しの方には、同じ著者の『暮らしの哲学』も当館で所蔵しています。


14歳の君へ どう考えどう生きるか』 池田晶子著 毎日新聞出版 2006

資料コード:22028591 請求記号:159.7/108 OPAC(所蔵検索)


『暮らしの哲学』 池田晶子著 毎日新聞社 2007

資料コード:22094890 請求記号:104/502 OPAC(所蔵検索)


(県立図書館:さすらいウオンバット)