トピックスのとびら

図書館には図書、雑誌、神奈川資料、新聞、視聴覚資料、インターネットといったたくさんの情報のとびらがあります。
そのとびらを開いて、時事的な話題を複合的な視点から紹介します。

No.147 ホテル ニューグランド(2017年10月発行)PDF版247KB



 今年12月に創業90周年を迎える横浜のクラシックホテル、ホテルニューグランド(横浜市中区山下町)は、横浜市歴史的建造物に指定されています。関東大震災(1923年)の復興のシンボルとして、横浜市と民間の共同で建設され、1927年に開業しました。本館の建築はアール・デコ調の優美な曲線が特徴で、その曲線がシンプルで重厚な建物全体の印象をやわらげています。接収中に連合軍総司令官マッカーサーが宿泊したマッカーサーズ・スィート、大佛次郎が仕事部屋にしていた「天狗の間」、ロビーに配置された「横浜家具」と呼ばれるクラシック家具・・・今も人々を魅了して止まないホテルです。横浜の歴史とともに歩んだホテルニューグランドの魅力を伝える資料をご紹介します。

図書のとびら

紹介資料表紙 『横浜の時を旅する ホテル ニューグランドの魔法』
山崎洋子著 春風社 2011 請求記号:K68.1/314(60593167) かながわ資料室公開 常置

 ホテルニューグランドでの様々なエピソードを通して、横浜の歴史の一片を味わい深く伝える本です。著者の山崎洋子氏は、ホテルが大好きで、それと同じくらいに横浜の歴史が好き、そして、横浜の歴史と大きく交差するホテルは、ホテルニューグランドをおいてほかにないという思いから、この二つをコラボレートさせ、本書を書いたそうです。ホテルニューグランドに携わるさまざまな立場の人から心に残る話を聞き取り、紹介しているのですが、1945年9月日本が降伏文書に調印した日の夜の出来事を記した「日本の命運を賭けたニューグランドの一夜」など、印象的なエピソードが満載です。巻末に、ホテルニューグランド周辺の「秘密のハッピースポット」が紹介されているのも楽しい1冊です。

紹介資料表紙 『ホテル・ニュ-グランド50年史』
白土秀次著 ホテル・ニュ-グランド 1977 請求記号:689/71(20051942) 書庫

 1977年に刊行されたホテルニューグランドの50年史。日本と海外との交通が船便に限られた時代、日本を訪れる外国高官や観光客は皆、横浜港に着き、このホテルに宿をとりました。本書は、復興のシンボルとしての創業からマッカーサーの日本進駐、「天狗の間」に約10年間滞在して『赤穂浪士』『霧笛』などの作品を執筆した大佛次郎のことなど、ホテルニューグランドにまつわる事件や人物を取り上げながら50年の足跡を辿っています。著者の白土秀次氏は、神奈川新聞論説委員やTVKニュース解説委員を担当したジャーナリストで、ホテルニューグランド2代目会長の伝記『野村洋三伝』も執筆しています。
※ホテルニューグランドの社史は、50年史の他に『ホテルニューグランド 70年の歩み』(K68.1/79/70)、『ホテル・ニューグランド八十年史』(県川所蔵 S689/H)を所蔵しています。

紹介資料表紙 『初代総料理長サリー・ワイル』
神山典士著 文藝春秋 2005 請求記号:K28.1/532(60437639) かながわ資料室公開 常置

 ホテルニューグランドの初代総料理長は、スイス人のサリー・ワイルです。当時はコース料理だけだったメニューにア・ラ・カルト・メニュー(一品料理)を加えたり、カジュアルなグリルを開設してピアノを置き、楽団にライブ演奏させるなど、今では珍しくないことですが、これらを日本に初めて取り入れたのはワイルでした。彼の料理を味わおうと、昭和初期の食通たちは、ホテルニューグランドに通い詰めたそうです。ニューグランドの名声がひろまるにつれ、ワイルのもとへ日本中から若い料理人が修行に集まるようになり、彼らは西洋料理と接客の神髄をワイルから学び、有名ホテルへと飛び立っていきました。著者は、異文化と格闘した人物、事象等を扱うのを得意とするノンフィクション作家です。

紹介資料表紙 『横浜流 -すべてはここから始まった 』 Yokohama style from Hotel New Grand
高橋清一著 東京新聞出版局 2005 請求記号:K68.1/280(60432440) かながわ資料室公開 常置

 ホテルニューグランド。ここのレストランやバーから生まれ、日本中に広まった料理やカクテルの数々があります。例えば、シュリンプドリア、スパゲッティーナポリタン、カクテルの「ヨコハマ」、「マティーニ・ニューグランド」など。石原裕次郎、池波正太郎、大佛次郎らが、このホテルならではの料理を愛し、お酒を愉しみ、ここにしかない空間にくつろぎました。「サリー・ワイルより引き継がれた「心の教え」を、次世代に伝えていくことが私の大きな使命」と語る三代目総料理長、高橋清一氏による、料理人の目で見たホテルニューグランド物語です。

雑誌のとびら

紹介資料表紙 「横浜感傷旅行」 文=生島治郎 写真=立木義浩
『太陽』 平凡社 No.321 6月 1988年 p9~31 請求記号:Z051/46

 ・・・ホテルらしいホテルといえば、ニューグランドぐらいしかなかった時代である。そのホテル・ニューグランドに泊まれるようになったのは、私がもの書きになってからであった。元町や中華街から近い海岸通りのニューグランドには、中にこそ入らなかったが、その外側から見て、いつかは泊まってやろうと思っていた。もの書きになってから、私は取材と称して横浜へ行き、ニューグランドに泊まった。天井が高く、いかにも昔の一流ホテルといったたたずまいのホテルだった・・・

紹介資料表紙 「新連載 名作×名食③ サザンオールスターズ「LOVE AFFAIR~秘密のデート~」 ホテルニューグランド バーシーガーディアンⅡ」 山内宏泰=文 飯窪敏彦=写真 
『文藝春秋』 文藝春秋社 第90巻11号 2012年8月 中付グラビア 請求記号:Z051/12

 「マリンルージュで愛されて 大黒埠頭で虹を見て シーガーディアンで酔わされて まだ離れたくない」(サザンオールスターズ「LOVE AFFAIR~秘密のデート~」より)。・・・中略・・・ 山下公園から発着する「マリンルージュ」号に乗り込んで、近場にドライブでもと大黒埠頭へ行き、運よく空に架かった虹で気分を盛り上げた後は、シーガーディアンⅡ(※)の重厚な扉を開ける。しばし腰を落ち着け杯を重ねるうち、どちらともなく「まだ離れたくない」とつぶやくのだった・・・
※シーガーディアンⅡは、ホテルニューグランド1階にあるメインバー

新聞のとびら

「伝統の味後世に 初代料理長レシピ復刻へ 横浜・ホテルニューグランド」
神奈川新聞 2017年8月23日 p1 

 日本を代表するクラシックホテルの一つで、洋食の源流ともいわれる、ホテルニューグランド・・・中略・・・伝統の味を後世に残すため、多くのレシピを残した初代総料理長サリー・ワイルのレシピの復刻、整理を進めている。これまでの7年間で、スープやソース類を現在の味覚と合うようアレンジし、レシピをデータ化した。5代目の宇佐神茂総料理長(65)は「分かりやすく受け継いでいきたい」と思いを語る。
※神奈川新聞では今年10月1日から毎日「サリー ワイル 洋食の遺産(レガシー)」と題して、1面で総料理長サリー・ワイルの洋食メニューをカラーで紹介しています。

「神奈川の記憶 81 謎多きカクテル「ヨコハマ」 大震災復興期の横浜宿る 外国航路がもたらした一杯」
朝日新聞 横浜版 2017年9月23日 p24 

 英国・ロンドンのサボイホテルが発行する「カクテルブック」は世界のバーテンダーにとってバイブル的存在。ここに載ればスタンダードとされ、約800のレシピが紹介されている。その中に<ヨコハマ>が含まれている。・・・中略・・・「サボイのカクテルブックで日本の地名を持つのは<ヨコハマ>だけ。でもこのカクテルには謎が多いのです」と語りだした。謎とは・・・・・・。謎の1。出自が不明。「たいがいのカクテルは作者がわかっています。何らかの意図や物語を込めてバーテンダーが作り出したものだからです。ところが<ヨコハマ>は作者が分かりません」・・・

視聴覚資料のとびら

「港が築いた日本の国際化 -横浜・横須賀の近代化遺産」(DVD)
請求記号:DV52/ニホ(41291758) 音楽・映像コーナー 常置

 幕末、日米和親条約が調印され、日本は200年以上にわたった鎖国体制に終止符を打ちました。開港場に指定された横浜は急速に市街地が造成され、国際的な貿易港へと発展していきます。首都防衛の要の地・横須賀には造船所や要塞が整備され、日本は近代国家への道を歩み始めたのです。このDVDは、横浜・横須賀の二つの港町に残された近代化遺産から、日本がいかに国際化の礎を築いてきたかを辿っています。「ホテルニューグランド本館」の他に「神奈川県庁本庁舎」「旧横須賀製鉄所ドライドック」なども紹介しています。

インターネットのとびら

ホテルニューグランド
https://www.hotel-newgrand.co.jp/
 ホテルニューグランドの公式ホームページです。ホテルニューグランドは、昭和2年(1927)の開業以来、国際都市横浜の迎賓館として世界のVIPを迎え入れ、日々新たな歴史を刻み続けています。今年11月までの期間を「開業90周年プレ・イヤー」、12月から2018年11月末までを「開業90周年イヤー」と位置付け、「お客様が選ぶ90周年記念カクテル」など様々な企画を立ててホームページで紹介しています。

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