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トピックスのとびら

 図書館には図書、雑誌、地域資料、新聞、視聴覚資料、インターネットといったたくさんの情報のとびらがあります。
 そのとびらを開いて、時事的な話題を複合的な視点から紹介します。

No.98 ご当地が熱い(2013年9月発行)

 お茶の間に浸透し、今年の流行語にもなりそうな勢いの「じぇじぇじぇ」。4月から始まり大人気のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」ですが、その中で取り上げられている岩手県久慈市の豊かな自然や方言に、地域社会の魅力を再確認した人も多いのではないでしょうか。現在日本では大都市圏に人々が一極集中し、地方は過疎化が進む一方です。一票の格差問題も深刻になるばかり。地域経済を支えていた産業は衰退し、農業や漁業といった第一次産業に従事している人はこの五十年で激減しました。
 しかし今、日本各地で地域の潜在的な力を引き出し外に発信しようという試みが広がっています。もちろん地域を活性化させようとする試みはこれまでにも行われてきました。異なるのはその根底にある価値観です。高速道路や企業の誘致といったインフラ中心の画一的な施策から、地域に住む人々、社会が独自に育ててきた文化、自然、人とのつながりといった多様性を重視するようになったのです。長い歴史が育んできたご当地文化の良さが改めて見直されています。

図書のとびら

『ローカル・ガバメントとローカル・ガバナンス』
山本啓編 法政大学出版局 2008年 請求記号:318TT 761(22166789) 公開

 イギリス政府が、民間を巻き込むかたちで公共サービスのあり方を大きく方向転換させたことを背景に、1980年代から1990年代にかけてガバナンスという言葉が使われ始めました。ガバメント(政府)からガバナンス(統治)へ。本書は、これまで政府主導で行ってきた公共サービスを、政府と民間が連携し、統治する形に変えていくという構造転換について、ローカルという視点から解説しています。地域社会の再生には市民も参画するガバナンス、「新しい公共」の構築が求められているのです。

『シティプロモーション 地域の魅力を創るしごと』
河井孝仁著 東京法令出版 2009年 請求記号:318.6 121(22389258)公開

 地域情報論、NPO論を専門に研究する著者。シティプロモーションは単なる「まちの売り込み」ではない、地域の魅力に気づき、新たな価値を創造するものであると語ります。定住人口を増やしたい、地域産物を売りたい、好感度を高くしたい…、本書で取り上げられているのは、人々が地域を創り上げていこうと逆転をかけた数々の事例ですが、必ずしも全てが成功しているわけではありません。成功の要素はどこにあるのか。市民の地域への愛情を育むことがまずその第一歩となります。

『地域再生の罠 ―なぜ市民と地方は豊かになれないのか?』
久繁哲之介著 筑摩書房(ちくま新書) 2010年 請求記号:318.6 125(22434781)公開

 現在、日本各地で地域再生関係者は成功事例の模倣に取り組んでいます。しかし地方の衰退はいっそう混迷を深めるばかり。なぜなのでしょうか。その理由を、地域再生プランナーであり、スローシティ提唱者として脚光を浴びている著者が考察しています。専門家が推奨する成功事例のほとんどが実は成功にはほど遠い状態であるということ、そこには市民の心を豊かにする視点が欠けているということを。箱物や器を乱造し続けるのではなく、市民が豊かになる地域社会と地方自治のあり方を提示しています。

『地域力 渾身ニッポンローカルパワー』
地域振興総合研究所編 講談社 2010年 請求記号:601.1 531(22465660)公開

 日本が世界に誇る中小企業の高い技術力や産業の垣根を越えた特産品開発、新しいまち作りの取り組み。本書には、宇宙で使われる観測機器の製造で知られている三鷹光器の社長中村氏を始め、地域再生に取り組んでいる51人が登場します。それぞれが語る、これまで歩んできた道のりは平たんなものではありません。だからこそそのストーリーには、地域が元気になるには何が必要なのか、活性化のヒントとメッセージだけではなく、あなたの背中をひと押しするパワーがつまっています。

『地域を変えるデザイン コミュニティが元気になる30のアイデア』
issue+design project著 筧裕介監修 英治出版 2011年 請求記号:318.6 137(22566301)公開

 わくわくするデザインの最前線は「地域」にある! 課題に一足先に取り組み、厳しい財政状況の中知恵を絞り、住民の気持ちを動かし解決策を模索している地域が実践しているのが「地域を変えるデザイン」です。著者はまず日本の各地域が直面している社会課題をわかりやすい図とともに基礎知識として提示します。その上で、「和RE箸」など解決に挑んでいるデザイン事例を紹介しています。デザインされるのは形あるものだけに留まりません。思考もまた心をフルに使うスタイルへとデザインされます。目指すはデザイン思考を持ったコミュニティです。

雑誌のとびら ~地域再生への取り組み~

「B級グルメの世紀 ジャンクフードとスローフードのダイナミクス」
『ユリイカ』青土社 43巻10号 [2011年9月]p88-95 請求記号:Z911.5-155

 特集「B級グルメ ラーメン、カレー、とんかつ、焼きそば…日本にとって食とはなにか」の一つです。1930年代にアメリカで台頭したジャンクフード(大量生産食品)ですが、その反動は1980年代から広まった食の地域主義、再風土化といった運動を生み出しました。日本では1958年に発明されたチキンラーメンがきっかけとなって大量生産食品の歴史が始まりますが、1990年代には地元の食材を前面に打ち出すご当地ラーメンが登場しています。

「巻頭特集 シニアから若年層まで。"巣ごもり"で狭まる生活圏! 今「地元消費」を捉える。」
『宣伝会議』宣伝会議 835号[2012年4月15日]p12-51 請求記号:Z674.9-250

 40pにもわたる特集記事です。かつては絶対的だった「東京」至上主義。地方出身者の多くは自分の地元を隠していました。ところが今、「地元」は隠すものから”ネタ”にするものへと人々の意識は変化しています。この特集では地元愛の質の変化、ご近所消費、各地のご当地コンテンツのプロモーションやCM方言の出現といったさまざまな事例を紹介し、多様な角度からその変化を取り上げています。

「お役所仕事から一歩前へ(129) 自治体発のスマホアプリ 「みんなでつくるご当地アプリ」のできるまで~京たなべスマートフォンプロジェクト~」
『月刊地方自治職員研修』公職研 45巻10号(通巻636号)[2012年8月]p73-75 請求記号:Z318-278

 京都府京田辺市の職員坂本氏が、市内に立地する同志社大学を始めとした周りを巻き込んで、観光案内用のアプリケーション「iTours京たなべ」を完成させるまでを語っています。立地に恵まれ観光資源もあるのに、全体像があいまいとしていてまちの魅力をアピールできていなかった京田辺市。ご当地アプリを作る過程で、地元の人もまちの良さを再発見しました。

「「ゆるキャラ」で稼ぐ方法 知名度重視なら商標無料「くまモン」型 「ひこにゃん」「バリィさん」は集客重視」
『日経グローカル』日経産業消費研究所 215号[2013年3月4日]p32-35 請求記号:Z318-557

 ゆるキャラブームの火付け役となった滋賀県彦根市の「ひこにゃん」、そして2012年の関連商品売上高が293億円超を記録した熊本県の「くまモン」。ゆるキャラ戦国時代の今、地域キャラクターは日本各地にあまた存在しています。その中で成功したキャラクターはいったい何が違うのか、その総合力やノウハウを考察しています。

「特集 「道の駅」が地方を救う : イオンでもセブンでもない第3の流通」
『日経ビジネス』日経BP社 1688号[2013年4月22日]p24-41 請求記号:Z330.5-59

 イオンやセブンイレブンも出店を避ける過疎地に立つ「道の駅」。その数は全国で1,000カ所を超え、売上高はファミリーマートに匹敵する3,500億円にも上るそうです。なぜ住民すら通り過ぎていたような忘れられた場所で「道の駅」は成功したのか。本特集は中でも成功した「道の駅」を取り上げ、小規模な生産者達が独自に支えてきたユニークさ、地方を再生させる力を解説しています。

新聞のとびら ~方言の復権~

毎日新聞「余禄」から 「なぜ人は方言をしゃべるのか…」
『毎日新聞』 2013年4月21日 朝刊 p1
 共通言語教育によって20世紀中には消えると言われたこともあった方言ですが、絶滅しそうな様子はありません。そのことについて筆者は、方言には仲間への帰属意識、他集団との差異化を表す機能、緊張を緩和する社会的機能があることを述べ、現在日本が抱えている社会的孤立を考えると、方言の貴重さ、魅力はもっと評価されるべきと結んでいます。

方言の灯 震災が消す
『朝日新聞』 2013年5月14日 朝刊 p38
 東日本大震災の影響で、消滅する可能性の高い方言が143語にものぼるそうです。調査した東北大学の小林教授(方言学)が、その危険性を指摘しています。しかし一方で小林教授は、震災後方言に対する意識の転換が起きているとも述べています。「東北地方では『ズーズー弁』は恥ずかしいという意識があったが、最近は心のよりどころとして認識されるようになってきた」と。

ニュース『深・裏・斜』読み 『じぇじぇじぇ』ブームに見る方言考
『産経新聞』 2013年6月9日 朝刊 p31
 人口わずか720人の岩手県久慈市、しかも年配の漁師や海女しか使っていなかった方言『じぇ』。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」が取り上げたことによって、『じぇ』は息を吹き返しました。高齢化や過疎化で話し手が減っている方言ですが、見直されつつある現状を解説しています。ちなみに久慈市のゆるキャラは、かすり半纏姿がかわいい「アマリン」です。

インターネットのとびら ~ご当地のあれこれ~

みんなのゆるキャラ
http://yuru.tips-top.com/
 全国の地域キャラクター、「ゆるキャラ」を紹介するサイトです。メンバー登録したみんなが、それぞれ知っている「ゆるキャラ」を登録・編集できる形になっています。全国・地域別・期間別のランキングコーナーもあります。さて神奈川県のゆるキャラはいかに。

ご当地グルメでまちおこしの祭典!! B-1グランプリ公式サイト
http://b-1grandprix.com/
 自慢料理を通じて地域をPRし、多くの人に現地に足を運んでもらうことを目的とした、「B-1グランプリ」公式サイトです。まちおこし活動の日本一を競うイベントなので、グランプリの称号が贈られるのは料理ではなく「まちおこし団体」。第1回の優勝は富士宮やきそば学会です。

川崎のご当地アイドル「川崎純情小町☆(K.J.K.)」公式サイト
http://www.kjk-official.com/
 川崎市の地域活性化プロジェクトとして2011年に結成された「川崎純情小町☆(K.J.K.)」の公式サイトです。2012年度には川崎市イメージアップ事業にも認定されています。それぞれが市長より選定された担当区を持ち、その魅力を伝える彼女たちは、地元で引っ張りだこです。

横浜見聞伝スター☆ジャン Official Web Site
http://starjyan.reveal-ent.com/
 横浜のご当地ヒーロー「横浜見聞伝スター☆ジャン」の公式サイトです。横浜に眠る神秘の力「プリズムスター」を狙う悪の組織「ブラックスター」。主人公濱尾学は「スター☆ジャン」に変身し、横浜の大地を、歴史や文化を守るため戦います。ショーやイベントで人気急上昇中です。