トピックスのとびら

図書館には図書、雑誌、神奈川資料、新聞、視聴覚資料、インターネットといったたくさんの情報のとびらがあります。
そのとびらを開いて、時事的な話題を複合的な視点から紹介します。

No.127 かながわと東京オリンピック1964(2016年2月発行)

 2013年9月7日(日本時間8日)、2020年の東京オリンピック開催が決定しました。それに遡ること54年、1959年5月26日もまた、第18回オリンピックの開催地が東京に決まった瞬間でした。人びとを巻き込む戦後の一大イベントとなった東京オリンピック。2016年オリンピックイヤーにちなみ、1964年に開催された第18回オリンピック東京大会を振り返ります。今回は、過去に刊行した「トピックスのとびら」のオリンピック特集(No36、No84、No101)を再編集しました。
 後半では、今月18日から開催予定の特別展示「かながわと東京オリンピック1964 ~あの感動が今、よみがえる~」の展示品の一部をご紹介します。皆さまのご来館をお待ちしています。

図書のとびら

紹介資料表紙 TOKYOオリンピック物語
野地秩嘉著 小学館 2011年 請求記号:780.69 67(22498703)公開

 筆者は本書を執筆した動機を、新しい何かへの挑戦、そして、がむしゃらに突き進むことの意義をあらためて提示したかったからだと述べています。当時は高度成長の真っただ中とはいえ、今に比べればモノもなく決して豊かではありませんでした。それでも挑戦を続けていけば、いつか夢が現実になると人々が信じていた時代。ポスターをデザインした亀倉雄策、選手村食堂の運営を担った村上信夫をはじめ、大会を裏で支えた人々の情熱を伝えています。

紹介資料表紙 幻の東京オリンピックとその時代 戦時期のスポーツ・都市・身体
坂上康博編著 高岡裕之編著 青弓社 2009年 請求記号:780.69UU 63(22352074)公開

 オリンピックの開催回数には、世界大戦の影響により幻となった三つの大会も含まれています。1916年(ベルリン)、1940年(東京からヘルシンキに変更)、1944年(ロンドン)に予定されていた大会です。本書はその中で、返上された東京オリンピックに焦点をあて、中止に至る国際政治の力学、戦時下のスポーツ界の動向などを描き出しています。ライバルだったヘルシンキを退け東京が開催地に決まったのは1936年7月31日。当時日本は満州国の承認をめぐり、国際連盟を脱退していました。にもかかわらずなぜ東京が選ばれたのか。そして幻となった東京オリンピックはどのような痕跡を残したのか。その実像が浮かび上がってきます。

紹介資料表紙 東京オリンピックの社会経済史
老川慶喜編著 日本経済評論社 2009年 請求記号:210.76UU 274(22359541)公開

 日本の戦後復興の象徴であった1964年の東京オリンピック。本書はその時代背景を、さまざまな角度から考証しています。ロンドンオリンピック(1908年・1948年)、日本万国博覧会(1970年)との関連性、インフラ整備による変容、「消費は美徳」という経済思想の定着、オリンピック前後に高等学校や大学へ進学する年齢に達したベビーブーム世代の問題、「流通革命」の影響など、多彩な視点から検討された本書を読むことで、東京オリンピックが日本の戦後史においてどのような意味をもったのか、その輪郭が見えてきます。

紹介資料表紙 開会式公式プログラム
オリンピック東京大会組織委員会 オリンピック東京大会組織委員会 1964年 請求記号:780.6 12 18(11795523)※書庫・館内閲覧のみ

 青い背表紙が印象的な、第18回オリンピック東京大会開会式の公式プログラムです。音楽隊の入場行進から始まり、選手団の入場、会長挨拶。ページをめくると当日の様子が脳裏に浮かんでくるようです。開会宣言の後に歌われたのは「オリンピック賛歌」。楽譜も掲載されています。

紹介資料表紙 Tokyo Olympiad 1964
共同通信社編 共同通信社 1964年 請求記号:780.6 15(11795556)※書庫・館内閲覧のみ

 共同通信社のカメラマンが取材した東京オリンピックの写真は、カラーと白黒合わせて8万枚を超えたそうです。そのおびただしい写真群の中から厳選された写真によって構成された本書は、オリンピアの聖火採火式から閉会式に至るまでの決定的瞬間を再現しています。巻末には参加国一覧などを含めた記録も掲載されています。

雑誌のとびら

紹介資料表紙 「オリンピック映画作り奮闘記」
『婦人公論』中央公論社 49巻12号 1964年12月 p122-128 請求記号:Z051-9

 市川崑監督、総予算2億7,000万円をかけた映画『東京オリンピック』の製作には、脚本に谷川俊太郎をはじめ、さまざまな分野から人材が集められていました。この記事はその中の一人、作家安岡章太郎によって書かれています。人間を表現することを重視し、ストーリー性を持った『東京オリンピック』は、当初記録映画ではないと論争を呼びましたが、結果的には空前のヒットを記録します。安岡章太郎は臨場感溢れる描写で、この映画がどう作られたのか語っています。

紹介資料表紙 「五輪サヨナラ大安売り ”青空市”は超満員」
『週刊朝日』朝日新聞社 2384号 1964年12月25日 p7-12 請求記号:Z051-47

 12月10日、オリンピック選手村で使用された備品を特売する”青空市”が、代々木の元選手村広場に立ちました。1人1点が原則の電気ストーブ1,500円をはじめ、洗濯機7,500円、応接3点セット3,500~4,500円などなど。会場にはおよそ6千人が押しかけ、特に家庭用小物売り場では制限時間30分が設けられたほどでした。3日続けて開かれるはずが初日でほぼ全て売り切れた様子を、グラビアページで伝えています。

新聞のとびら

東洋と西洋を結ぶ火 /三島由紀夫
『毎日新聞』 1964年10月11日 朝刊 p7
 時期早尚など反対も多かった東京オリンピック。開会式を見て、三島由紀夫は「やっぱりこれをやってよかった。これをやらなかったら日本人は病気になる」と言っています。地球を半周した聖火が聖火台に移され青空を背に揺れる様子を、美しい文章が綴っています。

オリンピック断章 テレビの中の苦しむ顔 /大江健三郎
『読売新聞』 1964年10月23日 朝刊 p17
 男子マラソンを観戦するために初めて二時間以上テレビの前に座った大江健三郎が、スポーツ大会にテレビがもたらした変化を語っています。テレビ画面は選手の人間らしい感情をたたえた表情を映し出し、われわれと選手との間の距離を縮めたと。東京オリンピックでは日本中の人々が、テレビを通して選手との一体感を味わいました。



特別展示 「かながわと東京オリンピック1964~あの感動が今、よみがえる~」がはじまります

平成28年2月18日(木)~3月16日(水)  9:00~17:00  本館1階会議室
詳細は→http://www.klnet.pref.kanagawa.jp/yokohama/information/tenji160218.htm

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☆主な展示品
<ポスター・写真パネル>
  ・エンブレム、陸上、水泳、聖火ランナーの公式ポスター
  ・横浜文化体育館で開催された女子バレーボール(日本対ルーマニア)/オリンピック観光客でにぎわう大桟橋/
   大桟橋のホテル船/サッカーが行われた三ツ沢競技場/三ツ沢“場外の一等席”/伊勢佐木町を走る聖火リレー/
   県庁で一泊する聖火/ 開会式の街頭テレビ/入場券に徹夜の行列 ほか
<展示品>
  ・『オリンピック東京大会神奈川県関係資料』
  ・『オリンピック東京大会国内聖火リレー 神奈川県内リレー実施要綱』
  ・『昭和39年度 競技関係(ヨット・カヌー)』
  ・『昭和39年 聖火リレー関係綴』
  ・『昭和38年度 オリンピック展覧会関係書類』
  ・『昭和39年 オリンピック関係補償関係書類』
  ・聖火リレー用トーチ、聖火リレー用トーチホルダー、制服
  ・横浜市交通局 「オリンピック東京大会記念」の乗車券
  ・オリンピック出場経験者のサイン本

☆【神奈川ニュース映画】上映
  ・オリンピックを迎える県民の集い/オリンピックあと1年/完成近いオリンピック施設/オリンピック準備完了
 【短編映画】上映 聖火を迎えて

☆ご協力いただいた機関(五十音順)
  神奈川新聞社/県立公文書館/県立歴史博物館/広報県民課/横浜市環境創造局/横浜市交通局      

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