かながわ資料室ニュースレター第25号(2011年8月発行)

新着資料から

◆『日本には尊徳がいた 二宮尊徳の教え』
木村壮次著 近代文芸社発行 2011年 [K157/661]

 二宮尊徳は江戸時代の後期に困窮した農村を救うために、尊徳仕法といわれる経済政策を実践し、関東とその周辺の復興に努めた人物として有名です。道徳と経済の両立を説いたその仕法や思想は、戦前・戦後の苦しいなかで尊徳の教えを実践した多くの企業が、日本経済をリードし現在でも世界に誇る大企業となったことで、その価値を知らしめました。偉大な経営者の多くが尊徳から学んでいます。
 しかし近年、尊徳は知っているがその思想や業績を良くは知らない、という若者が多いようです。
 本書は、尊徳の業績や教えを記した代表的な書物である『二宮翁夜話』、『報徳記』をベースに、出来るだけ多くの若者に伝えるよう分かりやすく現代語訳し、75項目の構成で尊徳の仕法や思想、そして生き方の全てを紹介しています。

◆『横浜CIAL 50周年記念写真集 横浜駅西口STORY』
横浜ステーシヨンビルほか編著 神奈川新聞社発行 2011年 [K74.13/14]

 本書は、写真展<横浜駅西口・横浜ベイエリア~心に残るスナップ―横濱オーセンティックパラダイス>の公募写真の中から選ばれた作品を編集した写真集です。
 この写真展は今年創業50周年を迎えながら、3月末をもって全館閉店した横浜CIALが、横浜駅西口からベイエリア周辺を様々な角度から再認識し、古き、良き、そして新しい横浜を見つめ直そうと実施した「オーセンティック横濱」キャンペーンの一環です。
 写真集は半世紀の間に培われた横浜の歴史を振り返ります。巻末には写真説明があり、写真の中に込められた横浜への想いに触れることができます。

かながわ資料室の新着資料

かながわ資料室の新着資料の一部をご紹介します。

タイトル 著 者 出版者 出版年 請求記号
夜の会フォーラムの実験夜の会フォーラム夢工房2011 K04 13
日本には尊徳がいた木村壮次近代文芸社2011 K157 661
相模武士 第3巻湯山学戎光祥出版2011 K21.5 14 3
吾妻鏡 10五味文彦吉川弘文館2011 K24 428 10
鎌倉遺文研究 第27号鎌倉遺文研究会吉川弘文館2011 K27 75 27
『鎌倉遺文』の研究瀬野精一郎東京堂出版2011 K27 87
戰國遺文 房総編 第2巻黒田基樹東京堂出版2011 K27.39 22 2
金時山の金時むすめ鈴木理文文化堂出版2011 K28.85 37
鎌倉のあじさいと名花名木めぐり アボック社2011 K291.4 408
鎌倉ぴあ 2011-2012 ぴあ2011 K291.4 409
「鶴見事件」抹殺された真実高橋和利インパクト出版会2011 K32.1 89
在宅福祉政策と住民参加型サービス団体松原日出子御茶の水書房2011 K36.1 426
中学受験案内 2012年度入試用旺文社旺文社2011 K37 818 2012
未来社会の設計北沢猛BankART19292008 K51.1 223
つながる・みらいへ横浜赤レンガ神奈川新聞社2011 K52.13 23
利他のすすめ大山泰弘WAVE出版2011 K58.21 28
思い立ったら、パン日和藤田実子神奈川新聞社2011 K67 245
全國鐵道旅行繪圖今尾恵介けやき出版2011 K68 494
京急1000形半世紀のあゆみ佐藤良介JTBパブリッシング2011 K68 495
JR全駅駅前 東京都・神奈川県千原伸樹データハウス2011 K68 496
生麦魚河岸金指栄一金指栄一2011 K74.1 91
横浜駅西口Story横浜ステーシヨンビル神奈川新聞社2011 K74.13 14
鎌倉 2原田寛求竜堂2011 K74.4 26 2
鎌倉景尾辻弥寿雄現代写真研究所出版局2011 K74.4 32
17音の青春 2011神奈川大学広報委員会NHK出版2011 K93 124 2011
水惑星地球に緑の大嵐を井上ひさし遺稿・追悼文集編集委員会鎌倉広町・台峯の自然を守る会2011 K98.4 91

コラム・かながわ・フォーカス

[神奈川の祭り ~昭和の記録写真から~]

≪面掛行列≫…鎌倉市坂ノ下(御霊(ごりょう)神社)

 神奈川県指定無形文化財
 写真撮影日:昭和36年9月18日 [請求記号:K12/1]

【解説】
 毎年9月18日に鎌倉市坂ノ下の御霊神社で行われる行事です。『新編相模国風土記稿』には八幡例祭の条に「仮面を掛る者十人」と記述があります。この行事は鶴岡八幡宮の8月15日に放生会で行われていました。明治維新後、鶴岡八幡宮の祭式変更により坂ノ下へ移されたといわれていますが、その理由はっきりしていません。
 面は10枚あり、爺・鬼・鼻長・異形・翁・烏天狗・福禄寿(布袋)・火吹男・おかめ・産婆などと呼ばれ、誘導役の天狗面を先頭に10人の仮装した行列が町内を練り歩きます。なかでも「おかめ」は妊婦姿に仮装し、大きな腹を抱えながら見物人の笑いをさそいます。そのことから「はらみっと行列」などとも称されています。面を被るのは全員男で、かつては面をかぶる家筋も面ごとに決まっていましたが、現在は有志によって行われています。

面掛け行列の一行の写真
御霊神社で湯花神楽が奉納された後、
面掛け行列の一行が鎌倉坂ノ下周辺を
練り歩きます
面掛け行列写真
神社を出発し表通りへ
極楽寺坂まで歩き、引きかえし長谷との
境近くまで歩きます
現在は海岸の方へも歩きます
おかめの写真
行列の中心は
妊婦姿の「おかめ」

※画像をクリックすると拡大します(上3枚)

【参考文献】
『神奈川県史』各論編5 民俗 神奈川県企画調査部県史編集室編 1977年 [請求記号:K21/16-2/5]
『かながわの祭と芸能』永田衡吉著 1977年 [請求記号:K38/52]
『神奈川県民俗芸能誌』永田衡吉著 1987年 [請求記号:K38/15]


コラム・かながわ あの人・この人

寥和堂 花城【りょうわどう かじょう】 寛延2(1749)~天保2年(1831)

 江戸時代中期~後期の俳人。
 花城は川崎南加瀬村の生まれで名を三橋郷左衛門。咫尺齊三世寥和の門人であったことから、文尺斎や寥和堂と号しました。
 東海道五十三次の各宿場とその周辺に居住する文化人の人名録『東海道人物志』にも紹介されており、川崎宿において活躍した文化人であることを知ることができます。
 花城は文化2年(1805)に咫尺齊三世寥和の三回忌に『復古集』を編集しています。天保2年(1831)には自選の句集として284章を収録した『調布の真砂』があります。
天保2年(1831)11月13日歿。享年83歳。墓所は、川崎市幸区南加瀬の長弘寺。戒名は「釋道保禪門」。また、川崎市幸区北加瀬の了源寺に花城の句「松杉のしつくすさたし朝さくら」が、句碑として残されています。

 

【参考文献】
『神奈川県古俳人展望』金沢文庫編 1953年 [請求記号:K93/94]
『筆蹟と俳書』 神奈川県立図書館編 1961年 [請求記号:K098/7] 『川崎市史』通史編2 近世 川崎市編 1994年 [請求記号:K21.21/ 5/ 1-2]