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大江健三郎氏が、3月3日に88歳で亡くなりました。1958年「飼育」で芥川賞を受賞。「個人的な体験」「万延元年のフットボール」「ヒロシマ・ノート」などの作品で、戦後日本を代表する作家として知られています。1994年には川端康成に続いて日本人で2人目のノーベル文学賞を受賞しました。また、2005年には大江健三郎作家生活50周年、講談社創業100周年を記念して、選考をひとりで行う大江健三郎賞を創設し、第8回(2014年)に終了するまで国内の気鋭の作家に光をあてました。今回は当館の所蔵資料から、大江健三郎氏に関する資料をご紹介します。

雑誌のとびら

「新潮」91巻12号表紙
特集『ノーベル文学賞受賞 大江健三郎』

「新潮」第91巻第12号(1994年12月) Z910.5/140

p187からp225まで

1994年のノーベル文学賞受賞後の雑誌の特集号です。堀田善衞氏、辻井喬氏、林京子氏をはじめとした10名の人びとが大江健三郎氏について語るほか、「個人的な体験と想像力」として、加賀乙彦氏と津島佑子氏が対談をしています。そのほかに、「大江健三郎の現在」(島弘之氏)、「ヨーロッパの受賞報道から」(立花英裕氏)などの記事が掲載されています。

「国文學」36巻8号表紙
特集『70年代の政治と性 大江健三郎』

「国文學 解釋と鑑賞」36巻8号(1971年7月) Z910.5/16/36-2

p10からp139まで

30代半ばとなり、精力的に活動していた頃に、「主題と方法」「文学の構造」「文学と位置」「海外文学との交流」「主要作品の分析」「大江健三郎をめぐる同時代批評」という構成で特集が組まれました。目次には、「この特集では、大江健三郎の思惟・方法・構造、文学史的な位置づけ、主要作品の分析など多面的な視点の設定によって総体的にとらえ、深みのある考察をしました。」と記載されています。

『水死』のほうへ―大江健三郎と沖縄(加藤典洋著)

「すばる」第39巻第5号(2017年5月)58ページから81ページまで Z910.5/121

沖縄について考え続けていること(大江健三郎著)

「世界」第859号(2014年8月)41ページから47ページまで Z051/3

未成の夢―大江健三郎論(1)―(川西政明著)

「群像」第33巻第3号(1978年3月)200ページから213ページまで Z910.5/69/33-1

新聞のとびら

大江健三郎さん死去 88歳 ノーベル文学賞 反核訴え

朝日新聞 2023年3月14日朝刊 1ページ、11ページ、33ページ、36ページ

大江健三郎さん死去 88歳 ノーベル賞作家

読売新聞 2023年3月14日朝刊 1ページ、15ページ、37ページ

図書のとびら

大江健三郎と「晩年の仕事」

工藤庸子著 講談社 2022年 910.26/4138 <23352305>

無垢の歌 大江健三郎と子供たちの物語

野崎歓著 生きのびるブックス 2022年 910.26/4175 <23379258>

大江健三郎とその時代 「戦後」に選ばれた小説家

山本昭宏著 人文書院 2019年 910.26/3737 <23096753>

大江健三郎作家自身を語る

大江健三郎著/尾崎真理子聞き手・構成 新潮社 2007年 910.26SS/2579 <22067599>

私(わたし)という小説家の作り方

大江健三郎著 新潮社 1998年 910.26GG/1614 <21039680>

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