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『江戸の風に聞け! 武州磯子村から』
伊藤章治著 論創社 2024年 [K25.16/3]
現在の神奈川県横浜市磯子区にあたる、江戸湾沿いの小さな村・武州久良岐郡磯子村。
本書は古文書をもとに、磯子村に暮らす架空の人物の生活が物語形式で描かれています。著者は、「磯子村は特殊な村ではなく、どこにでもある平凡な村のひとつだ。だから、磯子村民が味わった喜怒哀楽は、他の多くの村の村人も味わったに違いない、と考える。」と述べています。人物が語ることで、歴史が「声高に告げる術のない個人の体験の集積」であるという側面が見えてきます。
また、江戸が世界に冠たる「環境大国」と称された理由や、江戸で育まれてきた独特の性格を紐解く鍵となる死生観にも迫ることで、江戸文明の実像を明らかにしようと試みた一冊となっています。
『箱根に咲く花』
勝山輝男著 有隣堂 2024年 [K47.85/48]
本書では、箱根及びその周辺の山地で見られる草花や樹木の花、約550種を現地で撮影したカラー写真と解説で紹介しています。解説には花や植物の見られる時期、学名、科名が記載されています。また、花・茎・葉の状態や特徴も示されているため、植物を特定する手がかりとなります。巻末には関連用語解説と索引が掲載されています。登山やハイキングの際にも持っていきやすい新書サイズで、その場で名前のわからない植物を調べたくなったときにあると便利な一冊です。
著者は神奈川県横浜市生まれで、神奈川県立生命の星・地球博物館学芸部長を経て、現在は名誉館員となりました。また、神奈川県植物誌調査会代表、横浜植物会代表でもあります。
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