トピックスのとびら

図書館には図書、雑誌、神奈川資料、新聞、視聴覚資料、インターネットといったたくさんの情報のとびらがあります。
そのとびらを開いて、時事的な話題を複合的な視点から紹介します。

No.140 日本のアニメ100周年 (2017年3月発行) PDF版262KB



 今年は、日本のアニメ(アニメーション)が誕生してちょうど100年の節目の年です。1917年、下川凹天(しもかわへこてん),幸内純一(こううちじゅんいち),北山清太郎(きたやませいたろう)の3名がほぼ同時期に劇場版アニメーションを制作・公開し、これが日本のアニメーションの出発点となりました。現在では、日本のアニメーションは海外でも評価を受ける有力なコンテンツとして成長しています。また、昨年劇場公開された『君の名は。』が興行収入200億円を超える大ヒットを記録するなど、日本国内でのアニメーション人気も再確認されたように感じます。かつて、子供向けの暇つぶしであると考えられていたアニメーションは、いかにして現在の地位へとたどり着き、これからの100年でどのような変化を遂げるのでしょうか。県立図書館の資料から、日本アニメーションの過去・現在・未来を辿ります。

図書のとびら

紹介資料表紙 『日本初のアニメーション作家 北山清太郎』
津堅信之著 臨川書店 2007 請求記号:778.77SS/34 (22086235)公開

 日本アニメーション学会の理事を務める著者が、アニメーションの歴史を研究していこうと考えた際、研究対象としてひときわ惹かれたのが北山清太郎だったといいます。その理由は、日本アニメの黎明期を担った3名の中で、最も多くの作品を残しながら「わかっていないこと」が一番多かったからです。  本書では、国内で初めてアニメ専門スタジオを設立し、アニメーションをビジネスとして確立しようとした北山の業績を、本人の生い立ちや関係者の証言から丁寧に検証しています。また、巻末に載せられた「北山清太郎 年譜」には「美術界、映画界、アニメーション界での動き」と「国内外のその他の動き」が併記されており、「アニメ大国の夜明け」が如何なる状況のもとにあったか一覧することができます。

紹介資料表紙 『アニメーションの事典』
横田正夫,小出正志,池田宏編 朝倉書店 2012 請求記号:778.77/69 (13496203)公開

 アニメーションについて、体系的に論じた初の総合事典です。第Ⅰ部解説・展望編、第Ⅱ部研究編、第Ⅲ部資料編の3部に分かれ、この一冊でアニメーションの全体像が理解できるように構成されています。「社会」の項目では、『ゲゲゲの鬼太郎』を例に、社会の変化とアニメの関連性を論述するなど、アニメ研究者でなくとも興味が持てる内容となっています。また、第Ⅲ部には用語・人名解説、文献リストなど辞書的・資料的な活用に便利な情報を掲載しています。

紹介資料表紙 『アニメの魂 協働する創造の現場』 
イアン・コンドリー著 島内哲朗訳 NTT出版 2014 請求記号:778.77/80 (22724215) 公開

 アメリカの文化人類学者である著者が、日本のアニメ制作スタジオやアニメ関連の現場を訪れて、経験的調査手法をもって、自身の考察をまとめています。本書は、アニメ制作の現場、スポンサーや関連企業、ファンの集いなど、アニメを取り巻く様々なつながりが、互いに働きかけることで生まれる「創造」が主題となります。著者は、日本アニメーションを、人気の割にはお金が動かない「金銭に導かれない成功」として考察しており、その視点は大変興味深いものです。

紹介資料表紙 『アーカイブ立国宣言 日本の文化資源を活かすために必要なこと』
「アーカイブ立国宣言」編集委員会編 ポット出版 2015 請求記号:007.5/52 (22775266) 公開

 日本のデジタルアーカイブを巡る環境は、欧米諸国と比べて多くの面で対応が遅れていると言われます。本書は、日本の「知のインフラ」を整えることを目的として、各アーカイブの専門家に、これまでの取組と今後のデジタルアーカイブの方向性についての意見を聞き、紹介しています。マンガ・アニメ・ゲーム以外にも、震災資料、脚本、映画、放送、地域資料、音楽、書籍など、今後日本の貴重な文化資源となる諸ジャンルを網羅しています。

雑誌のとびら

紹介資料表紙 特集「キャラクター生成論 3DCG、VR 私たちの“リアル”はどう変わる?」
『美術手帖』 美術出版社 通巻1039号 2016年8月 p7-105 請求記号:Z705/4

 魅力的なキャラクターは、アニメーションを語る上で欠かせない存在です。本特集では、マンガ・アニメ・ゲームの最新テクノロジーを駆使したキャラクターに関する記事が取り上げられています。日本では、「欧米のアニメで主流の3DCGモデルよりも、2次元的なキャラクター造形が志向されるなど、独自の表現が育まれてきた(本文より)」といいます。日本独自の表現と、VR(バーチャルリアリティー)に代表される参加型コンテンツの流行は、これからの日本アニメーションをどのように変化させるのでしょうか。エンターテイメント産業の専門家たちの意見から多角的に論じています。

新聞のとびら

「日本のアニメ100周年プロジェクト 将来の担い手育成へ一丸」
『日経流通新聞』 2016年4月8日 p4

 日本動画協会(東京・千代田)は「日本のアニメーション100周年プロジェクト」を始める。アニメの歴史や文化のデータ・アーカイブを整備するほか、将来の担い手の育成に取り組む。・・・活況を呈するアニメ市場とは裏腹に、作り手不足が深刻で需要に十分応えられていない。・・・人材不足の理由の1つは労働環境だ。・・・(後略)

「日本アニメ100年世界をとりこに」
『日本経済新聞』 2017年1月1日第三部 p2B-3B

 今年は国産アニメーション第1号が誕生して100年になる。海外の動画を模倣した黎明期から、独自の表現を追求した戦前戦後、テレビのブームを経て、世界に誇れる作品を生み出すまで。日本を代表する文化に成長した1世紀の足跡をたどる。・・・(後略)

視聴覚資料のとびら

日本その心とかたち (7枚組DVD) 別巻「日本のアニメーション」
請求記号:DV70/ニホ (41247404) 視聴覚資料室公開 館内視聴のみ

 日本を代表する知識人加藤周一氏を解説者として、1987年~1988年にかけてNHKで放送された「日本 その心とかたち」をDVD化したシリーズの別巻です。番組では、日本文化の個性をグローバルな視点でとらえ、美術の発展が宗教や政治など様々な分野に密接に関わってきた背景を語っています。 別巻は、DVD-BOX製作にあたり特典映像として2004年に改めて収録されました。本編では、スタジオジブリの高畑勲アニメーション監督が聞き手となり、今まで番組で語られた加藤氏の日本文化概念を元に現代日本のアニメーションの特徴や伝統文化との関連などが語られています。

ナトコの映画館 特別付録 昭和初期のアニメーション集
請求記号:VT23/ナト (41129412) 視聴覚資料室書庫 館内視聴のみ

 「ナトコの映画館」とは、大正から昭和初期の日本の生活映像を収録したビデオシリーズです。昭和期にカンヌ国際映画祭へ作品を出品するなどして、日本アニメーションを海外へ紹介した先駆者である大藤信郎氏の作品をはじめ、以下の4タイトルが収録されています。「馬具田城の盗賊(昭和元年)」「月の宮の王女様(昭和9年)」「おい等のスキー(昭和5年)」「ちんころ平平玉手箱(昭和11年)」

インターネットのとびら

アニメNEXT100 日本のアニメーション100周年プロジェクト
http://anime100.jp/
 一般社団法人日本動画協会が主催する、「日本のアニメーション100周年プロジェクト」のオフィシャルサイトです。アニメーション業界著名人の動画メッセージが見られる他、日本全国のアニメマンガミュージアムへのリンクや100周年プロジェクトのメディア掲載情報などがみられます。

一般社団法人アニメツーリズム協会
http://shadan.animetourism88.com/
 アニメツーリズムとは、アニメ・マンガの舞台やモチーフとなった場所をファンが訪れる旅行のことで、「聖地巡礼」とも呼ばれます。海外での日本サブカルチャー人気や訪日外国人の増加を受けて、地方都市の地域振興策としても注目されています。
 当該サイトは、2016年9月に発足した官民連携の協会のオフィシャルサイトで、ホーム画面から「世界が選ぶ聖地88か所」の公募に参加することが出来ます。

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