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トピックスのとびら

 図書館には図書、雑誌、地域資料、新聞、視聴覚資料、インターネットといったたくさんの情報のとびらがあります。
 そのとびらを開いて、時事的な話題を複合的な視点から紹介します。

No.88 古典の日(2012年11月発行)

 11月1日を古典の日とすることを定めた「古典の日に関する法律」(平成24年法律第81号)が9月5日に公布、施行されました。11月1日は、「紫式部日記」によって源氏物語の存在が確認される最古の日付(寛弘5(1008)年11月1日)にちなむものです。法律の目的には、「国民が古典に親しむことを促し、その心のよりどころとして古典を広く根づかせ、もって心豊かな国民生活及び文化的で活力ある社会の実現に寄与する」と記されています。
 「文学、音楽、美術、演劇、伝統芸能、演芸、生活文化その他の文化芸術、学術又は思想の分野における古来の文化的所産」と幅広く定義された「古典」、記念日の制定をきっかけに、その豊かな世界にふれてみませんか。

図書のとびら

『古典籍へようこそ』
京都府立大学文学部 日本・中国文学科/京都府立総合資料館編 京都新聞出版センター 2010年 請求記号:910.2-308(22461388)
 万葉集や源氏物語、文選といった著名な作品から、内容に特徴があり歴史文化の面でも興味深い資料まで、読み方や味わい方をわかりやすく解説しています。京都新聞での連載記事を書籍化したものです。京都府では2008年の源氏物語千年紀事業を機縁として11月1日を「古典の日」と定めていたようで、この本は2010年の「古典の日」に出版されました。 オールカラーです。

『映画のなかの古典芸能』
神山彰・児玉竜一編 森話社 2010年 請求記号:778.21-400-13(22452023)
 サイレント時代から現代を通じて、テーマ別に「日本映画史」を再検討する日本映画史叢書の第13巻です。日本映画にとって、古典文学や芸能の世界は、その題材やイメージの源泉でした。古典芸能の側から見た映画という視点での論考です。

『いにしへの香り 古典にみる「にほひ」の世界』
樋口百合子 淡交社 2012年 請求記号:910.23-249(22600241)
 古代の日本人は匂い、香りの感覚が希薄であったとのこれまでの指摘に対して、古文献の分析から、いかに敏感であったかを考察しています。代表的な古典に記された古代日本人の「匂い」に対する想いに触れることができます。

『日本語の古典』
山口仲美 岩波書店(岩波新書) 2011年 請求記号:910.2-311(22487706)
 奈良時代の「古事記」から江戸末期の「春色梅児誉美(しゅんしょくうめごよみ)」まで、歴代の名作30を取り上げて、おもしろさを読み解いています。言葉と表現を切り口にして、古典の底力、日本語の魅力を再発見できる、斬新な古典文学入門です。

『快楽でよみとく古典文学』
大塚ひかり 小学館(小学館101新書) 2010年 請求記号:910.23-243(22491708)
 性は「政」であり「生」であった。だから古典は性の話であふれている。―――ハレンチ系週刊誌も真っ青な快楽、恋愛、性愛のるつぼである古典文学の名作たちに描かれたエピソードを集めています。

雑誌のとびら

今読む本 古典から新刊まで教養で差をつける
『週刊エコノミスト』 2012年9月11日号 p.22-38,p.82-97 請求記号:Z330.5-5
 特集です。経済を揺るがす金融危機、中東の民主化運動と紛争、日本を襲った大震災に原発事故…今こそ先人の知恵に学ぼう、読書こそが知的武器になる、ということで、世界を展望する242冊が紹介されています。

齋藤孝さんに聞く「古典・名著の読み方」
『日経ビジネスAssocie』 2011年10月4日号 p.59-61 請求記号:Z330-602
 明治大学教授の斎藤孝氏が古典・名著の攻略法とおすすめの10冊を紹介しています。齋藤氏によると、古典・名著には人間の内面の核心部分を養う力があり、たくさん読むことで精神の森が育まれるそうです。特集「超実践 読書術」の1編です。

迷いを晴らす「歴史・古典」入門
『プレジデント』 2011年10月5日号別冊 請求記号:Z335-306
 迷いを晴らす「歴史・古典」入門 生きることはなぜ、苦しいのか!混迷の時代は「日本人の原点」に学べ、ということで、実業家や作家など多数の著名人がおすすめの本を紹介しています。

古典が大事だと言うのなら、「和本リテラシー」の回復を
『中央公論』 2011年11月号 p.114-121 請求記号:Z051-4
 著者は九州大学名誉教授の中野三敏氏です。明治33年の小学校令によって仮名文字の数が一音一字と定められた結果、今や日本人のほとんどが、著者が「和本リテラシー」と呼ぶ変体仮名や草書体漢字の読み方を忘れ去ったと述べています。社会を是正する大きなヒントを与えてくれる先人の生き方をじかに辿るために、古典に学ぶために、「和本リテラシー」の回復が必要だと提言しています。

耳目抄(277) 古典の日
『ユリイカ』 2008年12月号 p.44-48 請求記号:Z911.5-155
 作家の竹西寛子氏の連載記事です。古典の日制定のきっかけとなった2008年開催の源氏物語千年紀の催しについての思いが語られています。竹西氏は、古典の尊重はつまるところ言葉の尊重であり、言葉で生きる人間を懇ろに扱って宇宙の大運行に従うことだと述べています。

新聞のとびら

社説 古典に学ぶ「言挙げ」
『東京新聞』 2012年10月14日(日)朝刊5p
 古典の日法制化に合わせ、古典に親しむだけでなく、古典の教訓を現代に生かすことが大切、と説いています。古典の中で「言葉」が重要視されていたことを指摘し、「言挙げ」(自分の意思を明確に声に出していう)がいかに重い意味を持つか自覚を促すためにも現代の政治家にもっと古典を読んでもらおう、と結んでいます。

社説 古典の日 
『毎日新聞』 2012年10月22日(月)朝刊5p
 2008年の「源氏物語千年紀」の催しの後、京都の文化人や自治体、商工会議所が中心になって法制化を求める運動を続け、超党派の議員立法で法制化された古典の日。編さん1300年を迎える「古事記」、東日本大震災後改めて読み返されている「方丈記」など、今年注目された古典以外にも日本列島で長い年月にわたって繰り広げられてきた人々の営みの結実が古典であると述べ、古典の多様な豊かさに親しみ、学びたい、と結んでいます。

編集委員が迫る IT時代の休暇 岩井克人氏 ネット忘れ古典じっくり
『読売新聞』 2012年8月4日(土)朝刊13p
 先進諸国ではIT化、グローバル化によってその持つ意味が変わってきている休暇。時代に対応する賢明な休暇の過ごし方を経済学者の岩井克人氏に尋ねています。岩井氏は、休暇とは、個々の人生における想定外の難問に対する備えの時間であると述べ、創造力の源泉として百年、千年と生き残ってきた古典をじっくり味わうことを薦めています。

インターネットのとびら

11月1日 古典の日
http://www.kotennohi.jp/
 古典の日推進委員会のホームページです。古典文化推進のための様々な活動を行っています。とっておきの情報がこぼれ話が紹介されていたり、古典の日ロゴマーク・キャラクターデザインが掲載されています。関連イベントの紹介もあります。

古典の日に関する法律について
http://www.bunka.go.jp/bunka_gyousei/hourei/koten_houritsu.html
 文化庁のホームページ内、文化関係の法令の中に掲載されています。法律全文と、「古典に関する法律の施行について」の通知が見られます。文化庁のホームページには、図書館に関係の深い著作権制度をわかりやすく解説した著作権テキストなども掲載されています。