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平成19年度神奈川県児童福祉審議会推薦優良図書に指定されている本で、ばすくんシリーズの第一弾です。絵を描いているなかやみわさんは、『そらまめくんのベッド』(福音館書店1997年)などの著作でも有名な方です。

ところで、『ばすくん』というタイトルを見て、どんな絵本を想像するでしょうか?

実はこの絵本、乗り物好きの幼児から大人まで楽しめる内容になっています。

路線バスとして毎日お客さんを乗せて走っていたばすくん。ある日新型のバスが登場し、お客さんも新型のバスに乗りたがるようになりました。そして、ばすくんは田舎のバス会社に払い下げられてしまいます。

旧型のばすくんには山の未舗装道路は厳しく、部品が壊れて走れなくなってしまいました。

ばすくんは森の中に捨てられてしまいます。


人間に例えると、バリバリと働いていた人が新人の登場で地方に左遷され、ハードワークがたたって体調を崩して退職させられてしまうような悲哀を感じます。


その後、ばすくんは森の中で様々な動物たちと出会い、動物たちの居心地の良い場所になっていきます。

誰かの役に立てることを実感して、第二の人生を楽しむという人間の生き方にもヒントを与えてくれる、心に残る名作絵本です。

ばすくんのナンバープレートなど、細部にも注目してみてください。

"こころ行き" というばすくんの行先表示が、この物語を表していると思います。


『ばすくん』みゆきりか作 なかやみわ絵 小学館 2007

資料番号:22155634 請求記号:E1/OPAC(所蔵検索)


(県立図書館:ウルトラの母)