2026年、伊勢原市の大山詣り(おおやままいり)は日本遺産認定10周年を迎えます。この節目に合わせ、当館では江戸庶民がたどった大山参詣ルートをすごろくになぞらえて紹介しています。企画展示の概要はこちらをご覧ください。展示期間は9月9日(水)までです。
本記事では、会場に施されたさまざまな仕掛けを中心に展示をご紹介します。「大山詣りって何?」「江戸庶民に人気があった理由は?」などのご興味がわいた方は、ぜひ会場へ足をお運びください。![]()
1.多彩な「大山詣り」関連物品
会場でまずはじめに目を引くのは、天井に吊り下げられた「布まねき」ではないでしょうか。江戸時代には大山参詣者へ歓迎の意を示すため、宿坊の軒先に色とりどりの布が吊るされました。これを布まねきと呼びます。今回の展示ではこの布まねきをはじめ、参詣時に着用する「行衣(ぎょうい)」、大山へ奉納する「納め太刀(おさめだち)」、大山土産の定番「大山こま」など、さまざまな物品を伊勢原市役所からお借りしています。貴重な資料を間近で見ることができるチャンスです。
2.すごろく風の会場
本展示では葛飾北斎の『鎌倉江ノ嶋大山新板往来双六(かまくらえのしまおおやましんぱんおうらいすごろく)』に倣い、会場全体をすごろくのようにアレンジしています。
展示の順路を示すのは、各コーナーに設置されたサイコロです。サイコロの数字を1→2→3...と順にたどることで、会場を1周することができます。足元にあるすごろくのマス目にもご注目。江戸時代に実際に食べられていた美味しいものがデザインされています。
3.見て/触って楽しむ浮世絵
葛飾北斎による浮世絵作品のマスターレプリカや、「さわれる冨嶽三十六景」も合わせて展示しています。さわれる冨嶽三十六景は表面に特殊な加工を施しており、目で見るだけでなく、触って鑑賞することができる浮世絵です。期間中は2階レファレンスデスク前でも、触って楽しむことのできる「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」を展示しています。鑑賞後は、同じく2階に配架されている多様な"かながわ資料"も手に取ってみてください。
最後に、本展示は伊勢原市役所をはじめ、多くの方のご協力を得て実現しました。サイコロや亀の甲せんべい、烏帽子岩の模型などは、当館で主に本の修理を担当しているスタッフが作成したものです。また、大山関連の写真、旅のしおりやスタンプコーナーの設置、覗いて見る仕掛け絵本など、職員のさまざまなアイデアが結集し、親しみやすく楽しい展示になっていると思います。
神奈川県立図書館で旅気分を味わっていただいた後は、ぜひ、大山をはじめとした県内各地の観光スポットへ足を運んでいただければ幸いです。すごろくでめぐる神奈川の旅をどうぞお楽しみください。
(県立図書館:展示担当)