トピックスのとびら

図書館には図書、雑誌、神奈川資料、新聞、視聴覚資料、インターネットといったたくさんの情報のとびらがあります。
そのとびらを開いて、時事的な話題を複合的な視点から紹介します。

No.142 近代日本150年(2017年5月発行)  PDF版270KB



 今から150年前、約260年間続いた徳川幕府から朝廷へと政権が返上されました。いわゆる「大政奉還」と呼ばれる出来事です。歴史の教科書では数行の記述で終わってしまう事件ですが、この出来事の成就までには幕府側・朝廷側含めたくさんの血が流れました。そして、明治という新時代の政権が軌道に乗るまでには更なる血が流れたのです。
 歴史が大きく動こうとするとき、その時代を代表するような偉人が生まれるといわれます。では、幕末・明治維新期の偉人とは誰なのでしょうか?きっとそれぞれに思い浮かべる人物は、別の人物なのではないでしょうか。それは、この時代に生きた人々が、立場や政治思想にとらわれず「新しい日本」「より良い日本」を目指して奔走したことが、現代の我々にも伝わるからでしょう。この150年の節目に、激動の時代を切実に生きた人物たちの資料を紹介し、近代日本誕生の意義を感じていただけたらと思います。

図書のとびら

紹介資料表紙紹介資料表紙紹介資料表紙 『幕末維新に学ぶ現在』 ①~③
山内昌之著 中央公論新社 ①:2010年 ②:2011年 ③:2012年 請求記号:281.04/341/(1)、2、3(22423347)(22509350)(22606255)公開

 本書は、2009年3月から2012年3月まで毎週木曜日に「産経新聞」朝刊で連載していたコラムをまとめたものです。著者は中東・イスラム地域研究を専攻する歴史学者であり、従来の日本近代史を専攻とする学者とは異なる独自の視点を持っています。比較政治史や国際関係史などを踏まえた、その独自の視点から、幕末維新の有名人を昨今活躍している政治家に例えるなどして、わかりやすく解説を加えています。

紹介資料表紙 『幕末維新を動かした8人の外国人』
小島英記著 東洋経済新報社 2016年 請求記号:280.4/132(22883680)公開

 幕末維新史というと、日本の将来を懸けた「内戦」の趣きを強く感じますが、ペリーに始まる外国人からの働きかけが日本の変革の速度をすさまじく速め、維新の方向性を決めていった事実も忘れることはできません。本書は、彼ら外国人の側から幕末維新を描き、いかなる人間が何を考え、どう行動し、その結果がどうなったかを解明したものです。

紹介資料表紙 『三条実美 孤独の宰相とその一族』
刑部芳則著 吉川弘文館 2016年 請求記号:289.1/6136(22875231)公開

 明治新政府の特徴として、「身分にこだわらない人材の登用」というものが挙げられます。貧しい百姓の子として生まれた伊藤博文が初代総理大臣となったのは、その象徴といえるでしょう。では、維新前から身分が保証されていた人々は、維新後にはどのような役割を演じ、どのように生きたのでしょうか。本書は、明治政府の最高責任者として要職を歴任した公卿・三条実美(さんじょうさねとみ)の戦後初の伝記です。

神奈川資料のとびら

紹介資料表紙 『小栗上野介 忘れられた悲劇の幕臣』
村上泰賢著 平凡社 請求記号:K28.31/115/オ(60577228)常置 かながわ資料室/新聞・雑誌室公開

 幕末の混乱期、渡米の経験を活かして外国奉行や勘定奉行などの要職を歴任し、日本の近代化のために奔走した幕臣・小栗上野介(おぐりこうずけのすけ)の生涯を紹介しています。徳川の家臣であり、優秀な人材であったことから討幕派勢力に危険視され、罪なくして斬首されるという悲劇的な最後を遂げた人物です。その後、明治の気風が薄まると、その功績が見直され、司馬遼太郎は彼を「明治の父」とも評しました。経済感覚に優れた彼が、米国造幣局の役人を相手取って行ったマネーゲームは非常に痛快です。

雑誌のとびら

紹介資料表紙 「幕末・維新 長州傑士列伝 遺墨・遺文で読み解く」
『別冊太陽 日本のこころ』平凡社 通巻224号 2014年12月 p1~151 請求記号:Z051/168

 吉田松陰とその門下生を中心に、長州出身の維新志士の書簡や詩書から彼らの素顔に迫ります。「書」は、それを記した人間の人となりを表すといいます。本誌では、「古文書」の写真・書き下し文・現代語訳を掲載し、生の史料にあたることで見えてくる人物像を詳しく解説しています。
 また、多くの写真や絵図を用いて、彼らが実際に活躍した現場や、歴史的事件に発展していくまでの経緯も説明されています。

女性関連資料のとびら

紹介資料表紙 『明治を彩った妻たち』
阿井景子著 新人物往来社 1990年 請求記号:D1/サカ(110595147)女性関連資料室1公開

 坂本龍馬の姉「乙女」、西郷隆盛の妻「いと」をはじめ、幕末に活躍した人物ゆかりの女性を取り上げるほか、女子教育に力を注いだ「下田歌子」や慈善事業に身を捧げた「瓜生岩子」など、幕末・明治期に信念を持って生きた女性たちの生涯や功績を紹介しています。

新聞のとびら

「主張 建国記念の日 明治150年の意義を考えよう」
『産経新聞』 2017年2月11日朝刊 p2
 明治元(1868)年から数えると、今年はちょうど「明治150年」にあたる。・・・日本の創建を顧みることで、先行き不透明な現代を乗り切るための教訓をつかみたい。・・・近代国家・日本の夜明けは、龍馬※のように国造りに命懸けの情熱を注いだ人たちによってもたらされたのである。(後略) ※坂本龍馬のこと。

「保阪正康の昭和史のかたち[北海道学の提唱]近代日本は一枚岩ではない」
『毎日新聞』 2017年4月8日朝刊 p10
 来年は「明治150年」である。といっても大政奉還は慶応3(1867)年だから、今年も実質的には150年というサイクルで、近代日本を振り返ってもいい。
 150年にあたって今年から来年にかけて、その種の書が何冊か刊行されるだろう。いやその他のメディアでもこの区切りを機に明治・大正・昭和、そして平成を俯瞰する企画が増えるはずだ。・・・近代日本史を多種多様な見方で検証する機会になりうるのではないか。(後略)

インターネットのとびら

あたらしい「世界と日本」史~明治150年
http://www.yomiuri.co.jp/culture/history/
 読売新聞社が運営するニュースサイト「YOMIURI ONLINE」で隔週連載されている、浅海伸夫氏(読売新聞社調査研究本部主任研究員)によるコラムページです。日本の歴史教育では、伝統的に「日本史」と「世界史」は明確に区別されてきました。しかし当コラムでは、世界の中の日本、日本と世界とが相互にどのように影響しあって歴史を刻んできたかを検証してゆきます。

大政奉還150周年記念プロジェクト-歴史に学び 地域でつながり 未来に活かす-
http://www.taiseihokan150.jp/
 大政奉還の舞台となった二条城を擁する京都市が中心となり、企画・運営しているプロジェクトのサイトです。幕末維新に活躍した先人たちと縁のある都市が相互に交流・連携を図っているのが特徴です。サイト上では「幕末維新の群像」「幕末コラム」など、様々な記事が掲載されています。また、連携する各都市を巡る「幕末維新スタンプラリー」の台紙を読むだけでも大変見ごたえのあるサイトです。

「志国高知 幕末維新博」公式サイト
http://bakumatsu-ishinhaku.com/
 高知県(土佐)は、政治中枢部から遠く離れた地であるにも関わらず多くの維新志士を輩出しました。彼らを育んだ風土・文化を知ってもらうことを目的とした観光博覧会「志国高知 幕末維新博」の公式サイトです。
 高知県内の観光モデルコースなどを紹介しており、PR映像やデジタルパンフレットを見ることができます。特に、デジタルパンフレットは読みごたえがあり、歴史が苦手な方も楽しく見ることができます。

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