かながわ資料室ニュースレター第5号(2008年5月発行)

新着資料から

『金沢区を歩いてみよう! 植物ウォッチング』
金子昇 著 文芸社 2008年 [K47.17/1]
 横浜市金沢区の環境や植生について解説した本書は、著者の「地域の自然は、地域の人たちが互いに営み合うことで成り立ち、維持されていくもの」という考えから、身の回りの自然に目を向けてもらう目的で編集されたもの。植物名を知るよりも、植物を観察する際のポイントを中心に紹介している。とりげられるフィールドは、富岡総合公園、野島公園、能見堂緑地などが中心で、金沢区の住民にとってはまさに日々接している“自然”として興味深い。同時に、身近な自然の観察手引きにもなっており、金沢区以外の読者にとってもガイドブックとなる1冊。

『日本の川 たまがわ』
村松昭 著 偕成社 2008年 [K291/739]
 多摩川は、奥多摩から流れ出し、東京・神奈川の県境を流れて東京湾に注ぐ一級河川。本書は、山の神様と男の子が雲に乗って源流から河口までを辿りながら、川の姿や役割、歴史などを学んでいく絵本。緑豊かな奥多摩から始まり、羽田空港のダイナミックなジャンボジェット機まで、次々に変わる流域の様子が描かれる。“分倍河原の戦い”“狛江の洪水”などの多摩川にまつわる歴史的な出来事や、地形に関する説明、治水技術の話題なども挿入されて川への興味を掻き立てる内容となっている。

かながわ資料室の新着資料

かながわ資料室の新着資料の一部をご紹介します。

タイトル 著者 出版者 出版年 請求記号
北相模の歳時記杉本憲昭北丹沢山岳センター2007 K38.95/41
いのちの始まりいのちの終り小峰豊子かまくら春秋社2007 K28.34/26
近代建築散歩 東京・横浜編宮本和義小学館2007 K52/128
顧客満足度10年連続日本一の会社の人材育成術高根沢一男エール出版社2007 K53/29
箱根駅伝襷の記憶ベースボール・マガジン2008 K78/233
箱根駅伝まるごとガイド2008昭文社2008K78/231/2008
よみがえる滝山城中田正光滝山城跡群・自然と歴史を守る会2007 K24.98/35
八十年の散歩山内静夫冬花社2007 K98.4/88
郷土史家人名事典日外アソシエーツ2007 K21/96
「箱根駅伝」不可能に挑んだ男たち原島由美子ヴィレッジブックス2007 K78/232
あつぎ自然歳時記吉田文雄国書刊行会2007 K46.92/14
坂東三十三カ所めぐり安宅夏夫JTBパブリッシング2008 K18/173
三浦ダイコンここにあり!吉田和子文芸社2007 K61.33/3
武蔵と相模の古墳広瀬和雄雄山閣2007 K23/52
軍記物語の窓 第1~3集関西軍記物語研究会和泉書院2002 K97/146/2
江ノ島水族館広崎芳次谷口書店1960 K48.52/22
清川村ニホンザル調査報告川村俊蔵京都大学霊長類研究所・マカク研究会1973 K48.91/1
港北ニュータウンと竹港北ニュータウン建設研究会港北ニュータウン建設研究会1973 K47.18/13
神奈川県園芸協会十年の歩み神奈川県園芸協会神奈川県園芸協会1966 K62 90/10
福羽いちごの歩み神奈川県いちご組合連合会1970 K62 91/10
箱根霊験記荒川藤兵衛荒川藤兵衛1887 K97.85/73
完訳太平記 1~4鈴木邑勉誠出版2007 K97/148/1
とどろく谷の怪獣山田吉郎夢工房2007 K97.63/14
鎌倉御成町いまむかし冬花社2008 K21.4/34
マイ・スタンダード横山剣小学館2007 K76.1/110
修学旅行の本 箱根・鎌倉修学旅行研究会国土社2007 K291/368A
知と心の教育福井一光北樹出版2008 K37.4/141
街づくりルール形成の実践ノウハウ藤川眞行ぎょうせい2008 K51.7/24
わが人生鵜川昇文芸社2008 K28.18/33
益田鈍翁の想影牧野紘一鈍翁in西海子2008 K28.7/120
かまくら切通しストーリー堤治郎かまくら春秋社2008 K28.4/114
ふるさと横須賀辻井善弥郷土出版社2007 K26.31/22
関東の歳時習俗池田秀夫明玄書房1975 K38/230
潮騒・松籟・木の香り林茂雄林茂雄1997 K98.4/89
太平年表録藤間柳庵藤間雄蔵2007K27.53/14

コラム・開港カウントダウン ~150年前のかながわ5~

安政5年(1858)5月3日(陰暦3月20日)、朝廷、堀田(正睦)老中に条約調印の不可を下し、三家以下諸侯の意見を徴して再び勅裁を求めるべき旨勅諚。

安政4年11月に日米修好通商条約の基本が提示されて以来、幕府とハリスとの間で交渉が重ねられ、翌年正月には条約草案が妥結しました。しかし、朝廷の勅許が得られずに調印は先延ばしを余儀なくされます。そこに、清との戦争中だった英仏連合艦隊がこれに圧勝したとの知らせが入ります。これは、英仏が近く大挙して江戸湾に渡来することを示すものでした。また、ここに幕府内の世継問題等も複雑に絡んで事態は急展開し、勅許が得られないまま、専決権を与えられた井上清直・岩瀬忠震が、神奈川沖のポーハタン号上で条約に調印しました。こうして、朝廷の意向を無視する形で条約が締結されたことは、この後安政の大獄を引き起こすなど、国内の政局に少なからぬ影響を与えました。

【参考文献】

『横浜近代史総合年表』松信太郎編 有隣堂1989年 [K21.1/38]  『神奈川県史 通史編3 近世(2)』 神奈川県 1983年 [K21/16-3/3]

コラム・かながわ あの人・この人

藤間 柳庵(とうま りゅうあん 1801~1883)

藤間柳庵は、幕末から明治初期、柳島村(現・茅ヶ崎市)の名主役として、また、柳島湊の船主として地域社会に多大な貢献をした人物です。彼は、開国から幕府の瓦解という大きな時代のうねりの中で、自ら入手した情報や見聞したことなどを「太平年表録」として書き残しました。ここに見られる詳細かつ正確な記述は、柳庵の観察力・洞察力を窺わせるもので、当時の政治、経済、社会の様子をよく伝えています。この資料は、「茅ヶ崎市史史料集 第5集」として翻刻が刊行されているほか、先ごろ覆刻本も刊行されました。  また、柳庵は「かながわの100人」にも選ばれています。

【参考文献】

 参考文献:『藤間柳庵「太平年表録」(茅ヶ崎市史史料集 第5集)』茅ヶ崎市2007年 [K27.53/12/5]       『かながわの100人』稲葉博編著 神奈川合同出版1981年 [K28/116]       『太平年表録 初編~七編』藤間柳庵著 藤間雄蔵2007年 [K27.53/14]