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神奈川県立図書館は、平成15年度の活動について自己評価を行い、その結果を県民の皆様や利用者の皆様に公表することにいたしました。 この評価は、今後、図書館を運営していくにあたって、「計画→実施→評価」のサイ クルを実現し、運営の改善に役立てようとするものです。指標の設定やデータの採取については、これからも工夫と改良を加えていく考えです。より良いサービスを実現していくため、皆様のご意見、ご感想をお寄せいただければ幸いです。
『神奈川県立図書館の活動評価 平成15年度』の概要 |
1 神奈川県立図書館の活動の評価について
神奈川県立図書館(以下、「県立図書館」といいます。)は、平成15年度に行った活動についての自己評価を行い、「神奈川県立図書館の活動評価 平成15年度」としてまとめました。県立図書館は、平成14年度から活動評価に取り組んできましたが、今回初めて図書館として県民・利用者の皆様に発表することにいたしました。
評価項目の設定に関しては、現行の組織により実施している事業に着目するだけではなく、部課を横断している事業や県立図書館独自の事業・活動を選定するよう考慮しました。
併せて、平成16年5月から6月にかけて行った県政モニターの方々に対するミニアンケート
と、同年9月に行った当館の来館者に対するアンケートを掲載しました。この二つのアンケート
はこの報告書が評価の対象とする平成15年度中に行われたものではないことをお断りしておき
ます。
2 全体構成と評価の方法
(1) 全体は「県立図書館の事業方針及び概況」、「図書館活動の目標と基本指標について」及び「県政モニター及び来館者へのアンケート結果」により構成されています。
(2) 評価部分は主に「図書館活動の目標と基本指標について」に書かれています。
「(1)資料・情報の提供サービスの充実」「(2)付加価値の高い情報発信」「(3)ネットワークの
センター的機能の強化」「(4)専門性の高い資料・情報の整備」「(5)施設の整備、職員の資質向上
の実践」の5つの目標の下に、評価の対象項目となる15の基本指標を設定し、活動を評価することとしました。
(3) 「数値目標」については、指標によってはデータが十分でないために、具体的な数字を掲げる
ことができないことや、平成15年度当初の時点では、実際にその数値を目標として設定し、活動
を行ってきたわけではないことから、具体的な数値目標を掲げていません。平成17年度以降については、事業方針を策定する際に、いくつかの項目について具体的な数値目標を設定する予定です。
(4) 評価するにあたって、基本指標として数値で表せるものはそれぞれ最長過去5年にわたる数値
の推移とその平均値などを取り上げて数値目標の代替としました。また、基本指標以外にも県立
図書館の活動を説明するのにふさわしい数値があれば、他の都道府県立図書館のものも含め、参
考として取り上げました。数値で表せないものは特徴的なトピックを取り上げ、定性的な事象と
して文言による評価を試みました。
評価は概括的にA、B、C、Dの4段階評価としました。
A かなり高いレベルで県立図書館の特徴が活動に生かされている
B 高いレベルでの活動が展開されている。
C 標準的なレベルで活動が展開されている
D 標準的なレベルに達していない
3 評価の結果
表1 評価結果
| 定量評価 | 定性評価 | 評価 | ||||
| 5ヶ年平均値 | 前年比 | 都道府県図書館比 | ||||
| 基本指標 1 | レファレンス総件数 | D | D | − | ・OPACをインターネットに公開したことにより、軽微な所蔵調査は減少しているが、事項、文献調査に対応している。 ・メール・レファレンスは増加している。 |
B |
| 基本指標 2 | 個人貸出冊数と複写サービス | B | B | − | 県民・利用者の目的に対応した貸出数の増加が見られる。複写サービスについては、貸出不可能な資料を利用するサービスとして位置付けている。 | B |
| 基本指標 3 | オンライン・データベース等の利用件数 | D | B | − | 外部データベースの選定は適切であり、インターネットのデータベース・サービスが増大している。 | B |
| 基本指標 4 | 神奈川県関係文献情報(K文献)の作成・提供 | A | A | − | 神奈川に関する情報としての有用性は高いといえる。 | A |
| 基本指標 5 | 各種目録・索引類の作成・発行 | − | − | − | 目録・索引の内容に解説が加えられ、質的変換を図るなど編集力は充実している。 | A |
| 基本指標 6 | ホームページへのアクセス回数及びOPACアクセス回数 | A | A | − | アクセス数は飛躍的に増加しており、ホームページの改訂も進展している。 | A |
| 基本指標 7 | 広報及び集会活動の取組み | − | − | − | 発信数は多いが、PRや事業展開全体の戦略がない。 | B |
| 基本指標 8 | 職員の研究活動と成果の発信 | − | − | − | 他館にない独自性があり、一定のレベルに達しているが、なお向上の余地はある。 | B |
| 基本指標 9 | 図書館等への図書貸出数 | A | A | A | 県内図書館に加え県外図書館への貸出に配慮している。 | A |
| 基本指標 10 | 市町村立図書館職員等への研修 | A | A | − | 参加者が増大するとともに研修内容の高度化、多様化が図られている。 | A |
| 基本指標 11 | 図書の受入冊数 | C | C | D | 購入冊数は充分でないが、重点的収集による個性化の推進を図っている。 | C |
| 基本指標 12 | 雑誌の受入タイトル数 | B | B | A | 社会・人文科学系の分野は充実し、重点的収集と受贈雑誌の強化が進展している。 | A |
| 基本指標 13 | 視聴覚資料受入点数 | B | B | − | CDの受贈数の増大により購入数を補完している。 | B |
| 基本指標 14 | 施設・設備 | − | − | − | バリアフリー化及び環境に配慮した施設運営は進展しているが、老朽化対応が見られない。 | B |
| 基本指標 15 | 職員研修の実施 | − | − | − | 現任職員の研修は着実に実施している。 | B |
(2) 総合的な評価では、Aが6、Bが8、Cが1となりました。
「ホームページへのアクセス回数及びOPACアクセス回数」は、アクセス数が年々増加していることからA評価となりました。「図書館等への図書貸出数」は、毎年貸出数が伸びていること、全国的にみても高いレベルにあることからA評価としました。「雑誌の受入タイトル数」については、全国の都道府県図書館の中でも4位となっていることから、同じくA評価としました。「神奈川県関係文献情報(K文献)の作成・提供」は、A評価となっています。K文献は県立図書館が独自に作成している文献情報で、新聞、雑誌、図書の中から神奈川に関する記事や文献を抜き出して、タイトル情報をデータベース化したものです。県民の皆様は、県立図書館のOPACのメニューからご利用いただけます。「各種目録・索引類の作成・発行」は、A評価となっていますが、これは県内の公共図書館の雑誌・新聞の所蔵を一覧できるようにした『県内公共図書館購入雑誌・新聞総合目録』をインターネット上で公開したこと等を評価したためです。同じくA評価となっている「市町村立図書館職員等への研修」は、研修内容の高度化、多様化が図られていることを受けています。
B評価となっている「職員の研究活動と成果の発信」については、ここ1〜2年重点的に取り組んでいる指標です。これは、県立図書館職員が専門的職員として付加価値が高い情報を社会的に発信する指標です。
C評価となったのは、「図書の受入冊数」です。神奈川県立の2図書館の図書資料購入費は、金額で全国21位、1人当たりにすると8.2円で、全国47位でした(「日本の図書館 2004年」による)。
県立図書館は、課題解決型のリサーチライブラリーを標榜していますが、レファレンスの受付件数は、減少しました。これは、OPACを公開したことにより、所蔵調査が減少したためだと考えられます。
4 今後の活動評価について
(1) 数値目標の設定と評価サイクルの確立
この活動評価は県立図書館のサービスを評価したものですが、サービスを客観的に評価するた
めには、そのサービスを表現する様々な数値が必要であり、評価の前に目標となる数値を設定しておく必要があります。
しかし、現在の業務統計では、県立図書館として特徴ある活動についての数値が不足する傾向
があり、指標を設定しても評価を下せるだけの数値が採取できません。、また、全国の公立図書
館もほぼ同じような業務統計の項目なので、仮に県立図書館がオリジナルの指標を用意しても、
そのベンチマークとなる数値を算出し、かつその数値の客観性を担保することは非常に難しいの
です。
今後は、指標となる数値の採取方法・目標の設定方法などをより一層明確化する必要があり
ます。平成17年度以降は、年度当初に数値目標を設定し、その数値に対し評価するサイクルを確立することを目標とすべきであると考えています。
(2) 神奈川県立の図書館の特性
神奈川県では、2館体制により活動しており、県立図書館は社会科学・人文科学系、川崎図
書館は科学・産業技術系の資料に重点を置き、収集資料分野が両館に分散しているため、1館で
活動している他の都道府県立図書館と蔵書冊数を比較し難い側面があります。
こうした2館体制を前提とした場合、館ごとの比較では、さまざまなサービスにおいて他の都道府県立図書館との比較が難しいため、2館を俯瞰する活動評価が必要と考えられます。