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新着資料から

『アラン・オーストンの標本ラベル 幕末から明治、海を渡ったニッポンの動物たち』
川田伸一郎著 ブックマン社 2020年[K48.1/54]

アラン・オーストン(1853年から1915年まで)は、英国サリー州バーブライトの聖職者の家に生まれました。明治4年(1871年)、レーン・クロフォード商会の一員として、横浜へ移住します。明治12年(1879年)には、主に鉄製品を扱う貿易会社「オーストン商会」を設立し、亡くなるまで経営を続けました。1890年代になると、動物標本も販売するようになります。
本書は、国立科学博物館の研究員である著者が、現職に就く以前に、森林総合研究所で、モグラの標本に付けられた古いラベルに出会うところから始まります。1か月後、今度は大英自然史博物館で、同じ書式のラベルを付けたモグラ標本を発見します。著者は、開港資料館での資料調査などにより、それらの標本とオーストンとの関係を次第に明らかにしていきます。しかし、オーストンのことだけが書かれているわけではなく、動物分類学、モグラの研究史、明治時代に活躍した外国人商人や動物採集人の話、希少動物の標本の話など、著者の好奇心の赴くまま、内容は多岐に渡っています。

『横浜正金銀行の研究 外国為替銀行の経営組織構築』
白鳥圭志著 吉川弘文館 2021年[K33.1/178]

横浜正金銀行は明治13年(1880年)に半官半民の銀行として設立され、敗戦に伴い昭和21年(1946年)に清算されました。創業期は、地方の名望家や資産家が主導権を握っていましたが、明治16年(1883年)、経営危機に陥り、大蔵省の主導で経営改革が行われます。明治21年(1889年)以降は、日本銀行の資金援助を受けるようになります。加えて、日本銀行から送り込まれた高橋是清(1854年から1936年まで)の主導で、組織的な管理体制が確立されました。以降、日本銀行と密接な関係を保ちながら、外国為替業務を通じて戦前の日本経済を支えました。また、第二次世界大戦前までは、チャータード銀行、香港上海銀行とともに世界三大為替銀行と並び称され、国際金融市場でも重要な地位を占めていました。
本書は、そうした横浜正金銀行の戦争・震災・恐慌に翻弄された歩みを、本部組織(頭取席・取締役会・監査役会)の動向に集点を絞って、さまざまな内部史料から検証していきます。

新着の神奈川資料

新着資料の一部をご紹介します。

タイトル 著者名 出版者 出版年 請求記号
一遍 念仏聖の姿、信仰のかたち 構築された仏教思想 長澤昌幸著 佼成出版社 2021 K18.52/120
マンガ日本の歴史 8 鎌倉幕府の成立と承久の乱 中公文庫 S27-8 石ノ森章太郎著 中央公論新社 2021 K24/541
北条五代、奇跡の100年 民と歩んだ戦国の夢 ワニブックス PLUS 新書 318 松沢成文著 ワニ・プラス,ワニブックス 2021 K24.7/181
写真が語る横須賀・三浦の100年 いき出版 2021 K26.3/16
戦国大名・北条氏直 角川選書 64 黒田基樹著 KADOKAWA 2020 ホウ/K28/513
ウィリアム・アダムス 家康に愛された男・三浦按針 ちくま新書 1552 フレデリック・クレインス著 筑摩書房 2021 K28.31/131
髙尾山歴史の散歩道 外山徹著 ふこく出版,星雲社 2021 K291.98/214
菅義偉の正体 小学館新書 392 森功著 小学館 2021 K31.1/268
世界が注目する日本の介護 あおいけあで見つけたじいちゃん・ばあちゃんとの向き合い方 介護Library 加藤忠相編著,ひらまつおさむ漫画 講談社 2021 K36.52/51
U 相模原に現れた世界の憂鬱な断面 講談社現代新書 2598 森達也著 講談社 2020 K36.54/63
山里を襲った土砂災害の体験記 令和元年台風19号 塚本良則著 白山書房 2020 K36.54/64
Y専の歴史 横浜市立大学の源流 横浜市立大学新叢書 12 齊藤毅憲著 横浜市立大学学術研究会,春風社 2021 K37.1/353
185系特急電車の記録 登場から終焉まで活躍の軌跡 諸河久著 フォト・パブリッシング,メディアパル 2021 K68/653
ぼくの鎌倉散歩 田村隆一著 港の人 2020 K98.4/99