『まわりまわって古今亭志ん朝』志ん朝の仲間たち著

『まわりまわって古今亭志ん朝』 志ん朝の仲間たち著 文藝春秋 2007年 資料番号:22083182 
請求記号:779.13SS/49 OPAC(所蔵検索)


 2001年10月1日に咄家3代目古今亭志ん朝が亡くなり、20年近く経ちました。
 5代目古今亭志ん生の次男として生まれた志ん朝は1957年(昭和32年)に実父・志ん生の元に弟子入りしました。偉大な志ん生の血筋を引き、彼は前座時代から才能ある咄家として周囲から一目置かれた存在だったようです。そして、人との関係性を大切にし、人一倍気遣いをする姿や師匠になってからも誰よりも稽古に励む様子に、同期会メンバーをはじめ、若手の咄家や演芸場の主人たちなどから、大変慕われていました。また、志ん朝は落語界初の同期会を立ち上げたり、池袋演芸場での二ツ目勉強会を発起するなど、様々な新しいことに尽力しました。

 同期会メンバーは同じ年に入門した者同士で、一緒に呑んだり旅をしたりしていたようです。志ん朝の同期会メンバーには1957年(昭和32年)から1958年(昭和33年)に入門した鈴々舎馬風、林家こん平、9代目桂文楽、8代目三升家小勝、柳家三吉、3代目三遊亭歌奴で構成されています。本書の冒頭から馬風、文楽、小勝、三吉の4人に志ん朝との前座時代からの思い出を語ってもらい、次の項で、本書の執筆当時から病に倒れてリハビリ中であったこん平による寄稿文が載せられています。彼らは志ん朝を俺たちの太陽だと絶賛し、彼の咄の上手さや男前な顔つきに勝負心が一切なくなるなど、若い時分から愛されていたことが伺えます。

 後半では、寄席で関わったスタッフや特に関係のあった若手の咄家たちからの目線で見た志ん朝の人間性に触れています。東京でも大阪でも受け入れられ、潰れかけた寄席に積極的に出演して助けるなど、彼は落語界のあらゆる危機を救い、守っていました。若手の育成にも力を入れ、自分の弟子以外の若い咄家も大切にし、多方面から憧れの眼差しを受けていたようです。

 当館では本書以外にも、古今亭志ん朝をはじめ、様々な落語の書籍を所蔵しています。ぜひ一度、落語の世界に浸ってみてください。

(県立図書館:落語デビューは志ん朝でした)

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第1期:6月9日(火)~7月8日(水)
(2010年~2014年のブログ記事から紹介)
第2期:7月10日(金)~9月9日(水)
(2015年~2020年のブログ記事から紹介)
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