公開

2023年3月18日に開催した研究会の様子

Lib活「県民が編むかながわの半世紀」、第1期の活動が終了しました。

「Lib活(リブカツ)」は、2022年9月の新しい本館の開館と共にスタートした取り組みです。「Lib活」では、同じ興味を持つ仲間たちと、部活動のように継続的に学びを深め、新しい価値を創造することを目指しています。

「Lib活」のひとつである「県民が編むかながわの半世紀」は、図書館の資料を活用しながら、県民の目線で神奈川県の現代史を編んでいこうというプロジェクトです。アドバイザー兼第1期のコーディネーターには、日本近現代史や横浜学がご専門の、フェリス女学院大学国際交流学部名誉教授の大西比呂志先生をお迎えしました。今期は、大西先生の講義や受講者同士のディスカッションを通して神奈川県の現代史について学びながら、「かながわの半世紀」を見通す年表の作成を行ってきました。

2023年3月18日(土曜日)、当館4階の「学び⇔交流エリア」で、第1期最後の研究会を開催しました。この会では、すでに提出を終えた年表などの成果物を用いて、受講者が発表を行いました。今期の活動では、既存の『神奈川県史』に収められていない、1981(昭和56)年以降を対象として、それぞれの受講者に担当の年代を割り振っています。自分の担当年代について調べ、年表をまとめる活動を通して、どのような特徴が見えてきたか、特に注目した事柄は何かといったことを一人ずつプレゼンし、その後ディスカッションの時間を設けました。

受講者の作成した年表には、一人一人の個性が活かされ、従来の県史にはなかったような新しい視点が取り入れられています。みなさんの発表を聞きながら、様々な形で神奈川県と関わってきた人たちが、自分の生きた時代の歴史を自分の手で編んでいくおもしろさと、地域の歴史を残し、つないでいくことの大切さを感じました。

発表を受けたディスカッションでは、「自分の担当した年代だけでは捉えきれなかった事柄も、他の受講者の発表で前後の流れを知ることによって理解が深まった」といった意見もあり、交流によって学びが深まる様子が見られました。
会の後半では、修了式として、大西先生から受講者のみなさんへ修了証が渡されました。大西先生からは、今期の活動の総評として、年表を作成するという地道な作業に粘り強く取り組んできた受講者の姿勢を評価するとともに、今期の活動の中で見出した疑問や興味をさらに掘り下げ、「神奈川県」とは何かを考えるきっかけにしてほしいとのお話がありました。

講師の大西比呂志氏

「県民が編むかながわの半世紀」は、来期以降も活動を続けていきます。第2期では、第1期で作成された基礎年表を基に、神奈川県の半世紀について更に深く掘り下げるような活動を予定しています。2023年6月頃に募集を開始する予定ですので、ご興味のある方はぜひホームページ等をチェックしてみてください。多様な興味・関心やバックグラウンドを持つ方々と、一緒に「かながわの半世紀」を編んでいけることを楽しみにしています!

(県立図書館:Lib活「県民が編むかながわの半世紀」担当)