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トピックスのとびら

 図書館には図書、雑誌、地域資料、新聞、視聴覚資料、インターネットといったたくさんの情報のとびらがあります。
 そのとびらを開いて、時事的な話題を複合的な視点から紹介します。

No.108 サッカーは世界の共通語(2014年7月発行)

 いよいよワールドカップ・ブラジル大会が2014年6月12日(日本時間13日)に開幕しました。7月13日(日本時間14日)の決勝に向けて熱戦を繰り広げています。12時間の時差にも負けず、興奮で眠気を吹き飛ばし応援している人も多いのではないでしょうか。
 日本の「けまり」をはじめ、足でボールを蹴る遊びは昔から世界中に存在しましたが、近代スポーツとしてのサッカーの起源は、中世イングランドで盛んだった「フットボール」になります。1863年12月に「フットボール」の全国統一ルールが作られ、現在のサッカーの直接のルーツとなりました。うまく転がるものと地面さえあれば、どんな人でもどんなところでもプレイできるサッカーは、今や世界規模に普及し、地球上に数えきれないほどの観客とサポーターを抱える競技へと成長しています。「サッカーで世界を変えることは難しいかもしれない。しかし、サッカーを観ることで世界を知ることはできる。」(木村元彦『蹴る群れ』)サッカーの力を改めて感じています。

図書のとびら

『フーリガンの社会学』
ドミニック・ボダン著 陣野俊史・相田淑子訳 白水社(文庫クセジュ894) 2005年 請求記号:783.47PP 75(21883996)公開

 1960年代のイギリスで、サッカーの試合に合わせて組織化され計画された新しい形の暴力が出現しました。この暴力事件をリポートするのに、あるジャーナリストが反社会的・暴力的行為が原因でヴィクトリア女王治世下で処刑された一家「フーリハン」の名前を使ったのが、現在の「フーリガン」という名前の由来だとも言われています。イギリスの若者でアルコール臭くて、貧しい無職の人間というフーリガンのイメージ。フランスの社会学者である著者は、なぜフーリガン現象はアングロ・サクソンのもので、かつサッカーに頻繁に現れるのか、従来のステレオタイプな見方では捉えきれないその実態を明らかにしています。

『蹴る群れ』
木村元彦著 講談社 2007年 請求記号:783.47SS 84(22044713)公開

 前日本代表監督イビツァ・オシムのノンフィクション『オシムの言葉』で知られる著者は、本書の冒頭で元ユーゴスラビア代表の名選手ストイコビッチの言葉を引用しています。「フットボールの魔法は、瞬時に国境や大陸を超える力を持っているのです。」現代史とダイレクトにつながり、その時々の政治状況を如実に映し出すサッカーというスポーツ。ユーゴスラビア紛争によるスポーツ制裁措置のため出場を禁止され、自身の全盛期に代表で活躍することができなかったデヤン・サビチェビッチ。1998年、南アフリカ代表チーム唯一の白人選手としてプレーしたハンス・フォンク。時代に翻弄されながらも希望をつなぎ続けるフットボーラー達の生き方を綿密に取材した作品です。

『ワールドクラスサッカー戦術の軌跡』
西部謙司著 大和書房 2010年 請求記号:783.47 110(22419410)公開

 ブラジル、アルゼンチン、フランスといった優勝国を中心に、ワールドカップにおける各国の戦術がどう移り変わっていったか、あるいは変わらない部分はどういったところか詳細に分析しています。古くはイングランドが西ドイツを延長の末に下した1966年のイングランド大会決勝から、最近ではイタリアが通算4度目の優勝を勝ち取った2006年のドイツ大会まで、臨場感たっぷりに図入りで解説しているので、それほどサッカーに詳しくなくても理解できる内容になっています。たとえば徹底したマンツーマンディフェンスを伝統としていた西ドイツやイタリアの現在は? ブラジルの60~80mの距離を一気に走り切るランニングはどう受け継がれているのか。サッカー観戦をさらに面白くする一冊です。

『マンチェスター・ユナイテッドクロニクル 世界で最も「劇的」なフットボールクラブの130年物語』
ジム・ホワイト著 東本貢司訳 大和書房 2010年 請求記号:783.47 107(22394878)公開

 マンチェスターに生を受けた生粋のマンキューニアンにして、生まれついての「マンチェスター・ユナイテッド」のサポーターである著者が、イングランドプレミアリーグに所属する赤い軍団の130年にも及ぶ壮大なドラマを描いています。産業革命真っただ中の1878年、騒音と埃と煤に埋め尽くされた街の鉄道員たちによって結成された「ニュートン・ヒース」は、その後「マンチェスター・ユナイテッド」と名前を変え、幾多の伝説を歴史に刻みつけてきました。この15年間はほぼ独占的に多くのタイトルとトロフィーを獲得し、まさにイングランドだけでなく世界を代表するビッグクラブである「マンチェスター・ユナイテッド」。現在日本代表MF香川真司選手もプレーするこのクラブの歴史を辿ってみませんか。

『サムライブルーの料理人 サッカー日本代表専属シェフの戦い』
西芳照著 白水社 2011年 請求記号:783.47 121(22531891)公開

 2004年以来著者はサッカー日本代表の専属シェフとして、7年にわたり海外遠征試合に帯同しました。「人を良くする」と書く「食」。食べることは体の状態を維持するだけでなく、人の心を豊かにすること。環境や食習慣の異なる海外で試合をする選手たちのために、どう献立を組み立てるのか。「24」の番号が入ったシェフコートとキャップを身につけ、チームの一員として日本代表を支え続けた日々を、監督や選手、スタッフとの数々のエピソードと共に語っています。毎日の具体的なメニューに加えて、「チキンの照り焼き」といった人気定番メニューの作り方が分かる「西流最強レシピ」も付録としてついているので、ぜひお試しあれ。

雑誌のとびら ~2002年ワールドカップ日韓大会をめぐって~

「AD WATCHING ワールドカップ・イヤーで広告は元気になるか?」
『広告批評 』マドラ出版 257号 2002年2月 p36-37 請求記号:Z674.9-251

 2002年のワールドカップ・イヤーを迎え、ぐんと増えたサッカーを扱うCMを特集しています。たとえば「おばあちゃんも、フェイスペインティング:priceless」というコピーが印象的なマスターカードのCMや、世界最高と讃えられたフランスのジダン選手が、実際に地団太を踏むシーンに「ジダンがじだんだ」というコピーを入れた日清カップヌードルのCMなど。ワールドカップはFIFAとの契約により、「オフィシャル・パートナー」(世界スポンサー)、「オフィシャル・サプライヤー」(日本国内スポンサー)といった企業しか扱えない上、描ける内容が厳密に決められているという制約があります。その中でいかに人を惹きつけるか、工夫を凝らしたCMの数々です。

「特集 2002年ワールドカップの闇 サッカーバブルがはじける日。」
『週刊東洋経済』東洋経済新報社 5755号 2002年4月20日 p82-90 請求記号:Z330.5-2

 ワールドカップはオリンピックをも凌ぐ世界最大のスポーツイベントです。そのために利権は膨張し、FIFA(国際サッカー連盟)の体質も変化しました。本特集ではワールドカップをめぐる資金の流れを取材しています。FIFAがビジネスモデルを、現在の多額の放送権料を徴収する形に変更したのは2002年の日韓大会からです。放映権料は1998年のフランス大会に比べて10倍に跳ね上がり、FIFAは世界最大規模のNGOとなりました。ただし、2002年の放映権を所有していたドイツのメディアグループ・キルヒが経営破綻するなど、放映権料の高騰は暗い影を落としています。ちなみにブラジル大会では、NHKと民放でつくるJCと共に巨額の放送権料を払い続けてきたスカパーJSATが撤退しています。

「観戦記 ガムを噛むハムレット」
『文學界』文藝春秋 56巻8号 2002年8月 p11-20 請求記号:Z910.5-9

 特集記事「作家・文学者のみたワールドカップ」中の一つで、作家の島田雅彦氏による日韓大会の観戦記です。前回大会王者フランスがセネガルにまさかの敗北を喫した開幕戦から、ブラジルのロナウド選手によって、ドイツのゴールがとうとうこじ開けられた決勝戦まで、島田氏独特のシニカルなユーモアを交えながら一気に読ませます。表題の「ガムを噛むハムレット」とは実はトルシエ監督のこと。日本-チュニジア戦では、「中田はチームプレイに徹し、”ガムを噛むハムレット”トルシエを蚊帳の外に置き、ピッチ上で監督の役割を果たしたが…」と島田節を炸裂させています。日韓大会の興奮が一気に甦ってくるようです。

新聞のとびら ~サッカー王国かながわ~

2020神奈川 未来予想図(中)スポーツと介護で地域に絆 「サッカー王国」へ今季6クラブ飛躍
『産経新聞』 2014年1月4日 朝刊 神奈川版 p23
 昨季のサッカー界では神奈川県勢が活躍しました。J1では「横浜F・マリノス」が2位、「川崎フロンターレ」が3位。記事では「サッカーが非日常から日常になり、社会に溶け込むことでサッカー先進国といわれる欧州や南米に近づいてきた」と語る、川崎フロンターレの風間八宏監督の言葉を取り上げています。各クラブの下部組織が育ち、地域貢献の意識も芽生えてきた神奈川県は、「サッカー王国」へと成長しつつあります。

ルポかながわ J3から飛躍 カギは 経営安定が一番の懸案 横浜SCC 昇格へ競技場整備が壁 SC相模原
『朝日新聞』 2014年1月19日 朝刊 横浜版 p35
 日本のプロサッカーリーグJ1、J2に、今季から新しくJ3が発足します。県内から加入するのは「横浜スポーツ&カルチャークラブ(横浜SCC)」と「スポーツクラブ相模原(SC相模原)」。両チームのJ2昇格に向けた課題を追った記事です。運営主体がNPO法人の横浜SCCに必要なのは安定した経営基盤づくり。またSC相模原は、アマチュアリーグ最高峰のJFLに昇格した昨季に3位と好成績をあげていますが、相模原市内にはJ2の基準である椅子席1万人以上の競技場がありません。両チーム共に難しい課題を抱えています。

JR武蔵小杉駅 発車メロディー フロンターレ応援歌に
『神奈川新聞』 2014年2月27日 横浜・川崎・横須賀版 p19
 J1のクラブ「川崎フロンターレ」のサポーター応援ソングが、本拠地の等々力陸上競技場に近いJR南武線武蔵小杉駅の発車メロディーに2014年2月26日から導入されたことを報じています。採用されたのは、人気ロックバンド「ザ・クロマニヨンズ」の「ナンバーワン野郎!」をフロンターレサポーターがアレンジして歌っている応援歌だそうです。なお、チームの応援歌が発車メロディーに使われるのは、東急東横線武蔵小杉駅・新丸子駅、JR南武線武蔵中原駅に続いて4駅目とのことです。この機会に耳を傾けてみませんか。

わが街スポーツ ノジマステラ神奈川相模原「地域活動にも注力」 市ホームタウン認定 
『神奈川新聞』 2014年3月8日 湘南・相模・原県央・県西版 p18
 相模原市南区に本拠地を置く女子サッカーチーム「ノジマステラ神奈川相模原」が、相模原市のホームタウンチームに認定されたことを伝える記事です。チームは2012年2月に創設され、2013年には日本のトップリーグである「なでしこリーグ」の2部リーグ、「チャレンジリーグ」に初参戦し、16チーム中4位と結果を残しました。今季リーグ昇格を狙うため、試合はもちろん地域貢献活動にも力を入れてより地域密着を目指すとあります。

インターネットのとびら

FIFA.com ※英文
http://www.fifa.com/
 FIFA(国際サッカー連盟)の公式サイトです。2014年ブラジル大会の特設ページを設けている他、「World Cup Timeline」では、ウルグアイで開催された第1回ワールドカップから、写真付きで大会の様子を振り返ることができます。また、この機会にサッカーの試合を支える裏方、審判にもぜひ注目を。「Football Officials - Referees」のページには、高評価を受け、ブラジル大会も開幕戦審判としても選出された西村雄一主審、相樂亨・名木利幸両副審の名前があります。