かながわ資料室ニュースレター第13号(2009年8月発行)

新着資料から

◆『東海道線誕生』―鉄道の父・井上勝の生涯―
中村建治著 イカロス出版社 2009年 [K28/377]

 今年、東海道線は全線開通から120年を迎えた。
 明治政府は、東京~京都間に日本初の幹線鉄道を建設するルートとして東海道と中山道のどちらにするかで決めかねていたが、軍部との駆け引きの中、山岳部を走る中山道ルートに一旦は決める。だが、測量や工事を進めていくうち山岳部には難しい箇所が多く、政府は海岸路線の東海道ルートへ変更した。なかなか決まらなかった箱根越えルートの決定など幾つもの問題を経て、現在の東海道線が開業される。
 本書は、明治の鉄道建設のトップとして活躍し、鉄道の父と呼ばれる井上勝の鉄道建設に懸けた生涯が紹介されている。

◆『僕たちの大好きな遊園地』
雨宮郁江ほか編 洋泉社発行 2009年 [K68/462]

 子どもの頃、遊園地は特別な場所だった。西洋風の建物が並び、観覧車やメリーゴーランドが夢の国へと誘ってくれた。日曜日には家族でよそゆきの服を着て遊園地へ行くことは子どもだけでなく、親にとっても大きなイベントであり幸せに満ちていた。しかし、長引く不況、少子化、趣味の多様化等で老舗の遊園地は次々と閉園に追い込まれていく。
 本書では、すでに閉園してしまった横浜ドリームランド、向ヶ丘遊園などの思い出の遊園地と、今もなお現役で楽しませてくれる懐かしい遊園地とが二部構成で紹介されている。

かながわ資料室の新着資料

かながわ資料室の新着資料の一部をご紹介します。

タイトル 著 者 出版者 出版年 請求記号
鎌倉の橋と路大西清治かまくら春秋社2009 K21.4/35
月見野の発掘戸沢充則新泉社2009 K22.55/24
ペリー艦隊日本遠征記 上M.C.Perry万来舎2009 K25/214/1
ペリー艦隊日本遠征記 下M.C.Perry万来舎2009 K25/214/2
東京横浜今昔斎藤多喜夫学習研究社2009 K26.1/161
美しき比々多村の詩菜の花と鈴川を愛する遊子会夢工房2009 K26.64/1
咢堂・尾崎行雄の生涯西川圭三論創社2009 K28.95/47
東海道線誕生中村建治イカロス出版2009 K28/377
一度は訪ねてみたい有名人のお墓酒井茂之明治書院2009 K28/378
横浜開港時代の人々紀田順一郎神奈川新聞社2009 K28/379
西園寺公望木村毅書物展望社1933 K28/380
横浜開港150周年〈Y150〉+みなとみらい・中華街最強ガイド角川マーケティング2009 K291.1/255
ひげの梶さんと鎌倉を歩こう!梶本晃司南々社2009 K291.4/339A
鎌倉史跡散策 上神谷道倫かまくら春秋社2009 K291.4/382/1A
鎌倉史跡散策 下神谷道倫かまくら春秋社2009 K291.4/382/2A
丹沢三宅岳山と渓谷社2009 K291.61/118
大都市制度の現状と再編課題広田全男学文社2009 K31.1/224
横浜版学習指導要領 総則編横浜市教育委員会ぎょうせい2009 K37.1/313/ 1
横浜版学習指導要領 国語科編横浜市教育委員会ぎょうせい2009 K37.1/313/ 2
横浜版学習指導要領 算数科、数学科編横浜市教育委員会ぎょうせい2009 K37.1/313/ 3
横浜版学習指導要領 理科編横浜市教育委員会ぎょうせい2009 K37.1/313/ 4
横浜版学習指導要領 社会科編横浜市教育委員会ぎょうせい2009 K37.1/313/ 5
横浜版学習指導要領 家庭科、技術・家庭科編横浜市教育委員会ぎょうせい2009 K37.1/313/ 6
横浜版学習指導要領 生活科編横浜市教育委員会ぎょうせい2009 K37.1/313/ 7
横浜版学習指導要領 体育科、保健体育科編横浜市教育委員会ぎょうせい2009 K37.1/313/ 8
横浜版学習指導要領 音楽科編横浜市教育委員会ぎょうせい2009 K37.1/313/ 9
横浜版学習指導要領 図画工作科、美術科編横浜市教育委員会ぎょうせい2009 K37.1/313/10
横浜版学習指導要領 YICA、外国語科編横浜市教育委員会ぎょうせい2009 K37.1/313/11
横浜版学習指導要領 道徳編横浜市教育委員会ぎょうせい2009 K37.1/313/12
横浜版学習指導要領 総合的な学習の時間編横浜市教育委員会ぎょうせい2009 K37.1/313/13
横浜版学習指導要領 特別活動編横浜市教育委員会ぎょうせい2009 K37.1/313/14
中学受験案内 2010年度入試用旺文社旺文社2009 K37/818/2010
開国博Y150公式ガイドブック横浜開港150周年協会2009 K60.1/74
聞き書き横濱中華街物語林兼正ホーム社2009 K67.13/45
東海道ライン 第1巻川島令三講談社2009 K68/461/1
東海道ライン 第2巻川島令三講談社2009 K68/461/2
僕たちの大好きな遊園地洋泉社2009 K68/462
横濱ナイト&デー町田昌弘日本カメラ社2009 K74/89
あつぎハーモニカ物語岡本吉生市民かわら版社2008 K76.92/16
湘南乃風the historyシンコーミュージック・エンタテイメント2009 K76/84
133キロ怪速球山本昌ベースボール・マガジン社2009 K78/246
丹沢の文学往還記山田吉郎夢工房2009 K91.6/1
葛三全集倉田葛三葛三顕彰会1967 K93.6/1
小説横浜開港物語山本盛敬ブイツーソリューション2009 K97/153

コラム・開港カウントダウン ~150年前のかながわ13~

 安政6年6月5日  外国人遊歩区域 

 開港後、開港地には外国人の行動を制限するための居留地や遊歩地が設けられた。外国人遊歩地とは「外国人歩騎適宜之運動を以身体之強健を進め、且は勝地に逍遙し心目を快豁に致し候」の名目で設定され、横浜では6月5日に御触書が出されている。
 右の地図は、神奈川県内を外国人が自由に行動できる遊歩区域を線で示している。田、畑などの地誌的情報も含まれ、神奈川を訪れた外国人は横浜から鎌倉、江ノ島へと名所地を旅行した。
 日米修好通商条約では横浜から十里四方となっているが、実際には西は酒匂川、東は六郷川(現在の多摩川)までである。
この外国人遊歩区域の制度は、明治政府にも引き継がれ、外国人が日本国内を自由に行動できるようになるのは、日英通商航海条約が発効した明治32年(1899)からになる。

【参考文献】

『幕末・明治かながわ名所探訪』神奈川県立歴史博物館 編集・発行 2005年 [K06/57/2005-7]
『幕末横浜在留外国人遊歩地と見張番屋』 小松修著 日本大学史学会 発行 1983年 [K25.1/31]
『神戸・横浜開化物語』 神戸市立博物館 編集・発行 1999年 [K26.1/127]
『神奈川県史 資料編10 近世(7)』 神奈川県県史編集室編集・発行 1978年 [K21/16/10]


コラム・かながわ あの人・この人

大淀三千風(おおよど みちかぜ/1639~1707)~鴫立庵初代庵主~ ・・・<在庵13年>

寛永16年(1639)伊勢国飯野郡射和村(現三重県松阪市射和町)の商家に生まれ、姓は三井、名は友翰(ゆうかん)。31歳の若さで隠居し、松島に赴き、41歳の時仙台に住む。一昼夜吟三千句なるものを完成させ「仙台大矢数」を出版し、以後「三千風」と名乗る。
 天和2年(1682)三千風は松島に関する句や歌を集めた『松島眺望集』を刊行する。これは全国の知人に句を依頼したもので、その中には芭蕉も桃青という名で「武蔵野の月の若ばへや松島種」という句を投じている。
 元禄8年(1695)57歳の時、三千風は鴫立庵の再興を始める。西行堂の建立にかかり、京都で鉈彫の西行像を手に入れ、それを背負って持ち帰ったのが今日に残る西行像である。元禄13年(1700)『鴫立庵縁起』を刊行。翌年には『田島集』を刊行。元禄15年(1702)64歳の時九州へ行脚に出かけ、そのまま鴫立庵に帰ることなく故郷の伊勢で病床に伏し、宝永4年(1707)69歳で没した。

【参考文献】

『鴫立庵記』 山路閑古著 鴫立庵 発行 1974年 [請求記号:K93.61/36]
『大磯町文化財調査報告書29』 大磯町教育委員会 1987年 [請求記号:K06.61/1/29]