公開
新着資料から
『ペリー艦隊の航海日誌』
奥津弘高著 三省堂書店/創英社 2023年[K25/240]
本書は専門家ではない、一般の郷土研究家である著者が、図書館や博物館、大学教授などの協力を得て、地道な調査の繰り返しの末、書かれたものです。著者の飽くなき好奇心は海を越え、ペリーの子孫とも親交を深め、多くの発見を成し遂げました。
調査の始まりは、『ペリー提督日本遠征記』に掲載されているドイツ人画家・ハイネの石版画、「BAY OF WODOWARA」(小田原湾)が、どこで描かれたのか、という疑問からでした。従来の解説では小田原沖とされていましたが、著者は様々な資料から、横須賀市長井沖と結論付けました。その理由の一つに、ペリーの第2回日本遠征におけるマセドニアン号座礁事故を取り上げ、詳しく解説しています。
その他、ペリーの来日に伴う様々な逸話が、克明に記されています。
『d design travel 32 神奈川 KANAGAWA』
D&DEPARTMENT PROJECT 2023年[K291/937]
本書は、神奈川県を対象とした観光ガイドブックであり、美術館、飲食店、市場、ホテル、蔵元などを紹介していますが、県内の観光スポットを網羅的に掲載しているわけではなく、特にそのデザインが、編集者の心の琴線に触れた場所だけを取り上げるという、ユニークな内容となっています。そのため、明確な選択基準はなく、箱根町の「富士屋ホテル」のような、誰もが知っている有名な観光地もあれば、相模原市緑区の「studio fujino」のような知る人ぞ知るアートスポットも掲載されています。また、表紙の「ありあけ横濱ハーバー」のイラストを描いた柳原良平など、地域に根差した作家や編集者など「人間」も紹介するという、観光ガイドらしからぬ特長も持っており、「神奈川らしさ」とは何かを追及する一冊となっています。
新着のかながわ資料
新着資料の一部をご紹介します。