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トピックスのとびら

図書館には図書、雑誌、神奈川資料、新聞、視聴覚資料、インターネットといったたくさんの情報のとびらがあります。
そのとびらを開いて、時事的な話題を複合的な視点から紹介します。

No.120 山田耕筰 その世界♪♪(2015年7月発行)

 今年は、作曲家山田耕筰の没後50年にあたります。日本初の交響曲を作曲し、日本で初めてのプロ・オーケストラを作った山田耕筰。「赤とんぼ」、「この道」、「待ちぼうけ」など数多くの童謡の名曲をうみました。校歌、社歌、市町村団体歌、音頭なども作曲してきました。
 校歌で有名なものは、「白雲なびく駿河台」で始まる明治大学の校歌でしょうか。神奈川県内でも県立希望ヶ丘高等学校の旧校歌、県立藤沢高等学校等の校歌、また「旭日の輝くところ・・・」と横須賀市制30周年を記念した北原白秋の作詞による横須賀市歌があります( 昭和12年2月15日制作の旧横須賀市歌)。また、茅ケ崎で作曲した童謡「赤とんぼ」を歌い継ごうと、山田耕筰の記念碑が2012年、茅ケ崎中央公園に完成しました。今回は、山田耕筰の作品に関する資料を紹介します。
 当館では、7月11日に「山田耕筰を味わう」と題して、誰もが耳にしたことのある懐かしい数々の作品によるレコード鑑賞会を開催いたします。ぜひ、足をお運びください(事前にお申込みをお願いします)。

図書のとびら

紹介資料表紙 『山田耕筰全集』第1巻~第7巻、第10巻、第13巻、第27巻 山田耕筰著 第一法規出版 1963~1966 請求記号:760.8/8/※ 書庫

1巻~7巻 歌曲,10巻 ピアノ曲,13巻 弦・室内楽曲,27巻 楽劇・香妃
 本書は、昭和38年に刊行が始まりました。装丁は伊藤清永画伯。山田耕筰の要望により伊藤画伯の描く華麗なバラの花が口絵に挿入されました。演奏の際に譜面がめくれぬように、特漉の用紙が使用されました。楽譜と解説からなり、山田耕筰の作品について詳細に解説しています。全30巻中、10巻刊行。刊行後の売れ行き不振や印税前払いとその清算をめぐるトラブルなどで、残念ながら完結はしませんでした。

紹介資料表紙 『山田耕筰 作るのではなく生む』
後藤暢子著 ミネルヴァ書房 2014年 請求記号:762.1/300(22757686)公開

 本書は、山田耕筰の作品・著作などの資料調査と現地踏査に基づき、作曲家の原風景、ベルリン留学、日本初代の作曲家、北原白秋をはじめとした詩人たちとの交遊などの側面から丹念にその足跡を辿った山田耕筰の評伝です。著者は遠山音楽財団付属図書館に10年間勤務。タイトルにもありますが、「作るのではない。生活から生むといふのが私の創作上の信絛だ」という一節は、山田耕筰が生涯を通じてよく口にした言葉です。

紹介資料表紙 『山田耕筰作品資料目録』
遠山音楽財団付属図書館 編 遠山音楽財団付属図書館 1984年 請求記号:762.1/74(11756731)  相談室 常置 

 山田耕筰の作品資料等を声楽曲、器楽曲、舞台音楽・付随音楽、団体歌、編曲、作品名不明・曲種などジャンルに分けて、作品ごとに手稿譜、印刷譜、歌詞原稿、レコード・テープなどに分けています。山田耕筰には、2種類の作品全集がありますが、いずれも未完に終わっているため、その創作の全貌を知るのが難しいなか、貴重な資料目録です。巻末には、「作詞者一覧」と「歌いだし一覧」「未確認作品」「作品名索引」があります。

紹介資料表紙 『簡易作曲法』
山田耕筰著 大阪開成館 1923年 請求記号:761.8/7 (11754637) 書庫

 大正6年、山田耕筰は、「歌曲の作り方」と題して、簡易な作曲、換言すれば作曲の初歩、唱歌曲の作り方について書きました。総論(歌曲の作り方)、第1編旋律、第2編和聲の大要、という構成です。「無味乾燥に流れやすいこういう書なので、できる限り平易に謙遜して、単に専門家のみでなく、音楽愛好者にも解るように試みた。」と語っています。

※上記のほかにも自伝があります。
・『この道  山田耕筰伝記』 日本楽劇協会編  恵雅堂 1982年 請求記号:AV762.1/D-64
・『山田耕筰 自伝若き日の狂詩曲』(シリーズ人間の記録;102) 山田耕筰著 日本図書センター 1999年 請求記号:762.1JJ/183                

雑誌のとびら

紹介資料表紙 「私の仕事」  山田耕筰
『世界』岩波書店[編]通号118 1955年10月p200-205 請求記号:Z051-3

 作曲、指揮、演奏、演出、舞踊の指導、講演、雑文書き等、たくさんある山田耕筰の仕事について、本人が語っています。今回は、交響楽とオペラについて筆を進めています。自作の交響曲やオペラを上演するための交響楽運動でありオペラ運動をいかにやってきたか。第一次大戦の勃発でオペラ上演ができなかった時期がありました。山田耕筰にとって、道楽は仕事であり、仕事が道楽であったそうです。

紹介資料表紙 「山田耕筰生誕100年〈特集〉」
『音楽芸術』音楽之友社[編] 第44巻第2号 1986年2月p18-49 請求記号:Z760.5-15

 1986年は、山田耕筰の生誕100年の年でした。雑誌『音楽芸術』では、特集が組まれました。「日本の作曲界と山田耕筰」(秋山邦晴)、「作曲家・山田耕筰先生の想い出」(団伊玖磨)、「山田耕筰の管弦楽作品」(牧野由多可)、「山田耕筰の舞踊詩」(船山隆)、「山田耕筰と日本の詩人たち」(中村洪介)、「自伝『若き日の狂詩曲』批判」(後藤暢子) それぞれの想いから山田耕筰について考察しています。

紹介資料表紙 「小特集:山田耕筰」
『春秋』春秋社 No.390 1997年7月 p1-17 請求記号:Z051-100

 山田耕筰についての小特集。春秋社刊行の『山田耕筰作品全集』に関連しての記述もあります。「日本人作曲家の最初の作品全集」(佐野光司)、「1914年・東京・山田耕筰」(林淑姫)、「遥かなる伯林からの贈り物」(福士則夫)、「校訂楽譜が語るもの」(楢崎洋子)などが、書かれています。

視聴覚資料のとびら

長唄交響曲「鶴亀」/明治頌歌/舞踊交響曲「マグダラのマリア」
請求記号:CD18/ヤマ(41279266)視聴覚資料室 公開

 日本作曲家選輯。1934(昭和9)年に完成した長唄交響曲「鶴亀」は、野心的で意欲的で風変りでもある作品。江戸時代の三味線音楽の華である「長唄」が登場します。 耕筰の長唄交響曲とは、「三味線が芯であり、唄はその上でポリフォニックに自由に遊んでいる。その遊び手にオーケストラを加えよう、三味線に対するオブリガード的な声部を増やし、より複雑な遊びを実現しよう。」というものでした。

歌劇「黒船」
請求記号:CLP18/M2991/2992(40096323)視聴覚資料室 書庫

 原作は、パ-シ-・ノーエル氏。日米外交史の研究家、また、「能恵留」と署名するほど親日のジャーナリスト。下田の芸者お吉とアメリカ人の領事を主人公とし、尊皇攘夷の武士吉田がこれに絡んでいます。紀元二千六百年の祝祭に沸く1940年に完成されました。

序曲 ニ長調(1912)(世界初録音)/交響曲「かちどきと平和」他
請求記号:CD18/ヤマ(41187923)視聴覚資料室 公開

 交響曲ヘ長調「かちどきと平和」は、日本人による初めての交響曲で、1912年11月8日に完成しました。もしかしたら表題は初めはなく、1914年の第1次世界大戦開始後に付け加えられたのかもしれません。
 この交響曲は、勝利への喜ばしい賛歌と平和への静かな祈りを対照させています。
 序曲 ニ長調、交響詩「暗い扉」、交響詩「曼陀羅の華」も収録されています。

曼珠沙華/ヴァイオリンとピアノのための作品
請求記号:CD12/ヤマ(41329749)視聴覚資料室 公開

 山田耕筰生誕125周年記念。「歌の作曲家」と言われている山田耕筰ですが、弦楽器の人でもありました。このCDに収録されている「曼珠沙華」は、大正11年に作曲された北原白秋作詞の歌曲集「AIYANの歌」の第4曲をチェロ奏者ストゥピンがチェロ用に編曲したものです。今回はヴァイオリン用に編曲して演奏しています。

ヘフリガー:日本の歌曲を歌う(ドイツ語訳による)
請求記号:CD16/ヘフ (41161332)視聴覚資料室 公開

 ヘフリガーは、20世紀のもっとも偉大なテノール歌手(1952年から1974年までベルリン・ドイツ・オペラで第1リリック・テノール歌手を務めました)。
 ヘフリガーは、〝私は山田耕筰の「風に寄せてうたへる春のうた」のような素晴らしい日本歌曲に強く引き付けられ、その良さを世界に知らせたいと思うようになりました。”と語っています。その想いから誕生したドイツ語で歌った日本の歌曲集。「風に寄せてうたへる春のうた」だけは、日本語で歌っています。

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