トピックスのとびら

図書館には図書、雑誌、神奈川資料、新聞、視聴覚資料、インターネットといったたくさんの情報のとびらがあります。
そのとびらを開いて、時事的な話題を複合的な視点から紹介します。

No.135 伊福部昭(いふくべ・あきら) 音楽の世界(2016年10月発行)

 伊福部昭(1914-2006)は日本を代表する作曲家の一人です。北海道・釧路に生まれ、北海道帝大を卒業、地方林務官勤めの一方、独学で作曲技法を習得、作曲活動を続け、後に作曲家として名を成しました。管弦楽・交響楽・舞踊音楽のオーケストラ曲や『ゴジラ』などの映画音楽まで、その作品は幅広く親しまれています。東京音楽学校(現・東京芸術大学)講師、東京音楽大学教授を経て、同大学長に就任。教育者としても数多くの音楽家を育成し、直弟子に芥川也寸志、黛敏郎などがいます。2016(平成28)年2月8日は没後10年に当たりました。伊福部昭の音楽芸術の世界を、県立図書館の資料から紹介します。

図書のとびら

紹介資料表紙 『生の岸辺―伊福部昭の風景《パサージュ》』
柴橋伴夫著 藤田印刷エクセレントブックス 2015年 請求記号:762.1/310(22857262)公開

 同じ北海道生まれの柴橋伴夫(詩人・美術評論家)による伊福部昭の生涯に迫る評伝です。伊福部家は因幡国宇倍神社(鳥取)の宮司を長年務める家系でしたが明治維新により祖父が離職、父は神奈川県警察署長などを経て北海道に渡り、釧路署長時代の1914年昭が生まれました。著者は因幡から生地・釧路、音更、札幌、厚岸へと伊福部の創造の魂を養った地を旅し、その足跡を求めます。戦中をどのように生き、戦後『原爆の子』『ゴジラ』などの映画音楽に何を込めたのか、伊福部昭を「知の人」と呼び、その肖像・美学を2014年までの100年間追究しています。

紹介資料表紙 『伊福部昭と戦後日本映画』(叢書・20世紀の芸術と文学シリーズ)
小林淳著 アルファベータ 2014年 請求記号:778.21/562(22753180)公開

 伊福部の生誕100年、『ゴジラ』誕生60年で注目された2014年、株式会社アルファベータが『叢書・20世紀の芸術と文学シリーズ』の1冊として刊行しました。伊福部が関わったのは特撮映画だけではありません。東宝、大映、東映、松竹、日活、独立プロに次々と関わり、巨匠・名優たちとともに数々の映画作りに活躍しました。伊福部昭を通して見る、戦後映画史を紹介しています。

紹介資料表紙 『伊福部昭綴る――伊福部昭 論文・随筆集――』
伊福部昭著 小林淳編 ワイズ出版 2013年 請求記号:760.4/423(22861736)公開

 1930年代中期から2000年代初期にわたり、主に雑誌、新聞等に執筆・発表した論文、随筆類から、29本を選び1冊の本にまとめたものです。北海道新聞に短期連載の「私のなかの歴史――北の譜」(聞き手・奥津義広記者)や、音楽之友社刊『音楽芸術』で連載された研究論文「明清楽器分疏」などが収録されています。この論文は、後に『東京音楽大学民俗音楽研究所研究紀要「伝統と創造2002年度」』(同研究所編)で復刻されています。

紹介資料表紙 『伊福部昭・音楽家の誕生』
木部与巴仁著 新潮社 1997年 請求記号:762.1/172(20933164)書庫

 木部与巴仁によるノンフィクションです。著者は「序 伊福部昭と私」の中で「(前略)ひょんなことから彼の音楽を聴き、彼について書こうとしてしまった。彼との出会いを持ち、自分自身に思わせてしまった、書かねばならない、と。原因はたった一つ。魅力ある音楽の創り手が、どのようにして生まれたのかを知りたいため。(後略)」と綴っています。

紹介資料表紙 『伊福部昭の宇宙』
相良侑亮編 音楽之友社 1992年 請求記号:762.1/154(20474516)書庫

 本書刊行の1992年当時、伊福部は78歳。1974-97年東京音楽大学教授を務め、この間76-87年同大学長に就任。83年にはゴジラ30周年記念「伊福部昭SF特撮映画音楽の夕べ」が開催され、87年には勲三等瑞宝章を受章しています。富樫康、小宮多美江、片山素秀、小村公次、井上誠、上野耕路の6人が「シンフォニア・タプカーラ」「伊福部昭をめぐる人々」「舞踊音楽の世界」「映画音楽の世界」などそれぞれの観点で執筆した初のアンソロジーです。

紹介資料表紙 『管絃楽法 上巻(1968年増補版)・下巻』
伊福部昭著 音楽之友社 上:7刷 1983年、下:4刷 1982年 請求記号:AV764.3/C-41、C-42(40149007)(40149015) 書庫

 1953年初版『管絃楽法』を刊行、68年加筆訂正の上、補遺を付した『管絃楽法 上巻』として改めて刊行されました。『同 下巻』は初版から15年を経て1968年に刊行。管絃楽の性能に関する基礎的概論、管絃楽を構成する個々の楽器の性能、楽器の組み合わせに依る共同効果について書かれています。出版以来、管弦楽法の最高峰といわれる名著で、上巻13刷、下巻7刷の増刷を重ね、2003年から改訂版作成に取り掛かりますが、2006年編集半ばで逝去しました。(後に後継者が完成させ、2008年『完本 管絃楽法』(全1冊)が刊行されました。)

雑誌のとびら

紹介資料表紙 「短期集中連載 民族の血に流れる音楽~伊福部昭、大いに語る 第1回~第3回」 諸石幸生(取材・文) 竹原伸治(写真)
『音楽の友』 音楽之友社 第61巻第7号 2003年7月号 p130~133、 同 第8号 8月号 p98~101、 同 第9号 9月号 p100~103 請求記号:Z760.5/2

 「一家を成した大音楽家がその音楽を語るロング・インタビュー・シリーズ」で作曲家・伊福部昭を3回にわたり取り上げました。第1回は作曲の勉強は文献から学んだことや、唯一の師というチェレプニンとの交流を中心に語っています。第2回では終戦前後の思い出から、早坂文雄(作曲家)を頼って上京、スタートした新生活を振り返るなど、苦労時代を回想しています。最終回では今後の進むべき道を探りながらの作曲論・音楽観を語っています。

紹介資料表紙 「特別対談『伊福部昭の映画音楽』をめぐって」 佐藤勝・小林淳
『キネマ旬報』 キネマ旬報社 第1256号 (通巻2070号) 1998年5月下旬号 p188~191 請求記号:Z760.5/2

 ワイズ出版から1998年2月に発売された単行本『伊福部昭の映画音楽』について、その著者の小林淳と映画音楽界の巨匠と言われる佐藤勝(伊福部昭と並ぶ戦後日本の映画音楽の開祖である早坂文雄の愛弟子)が対談。伊福部昭の業績や、日本の映画音楽の歩みを振り返っています。 

新聞のとびら

「伊福部昭氏を悼む 本流に対峙した人」
『日本経済新聞』 2006年2月14日朝刊 p44
 「作曲家としての力量は今更言うまでもないが、伊福部昭先生は、教育者としても傑出した人だった。芥川也寸志、黛敏郎、三木稔、松村禎三、石井眞木、和田薫……。これだけ多くの、全く個性の違った作曲家を育てた人は、日本には他にいないだろう。私も教育者となった今、その偉大さが分かる。(後略)」(指揮者・広上淳一)

視聴覚資料のとびら

二十五絃箏曲集(伊福部昭十年祭のための)
CD18/イフク(41353277) 2016年発売 視聴覚資料室公開

長男・伊福部極(いふくべ・きわみ)とゼール音楽事務所が「伊福部昭十年祭」のために制作。伊福部昭は晩年、邦楽器、とくに多絃箏へ傾倒していました。伊福部音楽の魅力を引き出した二十五絃箏による合奏作品集で、「日本狂詩曲」「七ツのヴェール」「ヨカナーン」「胡哦」「聖なる泉」を収録しています。
「十年祭」とは神道における没後10年を表す。

伊福部昭の芸術 20周年記念BOX
CD18/イフク(41352170-41352303)、付:別冊解説書1冊(41352311)21015年発売 視聴覚資料室 公開

キングレコードが1995年から手掛けた「伊福部昭の芸術」シリーズは、伊福部昭自らの監修のもと、緻密なセッション・レコーディングにより、管弦楽作品の数々が最高の録音によって生み出されました。2015年に制作開始20周年を記念して、これまで発売の12タイトル(14枚)と、新たに初CD化となる音源を集めた2枚の計16枚をまとめてプレミアムBOXとして発売。片山杜秀による伊福部昭ロング・インタビュー、楽曲解説のほか、録音風景の秘蔵写真、伊福部昭の人物相関図など100ページに及ぶ充実した別冊解説書付きです。

ゴジラ&怪獣映画音楽大百科 Ⅰ・Ⅱ
CD99(41013830) (41013848) 1991年発売 視聴覚資料室 公開

東宝におけるSF怪獣映画の封切された流れに従って、Ⅰは1954-1968年、Ⅱは1968-1984年の映画音楽で構成されています。その中で伊福部昭が関わった作品は、22タイトル中13と、全体の6割を占めます。CDを聴いて、上映当時に想いを馳せてみませんか?

ゴジラ
DV78/コシラ(41118001) 2001年発売 視聴覚資料室書庫、館内視聴のみ。

東宝が初めて制作した特撮怪獣映画『ゴジラ』は、本田猪四郎が監督、原作は香山滋、脚本を村田武雄と本田猪四郎監督で書き、出演者に宝田明・河内桃子・平田昭彦・志村喬を迎えて、特殊技術を円谷英二、音楽を伊福部昭が担当しています。1954年に公開され大ヒットを記録しました。今年公開の『シン・ゴジラ』へと続く、一連のゴジラ映画シリーズの原点です。 (本編:97分、字幕:日本語、音声:日本語、映像特典:52分付)

インターネットのとびら

伊福部昭 公式ホームページ (暫定版)
http://www.akira-ifukube.jp/
 伊福部昭公式ホームページ設立準備会(AIOHEPA)が主宰のオフィシャルサイトです。トップページを開くと伊福部昭の写真が出迎え、略歴や、生前に書いた文書・談話が、関係各方面の承諾の下に全文転載されています。

KONAMUCHI news
http://www.ac.auone-net.jp/~snamuchi/index.html
 伊福部家による情報発信サイトです。「2014年の伊福部昭生誕100年に向けて寄せられたnews、情報を自宅のボードに貼るだけでは余りにも勿体なく、関心のある方々にも是非見て頂きたく、始めたサイト」で、伊福部昭関連情報が掲載されています。

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