かながわ資料室ニュースレター第16号(2010年2月発行)

新着資料から

◆『ハマッ子の歴史』 ―その感性と素顔―
内田四方蔵編 リテラル発行 2009年 [K26.1/167]

ハマッ子とは、横浜生まれ、育ち、住いの人たちの横浜への愛着と誇りの気持ちを込めた呼称とされる。 本書は、郷土史家として横浜文化賞を受賞した内田四方蔵が横浜開港150周年を記念して自費出版した本である。 横浜に住む女優・エッセイスト・TVレポーターなどのハマッ子が、横浜について語った文章や、島崎藤村の小説、横浜貿易新報など、ジャンルにとらわれず、幅広い文献を紹介している。
 横浜に関する資料は多く出版されているが、ハマッ子に焦点を当ててまとめられた資料は少ない。また、巻末に人名・地名の索引がある。 

◆『北条高時と金沢貞顕』―やさしさがもたらした鎌倉幕府滅亡―

永井晋著 山川出版社発行 2009年 [K28.4/119]

北条高時は鎌倉幕府の十四代執権にして、北条氏一門最後の得宗となった人物である。また、金沢貞顕は連署として共に政権運営にあたり、鎌倉幕府を主導した。
 『太平記』は鎌倉幕府を滅ぼし建武の新政をなしとげた後醍醐天皇の側から書かれているが、「金沢文庫古文書」には北条高時と金沢貞顕の書状が数多く含まれ、鎌倉幕府側の視点から幕府崩壊の流れを読みとることができる。この二つの史料を対比させ、北条高時と金沢貞顕の実像に迫っている。 また、本書はページ毎に登場人物や出来事等の注記があり、読みやすく、歴史的背景が分かりやすい構成になっている。

かながわ資料室の新着資料

かながわ資料室の新着資料の一部をご紹介します。

タイトル 著 者 出版者 出版年 請求記号
二宮尊徳岡田幹彦日本政策研究センター2008K157/651
圓鑑不昧禅師追悼の書 玄宗禅師を偲びて渡辺禅師追悼誌刊行会渡辺禅師追悼誌刊行会1964K18.11/55
栄西宮脇隆平禅文化研究所2009K18.4/334
時衆文化 第19号時衆文化研究会岩田書院2009K18.52/92/19
時宗文化 第20号砂川博岩田書院2009K18.52/92/20
低きに立つ神伊藤之雄コイノニア社2009K19/32
関東中心戦国史論集東国戦史研究会名著出版1980K24/165a
吾妻鏡 7五味文彦吉川弘文館2009K24/428/7
湯山学中世史論集 2湯山学岩田書院2009K24/447/2
武蔵武士と戦乱の時代田代脩さきたま出版会2009K24/451
高尾山と八王子城椚國男高尾山の自然をまもる市民の会2009K24.98/38
ペリーとヘボンと横浜開港丸山健夫臨川書店2009K25.1/66
富士山噴火とハザードマップ小山真人古今書院2009K25.89/35
横沢入の歴史遺産を歩く伊奈石の会揺籃社2009K25.98/39
いまも百舟百千舟横浜港振興協会横浜港振興協会2009K26.1/169
港都横浜の文化論小林照夫関東学院大学出版会2009K26.1/170
西園寺公望木村毅書物展望社1933K28/380a
道灌紀行尾崎孝PHPパブリッシング2009K28/386
〈図説〉太田道灌黒田基樹戎光祥出版2009K28/387
武蔵武将伝稲垣史生歴史図書1980K28/388
出版は風まかせ三浦衛春風社2009K28.1/566
ヘボン在日書簡全集J・C・ヘボン教文館2009K28.1/567
我が故郷はヨコハマなり大橋二郎幻冬舎ルネッサンス2009K28.1/568
井伊直弼と黒船物語豊島昭彦サンライズ出版2009K28.1/569
わが夫坂本龍馬坂本竜朝日新聞出版2009K28.1/570
ヘボン塾につらなる人々原豊原豊2003K28.1/571
戦国房総人名辞典千野原靖方崙書房出版2009K28.39/37
北条高時と金沢貞顕永井晋山川出版社2009K28.4/119
評伝江川太郎左衛門加来耕三時事通信出版局2009K28.89/41
全神奈川便利情報地図昭文社2009K291/749
神奈川景勝百選ユラナス・プランニングメイツ出版2009K291/750
はこねの手引 昭和55年版箱根町観光産業課1980K291.85/360/80
在日コリアン女性20人の軌跡かわさきのハルモニ・ハラボジと結ぶ2000人ネット明石書店2009K31.21/88
地価マップ都市計画用途地域図神奈川県平成21年土地情報センターゼンリン横浜支店2009K34/43-2/2009
いちょう団地発!外国人の子どもたちの挑戦清水睦美岩波書店2009K36/1051
市民力を活かす渡辺光子ランダムハウス講談社2009K36.4/26
私たち、主婦だけで、理想の「終の住処」をつくりました!網中裕之PHP研究所2009K36.52/40
葉山の別荘杉浦敬彦用美社2007K52.34/1
湘南の風に吹かれて豚を売る宮治勇輔かんき出版2009K64.52/2
よみがえる商店街三橋重昭学芸出版社2009K67.1/327
アルプス越えの鎌倉街道服部祐雄ぎょうせい2009K68/465
東急おもしろ運転徹底探見宮田道一JTBパブリッシング2009K68/466
横浜錦絵物語斎藤竜新人物往来社2009K72.1/196
わが町の昔と今 3 神奈川区編岩田忠利「とうよこ沿線」編集室2001K74/75/3a
北大路魯山人の星岡 第1巻秦秀雄東洋書院2009K75.4/33/1
北大路魯山人の星岡 第2巻秦秀雄東洋書院2009K75.4/33/2
北大路魯山人の星岡 第3巻秦秀雄東洋書院2009K75.4/33/3
北大路魯山人の星岡 第4巻秦秀雄東洋書院2009K75.4/33/4
Deep images横浜国際映像祭実行委員会フィルムアート社2009K77.1/107

コラム・開港・フォーカス ~150年前のかながわ完~

 安政6年10月10日  運上所の休日制定 ―キリストマスも休日―

明治9年太政官第27号達により「日曜日を休暇に定む」とされるまでは、月の1と6の付く日が休日であり、日曜日に休むという概念はなかった。  では開港と同時に置かれた運上所の休日はどうであったか。安政6年10月10日に運上所の休日が制定されている。そこには「右ノ外 毎月朔日、十五日、日曜日、キリストマス」が休日としてあげられ「一般官衙ト同シカラス」とされている。これは運上所を引き継ぐ新政府でも同様であり、明治元年5月26日に改定された運上所の規定にも「右之外西洋第一月一日及ヒ日曜日并キリストマス休日之事」とある。開港当初から税関の役割を担っていた運上所では外国人に合わせた休日体制をとっており、キリストマス(クリスマス)は休日とされていた。
 なお、明治5年の太陽暦が採用されるまでは太陰暦が使われており、安政6年のクリスマスは12月2日である。当時、クリスマス休日は一般になじみはなく、この日に「運上所が休みなのはけしからん」という記述がされている日記もある。

【参考文献】

『横浜税関百二十年史』 横浜税関編・発行 1981年[請求記号:K67.1/144]
『金川府日誌』 神奈川裁判所編・発行 1868年 [請求記号:K32.1/5]
『日本日曜学校史』 山本忠興著 日曜世界社 発行 1941年 [請求記号:K19.1/102]
『こよみ事典 改訂新版』 川口謙二/ほか著 東京美術 発行1999年 [請求記号:県立449.8/13]
『横浜税関沿革』 横浜税関編・発行1902年 [国立国会図書館近代デジタルライブラリー]


コラム・かながわ あの人・この人

倉田 葛三(くらた かっさん/1762~1818) ~鴫立庵第八世庵主~

江戸時代中期~後期の俳人。宝暦12年生まれ。 郷里の信濃(長野県)で宮本虎杖(みやもと こじょう)に学ぶ。 江戸に出て加舎白雄(かや しらお)の門に入り、常世田長翠の春秋庵を継ぎ三世庵主となる。
寛政9年、相模(神奈川県)大磯の鴫立庵に入庵し、その後、八世庵主 となる。両庵主の兼任で在庵24年の長きに及んだ。文政元年6月12日に 没するまで多くの門人を育て、鴫立庵系俳壇の隆盛期を築いた人物である。 名は覃。通称は久右衛門。別号に黙斎、秋暮亭など。 編著は『くさかね集』『春秋稿 六篇、七篇』『衣更着集』『かな鯰』 『葛三句集』などがある。

【参考文献】

『鴫立庵記』 山路閑古著 1974年 [請求記号:K93.61/36]
『神奈川県百科事典』 神奈川県百科事典刊行会編 1983年 [請求記号:K03/1/1]
『神奈川県史 別編1 人物』 神奈川県県民部県史編集室編 1983年 [請求記号:K21/16-4/1]

短冊・・・飯田九一文庫より