トピックスのとびら

図書館には図書、雑誌、神奈川資料、新聞、視聴覚資料、インターネットといったたくさんの情報のとびらがあります。
そのとびらを開いて、時事的な話題を複合的な視点から紹介します。

No.131 時の記念日(2016年6月発行)

 6月10日は「時の記念日」です。「時の記念日」は大正9年から始まりました。近代化が進む中で、時間に対する意識向上のために、制定されたといわれています。6月10日を記念日としたのは、天智天皇が漏刻(水時計)を作って時刻を知らせることを始めた天智天皇10年(671年)4月25日(現代の暦で6月10日)に基づいています。今回は、「時の記念日」に関する資料とともに、時間や時計について書かれた資料を集めました。普段身近な時計や時間ですが、掘り下げてみると、どこまでも広がっていきます。

図書のとびら

紹介資料表紙 『時間の図鑑』
アダム・ハート=デイヴィス著 日暮雅通監訳 悠書館 2012年 請求記号:421.2/110 (22648547) 公開

 写真やイラストとともに、時間について多角的に紹介されています。時間については、古代ギリシアでの“時間”の議論から、結晶の年代測定や、一日の行動を支配する生物時計などを取り上げています。時間の扱い方については、世界各地域の暦や時間を測るための機械時計を、そして科学において速さを測定するための“時間”まで、時間に関する知識が詰め込まれた一冊です。

紹介資料表紙 『時計の時間、心の時間 退屈な時はナゼ長くなるのか?』
一川誠著 教育評論社 2009年 請求記号:141.27UU/7 (22342703) 公開

 人間が感じる時間について、実践心理学の観点から考察を行っています。人はその時の状況や心理状態で時間の長さの感じ方が異なることを著者の実体験とともに述べています。機械時計や物理学で扱われる時間及び、哲学者が考える時間の概念と心理学的な時間の感覚が対比されています。時間の感覚にズレが生じる例として、図とともに錯覚を用いて論じています。

紹介資料表紙 『時間学概論』
山口大学時間学研究所編 辻正二監修 恒星社厚生閣 2008年 請求記号:112TT/132 (22185565) 公開

 “時間”を幅広い観点から研究する「時間学」の入門書です。物理から哲学、自然界、パソコン、生物、文学、社会などの幅広い観点から“時間”というものを概説しています。各章ごとに専門分野が異なる著者によって執筆されています。第1章は暦や時計などの物理的な時間について(藤沢健太氏)、第2章はタイムトラベルの哲学的な考察(青山拓央氏)、第7章では『伊勢物語』の中に見る、文学の時間について(森野正弘氏)などが収載されています。

紹介資料表紙 『図説時計大鑑』
G.H.バイリー /C.クラトン/C.A.イルバート共著 大西平三訳 雄山閣出版 1980年 請求記号:535.2L/27 (11402831) 書庫

 145ページに及ぶ写真(白黒)とともに、主に西洋の1550年から1830年前後に作られた機械式時計の構造や装飾について詳述されています。機械時計は1335年-1350年に詳細な設計図が書かれていたことから、1285-1300年には開発されていたと著者は考えています。その後の発展について年代に沿って、国や種類ごとに紹介しています。巻末には技術用語解説と索引がついています。

紹介資料表紙 『和時計』
塚田泰三郎著 東峰書院 1960年 請求記号:535.2/6 (11402641) 書庫

 日本で最初に時刻を測るものは日本書紀に登場する天智天皇の漏刻(水時計)でした。その後、江戸時代に、西洋から伝来した時計を日本で独自に発展させたものが和時計であると述べられています。本書は、和時計の歴史や仕組みについてまとめています。

雑誌のとびら

紹介資料表紙 「『時の記念日』の創設」 平山裕子
『日本歴史』 日本歴史学会 第725号 2008年10月 p69-84 請求記号:Z210.05/3

 「時の記念日」が創設された背景や経緯について述べています。明治から大正にかけて、西欧の定時法に基づいて行動することが求められるようになり、時間に対する正確性や意識向上が重要視されました。そして、記念日創設には、当時の文部科学省官僚乗杉嘉寿(ノリスギヨシヒサ)と東京教育博物館館長の棚橋源太郎が関わっており、その二人の人物に焦点を当てて考察を行っています。

紹介資料表紙 『和時計』
 和時計学会  第42号(2010年)- 第48号(2016年) 請求記号:Z449/6

 和時計学会は時計博物館がある近江神宮に事務局を構えています。本誌では、和時計や時計師に関する調査研究の論文が取り上げられています。その中には、澤田平氏による「飛脚時計~江戸時代の万歩計」(第46号、p48-52)、河本信夫氏による「日本での機械時計製作開始時期の考察」(第47号、p1-19)、また、時計博物館の展示の紹介(第43号-第45号、巻末)も収載されています。

紹介資料表紙 『時間学研究』
 山口大学時間学研究所 第1号(2007年)- 第4号(2011年) 請求記号:Z051/866

 2000年4月に設立された時間学研究所が発行している雑誌です。時間学研究所は“時間”について文系と理系の双方から研究を行っています。井上愼一氏による「生命の速度と現代の危機:人の時間の進みが遅い」(第1巻、p5―14)、細井浩志氏の「平安貴族の遅刻について―摂関期を中心に」(第4巻、p31―48)などが収載されています。

新聞のとびら

「Styleプラス スイス『オーデマ・ピゲ』工房探訪」
『読売新聞』  2016年4月18日 朝刊 p6 
 (前略)約300個からなる部品を分業で組み立てていき、室内を一周すると完成する。より複雑な機構の、トゥールビヨンを搭載したムーブメントの生産を担当するのはベテランの技師5人だ。・・・(中略)ここは分業ではなく、技師一人で一つのムーブメントを完成させる。・・・(中略)ムーブメントが透けて見えるタイプだと完成までに300時間はかかるといい、5人で製造するのは年に約60個だ。・・・(後略)(福島憲祐)

「きらり企業 止まった時計 命再び 時計工房飯嶋(川崎市川崎区) 」
『読売新聞』  2012年1月17日 朝刊 (横浜版) p32 
 (前略)時計技能士の飯嶋義弘さん(71)が、スイスで約150年前に製造された懐中時計を修理していた。・・・(中略)扱うのは主にスイス・ロレックス社製などの機械式時計。基本的には、巻かれたゼンマイが徐々にほどけるにつれて歯車が回転し、針が進む仕掛けだ。3~5年ごとに分解・洗浄などのメンテナンスが必要だが、70~80年代にかけて電気仕掛けのクオーツ式時計が普及したため、技術を持つ職人が激減した。・・・(後略)(狩野洋平)

「今日『時』の記念日に號砲(ドン)の音を聞き落とすな」
『東京朝日新聞』 1920年6月10日 朝刊 p9
 今日、時の記念日、正午の號砲を合図に市民は正しい時を合はさなければならぬ。昨日は市内の女学校生徒百数十名が要所々で宣伝ビラを撒き十時からはお茶の水教育博物館に小学校長百余名を招集して講和の材料を提供した。・・・(後略)※旧字体は新字体に直してあります。

インターネットのとびら

一般社団法人日本時計協会(JCWA)ホームページ
http://www.jcwa.or.jp/
 時計に関する解説が掲載されています。「時計に関する知識」の項目には、時計の種類(電波時計など)や時計の部品についての説明があります。「時と時計のエトセトラ」の項目には、時計や時計業界の歴史が紹介されています。そのほかに、「時計関連情報」や「キッズタイム」などの項目があります。

日本標準時グループ(JSTグループ)ホームページ
http://jjy.nict.go.jp/
 トップページにある「Q&A及び資料」をクリックすると、電波時計や標準時を知らせる標準電波について解説している「標準時関連のQ&A」の項目があります。また、「資料室」の項目では、「標準電波・周波数標準・標準時に関する歴史」(年表)が紹介されています。

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