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新着資料から

『大学的相模ガイド こだわりの歩き方』
塚田修一編 昭和堂 2022年 [K291.54/49]

タイトルから判断すると、本書は観光ガイドブックのように思えますが、ガイド的な要素は巻末に少し見られる程度で、古代から現在に及ぶ「相模地域」の歴史・生活都市計画などをさまざまな側面から掘り起こした内容となっています。ここで言う「相模地域」とは、東京都町田市、相模原市、海老名市、厚木市、座間市、大和市などを指しています。
編者は、この地域を「横浜ではなく、川崎でもなく、湘南でもなく、鎌倉でもない」と位置づけます。さらに、この地域の一般的な評価が「何もない郊外」と述べています。しかし、本当に何もないのか、相模女子大学を始めとする多くの大学の教授や講師が、この地に存在する「何か」を炙り出していきます。
例えば、その一つとして、「何もない場所だけど、そこには人々の固有の生き様がある」という意識を持って地元の大和市を舞台とした作品を撮り続ける、映画監督の話を紹介しています。

『鎌倉ジャズ物語 ピアニスト・松谷穣が生きた進駐軍クラブと歌謡曲の時代』
筒井之隆著 中央公論新社 2022年 [K76.4/26]

本書は、音楽家・松谷穣(まつや・みのる)の伝記です。タイトルに「鎌倉ジャズ物語」とありますが、松谷は、鎌倉のクラブにとどまらず、横浜や横須賀のクラブでも数多くジャズピアノを演奏していました。当館に近い紅葉坂下にあった米軍クラブ「サクラポート」もその一つです。
鎌倉で育った松谷は、その文化的な雰囲気に大きな影響を受けましたが、音楽の勉強を始めたのは16歳と、遅いスタートでした。そして、東京音楽学校に入りクラシックを学んでいます。ピアニストとされていますが、40歳を過ぎてから歌手デビューも果たしました。やがて鎌倉の自宅には、前田美波里、上野尊子、東郷輝久らが訪れ、弟子入りしています。晩年は、浜松町のボーカル教室で堺正章ら歌手志望の若者たちを指導しました。後に、その教室が渡辺プロダクションに吸収されたことで、松谷はキャンディーズや太田裕美など、歌謡曲の歌手も指導するようになるのです。こうしたジャンルにこだわらない松谷の姿勢は、日本の歌謡曲とポップスの黄金期を支えました。

新着のかながわ資料

新着資料の一部をご紹介します。

タイトル 著者名 出版者 出版年 請求記号
比企氏の乱 実史 永井晋著 まつやま書房 2022 K28/529
誰も知らない鎌倉教えちゃう 82.8 Kamakura FM Nami no Kamakura Navi 月乃南著,村上信夫著 ごま書房新社 2022 K291.4/476
持続可能な介護保険制度の考え方 介護利用者・介護事業者・介護職員を幸せにする 川崎発!逆・介護保険の挑戦 そえだ勝著 同友館 2022 K36.21/244
厚木航空隊の反乱 第三〇二空司令小園安名の徹底抗戦 早瀬利之著 潮書房光人新社 2022 K39.92/14
隈研吾鎌倉に小さな英国アンティーク博物館をつくる訳 土橋正臣著,隈研吾監修,森日出夫写真 成山堂書店 2022 K52.4/31
ヒギンズさんが撮った京浜急行電鉄、京成電鉄、新京成電鉄 コダクロームで撮った1950~70年代の沿線風景 J.Wally Higgins写真,安藤功解説 アルファベータブックス 2022 K68/686
一駅一話江ノ電沿線歴史さんぽ 泉秀樹著 有隣堂 2022 K68.4/20
鎌倉殿の13人 完結編 NHK大河ドラマ・ガイド NHK出版 2022 K77.4/46/3
SHONAN DAYS ISSUE02 湘南デイズ アトランテ[編] アトランテ 2022

K78.62/33/2

曽我物語 流布本 小井土守敏編 武蔵野書院 2022 K97/192
帰ってきた酒と涙と男と天ぷら 原茂男著 神奈川新聞社 2022 K98.1/210/2