『子どもと本』 松岡享子著

『子どもと本』 松岡享子著 岩波書店 2015年 資料番号:22793541 
請求記号:019.5/246 OPAC(所蔵検索)


 子どもを本好きにするには、どうすればよいのかを書いた本です。お子さんやお孫さんのいる方、図書館ボランティアさん、初めて児童サービスを行う司書さんにおすすめです。

 1974年に著者の松岡享子氏は、本人の「松の実文庫」と石井桃子の「かつら文庫」、土屋滋子の「ふたつの土屋文庫」の三つを合わせて、子どもの本と読書を専門とする私立図書館の財団法人東京子ども図書館を設立され、現在は、名誉理事長を務められています。また、慶應義塾大学、ウエスタン・ミシガン大学大学院で図書館学を学び、長年図書館で働いた児童図書館員のエキスパートです。私は、小さいころ、『とこちゃんはどこ』(松岡享子作、かこさとし絵 福音館書店 1979年 資料番号13075999 請求記号E1/マ他)が大好きでその印象が強いです。

 「子どもが好き、本が好き」という言葉で始まる本書は、所々にそれらへの思い入れや愛情が深く感じられる内容となっています。
 まず一章では、著者が、児童図書館員を志すきっかけやアメリカの図書館で働くようになったエピソードなどが語られています。その中で、イーノック・プラット公共図書館の館長エドウィン・キャスタニヤ(のちにアメリカの図書館協会の会長になる方)に館長室で言われた言葉として、「わたしたちは、本を良いものだと信じる人々の集団に属しています。わたしたちの任務は、できるだけ多くの人をこの集団に招き入れることです。どうかしっかり働いてください。」という言葉があり、私自身も司書の原点に引き戻される思いがしました。

 そして二章では、「文字を獲得するのと引き換えに、ことばをこころに刻む力、ことばに対する信頼、想像力を目いっぱい伸ばして言葉の奥に世界を創り出す力を失う」というようなことを述べています。子育てにおいて早く何かをできるようにしないといけないという事にこだわりがちになるので、子どもたちの今の感じ方や感性を大事にしていかないとな…と考えさせられました。

(県立図書館:ウルトラの母)

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「司書の出番!私のオススメ本の本棚」展示中!
過去、当ブログで紹介したオススメ本と、本記事の紹介本を含む新規のオススメ本を、司書の図書紹介コメントと共に県立図書館本館1階閲覧室で展示しています。
開催期間(予定)
第1期:6月9日(火)~7月8日(水)
(2010年~2014年のブログ記事から紹介)
第2期:7月10日(金)~8月12日(水)
(2015年~2020年のブログ記事から紹介)
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