『安藤百福 即席めんで食に革命をもたらした発明家』 筑摩書房編集部著

『安藤百福 即席めんで食に革命をもたらした発明家』 筑摩書房編集部著 筑摩書房 2015年出版 資料番号81629842 請求記号289.1 6248  OPAC(所蔵検索)

 皆さんは横浜市中区にあるカップヌードルミュージアムを訪れたことはあるでしょうか。カップヌードルミュージアムは世界初のインスタントラーメンを発明した日清食品創業者・安藤百福(アンドウ モモフク)の功績を伝える記念館です。このミュージアムは展示物を見るだけでなく、実際に体験できるアトラクションもあります。その中で最も人気が高い「マイカップヌードルファクトリー」では、世界で1つだけのオリジナル「カップヌードル」を自分の手で作ることができます。私も以前、ミュージアムに訪れ、大勢の来館者がいて賑わっていたことを記憶しています。ミュージアムは子どもから大人まで楽しめるしかけが沢山ある場所です。
 さて、現在ではスーパー、コンビニなどで手に入るインスタントラーメンを作り出した安藤百福とはどのような人物だったのでしょうか。本書は安藤百福の生い立ちから晩年までをわかりやすく書いた伝記です。
 百福がインスタントラーメンを発明するまでには私たちの想像を超える多くの苦労がありました。また、家族や周囲の人々の支えなしでは到底作りあげることはできなかったのです。百福は幼少期の頃からインスタントラーメンを作ろうと思い描いていたわけではありません。インスタントラーメンを作るまでに発明家としてだけでなく多種多様な職業を経験し、事業を起こしてきました。その百福の職業で20歳の時に2年間図書館司書として働いていたことに私は驚かされました。百福の職業では畑違いな仕事だと思われますが、この経験が後の発明家、経営者として役立ったと考えられます。太平洋戦争後には国民栄養科学研究所を設立しました。病気ではなく、栄養不足で命を縮める入院患者の為に栄養補助食品を開発したいと思い、食用ガエルを栄養剤に使用する実験のエピソードは非常に興味深いです。そして様々な事業を起こしてきた百福は47歳の時に転機が訪れます。お湯を注いですぐ食べられるインスタントラーメンの開発を始めたのです。
 本書は章ごとの末尾に百福の語録が記載されています。その語録の中で「人生に遅すぎるということはない」という百福が残した言葉があります。百福は47歳という決して若いとは言えない時にインスタントラーメンを作り出したのです。
 現在、NHKの朝の連続ドラマ『まんぷく』はこの百福の妻を主人公にした話です。百福があらゆる物事にいかに視野を広げ、先を見据えながら世の中の役に立つことを考えていたのか一緒に足跡を辿ってみてはいかがでしょうか。これから何かに挑戦する方、または既に頑張って挑戦している方に勇気を与えてくれる1冊です。

(県立図書館 魔法のラーメン)