「『人生100歳時代』を学ぶ 大人の社会科 仕事に活きる“聴く力”講座」を開催しました。

 昨年度、県立図書館でスタートした講座「大人の社会科」は、職員の提案がきっかけで生まれた企画でした。平成29年度は「伝える」をテーマに伝わる話し方の講座と参加者によるプレゼンテーションの実践を行い、好評のうちに終了いたしました。今年度もコミュニケーション力を磨く講座をお届けしようと、「聴く」をテーマに企画しました。タイトルは「仕事に活きる“聴く力”講座」です。
 ビジネス雑誌でも特集が組まれ、さまざまな世代に必要な能力として注目されている「傾聴力」という言葉を見たり聞いたりしたことがあるのではないでしょうか。また、介護の場や災害の被災地において活動する「傾聴ボランティア」をご存知の方も多いかと思います。コミュニケーションというと「伝え方」がまず思い浮かぶかもしれませんが・・・話を聴いてくれない人、多いよね?聴いてくれない人に伝えるのは難しいよね??そもそも自分もちゃんと聴けているかしら???ということで、傾聴のプロフェッショナルから教えていただくことにしました。
 調べてみると、「傾聴」といってもさまざまな分野があることが判明。日常生活やビジネスの場で活かせる「聴く力」にポイントをしぼり、初心者にも「傾聴とは何か?」が理解できる入門編と、「聴き方のコツ」を身に着ける技術編を企画しました。
 1月26日に開催した入門編では、コミュニケーション塾を主宰されている今井登茂子氏に、提唱する「聞き上手会話」を紹介していただきました。「コミュニケーションの深度」と「受け止め方、認め方」の2点を中心に展開し、コミュニケーションの入口は好感であること、なぜ「聞く力」が大切なのか?を実感できる内容でした。 
 参加型講座という名の通り、ご参加のみなさまが2人一組で実践を繰り広げ、会場はだんだんとヒートアップ!終了後のアンケートには、「こんなに実践を盛りこまれて楽しい講座だと思いませんでした。2時間があっという間に過ぎました。家族とのコミュニケーション、職場の人たちと、いろいろ向き合っていきたいと思います。」などの感想が寄せられました。会場を縦横無尽にめぐりながら気軽に質問に応じてくださった今井氏のリードで、ご参加のみなさまがどんどん引き込まれていく様子は、見ている私も仲間に入りたい!と思うほど。楽しく、そして身に付く、充実した時間になったはずです。
 2月2日に開催した技術編では、日常傾聴を広める団体「アクティヴリッスン」の代表である澤村直樹氏に、「温かな聴き手を目指して」というタイトルで相手の本音や真のニーズを引き出す聴き方のコツを伝授していただきました。傾聴研究の歴史、傾聴にはさまざまな分野があることなど、傾聴に関する基本情報を共有した上で、聴き手側、話し手側、両方からの分析が紹介されました。「良い聴き手の3条件」や、共感やアドバイスといった「話し手の欲求」について、家に帰ってから誰かに話したくなる興味深いお話を聞くことができました。
 4人一組のグループになり、話すこと、聴くことの実践を交えつつ進行し、入門編につづいてにぎやかな声があふれる会場となりました。最後に紹介された「人は悩むときに、解決者の存在ではなく、理解者の存在を求める」という言葉が印象に残ったのではないでしょうか。澤村氏の穏やかな語り口と優しい表情から、「なんでも相談できそう!」と感じた参加者の方も多かったのでは。講師の佇まいがそのまま傾聴のお手本となるような技術編でした。
 ご協力いただいたアンケートの結果より、「大人の社会科」が県立図書館初来館という方が2回とも3割以上であることがわかりました。初めての県立図書館はいかがでしたか?学びの場としての図書館を体験するきっかけとなっていれば幸いです。ご参加のみなさまが「大人の社会科」で学んだコミュニケーションスキルをそれぞれの活動の場で活かせることを願っています。そして、学びの場としてまた図書館をご活用ください。

(県立図書館企画協力課講座担当)