かながわ資料ニュースレター第47号(2015年4月発行)

新着資料から

◆『ちゃんと歩ける東海道五十三次 東 江戸日本橋-袋井宿』
 五街道ウォーク・八木牧夫著 山と渓谷社 2014年 [K291/814]

  「東海道を歩いてみたい」と、歩くことが好き人なら誰でも一度は考えるのではないでしょうか。でも実行に移すのはなかなか…。
この本は、著者が実際に歩いて調査した情報が500分の1の詳細地図にたくさん盛り込まれており、信号機や目印となる建物、わかりにくい道筋の注意点など はもちろん、周囲の名所旧跡についても簡単な解説が載っています。たとえば「神奈川宿」(p25~28)では、「浦島太郎伝説の地」という解説があったり 坂本龍馬の妻だったおりょうが働いていたことで有名な「田中屋」が紹介されていたりと楽しく歩ける工夫が満載。巻末には「正しい歩き方」などのコラムもあ ります。
サイズはもちろん、持ち歩きやすい新書版。ほかにも当室には古道についての資料がいろいろあります。
季節もちょうど散策向きになってきました。今年こそは、挑戦してみては?
※当室の資料は貸出できませんが、見本としてぜひどうぞ。

◆『平塚花まち色まち物語』
 今泉義廣著 湘泉堂 2007年 [K38.62/39]

上で紹介した本にも載っている東海道・平塚宿は、平安時代より自然発生的に宿駅として栄えてきた場所でした。栄える宿駅に遊女がいるのは当時の世のなら い。この本では、鎌倉時代から昭和31年の売春防止法成立までの、春をひさぐ女性たちの姿とかれらをとりまく町の様子や規則・取締りの状況などを、平塚を 中心に書いたものです。特に明治期から昭和にかけては、使用資料の一部が巻末に掲載されており、年表も充実しています。
 著者は、この本の発行当時『平塚市史』編さんにも携わっていた郷土史研究家です。昭和31年の平塚市役所税務課勤務時代の体験がきっかけとなってこの本をまとめたと、あとがきにありました。
正史とは違った角度で平塚の歴史の一端を知ることができる本です。

かながわ資料の新着資料

かながわ資料の新着資料の一部をご紹介します。

タイトル 著者 出版者 出版年 請求記号
神奈川県立図書館60年の歩み 神奈川県立図書館 2014 K091/1/60
報徳運動と近代地域社会 足立洋一郎 御茶の水書房 2014 K157/682
鎌倉・横須賀・三浦・逗子・葉山の神社 三浦半島127社案内 文明堂印刷 2014 K17/66
蘭渓道隆禅師全集 第1巻 道隆 大本山建長寺 2014 K18.4/352/1
神奈川県横浜市仏向町遺跡 日本窯業史研究所報告 水野順敏 日本窯業史研究所 2014 K22.15/41
敗者の日本史8 享徳の乱と太田道灌 山田邦明 吉川弘文館 2015 K24/493
箱根・鎌倉 ★修学旅行の本 国土社 2014 K291/368B
横浜 まち みなと(「地図中心」508号) 日本地図センター 2015 K292/241
ゼンリン住宅地図川崎市麻生区 他6冊 ゼンリン 2015 K292.217/1
近代京浜地域の社会と市民 (齋藤秀夫著作集) 齋藤秀夫 「齋藤秀夫著作集」編纂委員会 2012 K36.21/194
関帝廟と横浜華僑 関聖帝君鎮座150周年記念 自在 2014 K38.13/15/150
三崎の磯の動物ガイド 伊勢優史 東大大学院理学系研究科附属臨海実験所 2013 K48.33/15
神奈川県女性薬剤師会80年史 神奈川県女性薬剤師会 2014 K49.16/4/80
吉田五十八自邸/吉田五十八 ヘヴンリーハウス20世紀名作住宅をめぐる5 富永譲 東京書籍 2014 K52/152
ニワトリとともに 自然養鶏家 笹村出 常見藤代 農山漁村文化協会 2014 K64.7/1
京浜東北線100年の軌跡 三好好三 JTBパブリッシング 2015 K68/535
鎌倉ゆかりの天神さま (鎌倉国宝館展示図録) 鎌倉国宝館 鎌倉国宝館 2014 K70.4/69
大山「霊山の四季」写真集 時田まさよし アイカラー 2014 K74.64/2
人生の請求書 石橋幸子 春風社 2014 K98.13/2

ご愛読いただいておりました「かながわ・フォーカス 神奈川の祭り」「かながわあの人・この人」シリーズは前号で終了し、今47号からは新しく2シリーズをはじめます。
《うちのおたから自慢》では、ふだんは書庫に眠っている所蔵資料を中心に紹介していきます。

うちのおたから自慢 「横濱本町景港崎(みよざき)街新郭」 ※部分
五雲亭貞秀画 山口屋藤兵衛板 1860(万延1)年 [K72.13/14]

  桜の季節は少し過ぎてしまいましたが、今回は、満開の桜が描かれたこの「横浜浮世絵」をご紹介します。
海を遠景に、瓦葺屋根が並ぶ通りを多くの人が行き交う活気あふれた開港場が描かれており、手前にひろがる空き地は埋め立てられて間もない太田屋新田(安政 3=1856年完成)です。右下にはこの年に完成したばかりの新名所・港崎遊郭。当時話題の横浜を、俯瞰するような構図で描いた3枚一組のこの木版画は、 下部の赤短冊に名前の見える五雲亭貞秀の手によるものです。
五雲亭貞秀は、幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師で、本名は橋本、歌川国貞(三代豊国)門に弟子入りして歌川氏を名乗り、玉蘭斎等の号を用いました。「横浜浮世絵」の代表的な絵師として、多くの作品を残しています。
「横浜浮世絵」とは、開港地横浜の港や町の風景、外国人風俗などを表現した版画を指します。「横浜絵」「浜絵」などとも言われ、“赤絵”とも呼ばれる鮮や かな色彩が特徴です。新奇なものについての人々の旺盛な好奇心に応えて、幕末から明治10年代までに800種以上が作成されました。

横浜浮世絵

【参考文献】
『横浜浮世絵と空とぶ絵師 五雲亭貞秀』神奈川県立歴史博物館,1997 [請求記号:K06/57/97-11]
『横浜中区史』中区制五〇周年記念事業実行委員会,1985 [請求記号:K21.13/7]

100年前の“観光地”  横浜貿易新報社選「新避暑地十二勝」より

昨年のこととなりますが、2014年の100年前は1914=大正3年でした。第一次世界大戦に日本も参戦することになるのがこの8月ですが、その直前の 6月から7月にかけて、横浜貿易新報社(神奈川新聞社の前身)は、新聞紙上で読者の投票による神奈川県下の「発見開拓すべき」「新避暑地」12ヵ所の選定 を企画しました。
このとき、総得票数27,261票を以て1位に輝いたのは、鎌倉市今泉にある今泉不動(称名寺)。以下順に、2位:愛川村半原、3位:北足柄村平山、4 位:大澤村神澤江岸、5位:三崎町、6位:金澤富岡海岸、7位:本牧三ノ谷、8位:龍口寺園遊地、9位:長井海岸、10位:茅ヶ崎海岸、11位:相模河畔 田名、12位:磯子海岸でした。
選定後、横浜貿易新報では1ヵ所につき1~2日をかけて半面以上の紹介記事を掲載し、観光振興に努めました。これらの場所は、当時はどのようなところと紹介されているのでしょうか。そして現在はどのような景色になっているのでしょうか。連載で紹介します。

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