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「世界のオザワ」と評された指揮者の小澤征爾氏が2月6日、都内の自宅で心不全のため亡くなりました。88歳でした。1935年に旧満州国奉天市に生まれ、1959年には単身海外に渡り、カラヤン、バーンスタインに師事しました。1973年にはボストン交響楽団の音楽監督に就任し、以後29年間務めています。1992年には国際的な音楽祭である「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」(現セイジ・オザワ松本フェスティバル)を創立しました。2002年、日本人指揮者として初めてウィーン・フィルのニューイヤーコンサートに登場し、2008年には文化勲章を受章しています。今回は当館の所蔵資料から小澤征爾氏に関する資料をご紹介します。

図書のとびら

音楽

小澤征爾・武満徹/著 新潮社 1981年刊 760.4M/150<11748670>

武満徹は1961年に「リング」の初演で小澤征爾と知り合います。1967年に作曲した武満の代表作である「ノヴェンバー・ステップス」は、アメリカで活動中の小澤征爾を通じてバーンスタインから委嘱を受けた作品です。1996年に武満が逝去した後も、小澤は武満作品を演奏する機会が多く、武満が小澤にとって特別な存在であったことが伺えます。この対談集は二人の音楽家が「音楽」に対して真摯にそして熱く向き合った記録です。

小澤征爾さんと、音楽について話をする

小澤征爾・村上春樹/著 新潮社 2011年刊 760.4/406<22570782>

小澤征爾が食道がんの手術を受けた後に企画されたこの対談には、375ページという大部でありながら、長さを感じさせない魅力があります。それは村上春樹という聞き手を得て、小澤征爾がいわゆる「音楽」について、のびのびと話しているからでしょう。そして小澤征爾からこれだけの思い出を引き出せたのは、村上春樹の音楽に対する豊富な知識と深い理解、愛情があったからにほかなりません。この本は第11回小林秀雄賞を受賞しています。

新聞のとびら

小澤征爾さん死去 88歳 世界的指揮者

朝日新聞 2024年210日朝刊 1面

31面 音楽の光で世界照らす 小澤征爾さん地方から発信 情熱注ぐ

小澤征爾さん死去 88歳 世界的指揮者

読売新聞 2024年210日朝刊 1面

35面 オザワ 日本の誇り 最高峰の舞台で指揮

小澤征爾さんを失って 村上春樹さん寄稿

朝日新聞 2024年211日朝刊 2面

雑誌のとびら

特集 小澤征爾 ディスクでたどる演奏史

「レコード芸術」第63巻第7号(2014年7月) 14ページから58ページまで Z769/13

特集 いつも小澤征爾がいたーオザワというニッポンの巨人

「音楽の友」第80巻第6号(2022年6月) 41ページから72ページまで Z760.5/2

視聴覚のとびら

武満徹:ノヴェンバー・ステップス、弦楽のためのレクイエム 他

武満徹/作曲 小澤征爾/指揮 トロント交響楽団/演奏

BMG JAPAN(1990年) CD18/タケミ<41299694>

ニューイヤー・コンサート 2002 完全収録盤

小澤征爾/指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団/演奏

PHILIPS (2002年) CD10/シユト<41132127>

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