図書館恐怖の写真(心霊番組風)

 神奈川県立の図書館公式ツイッター「クリッピング!」に6月21日にツイートし、反響の大きかった記事のロングバージョンです。

 あれは、ある蒸し暑い日の夕刻の事であった。図書館に1冊の本が返却された。これがその本の写真である。

 お分かりであろうか。付箋をはがした時に、ページの表面が活字ごと剥がれてしまっている。
 長い年月を経た古い本は、きれいに見えても劣化が進んで紙が脆くなっていることがよくあるのだ。そこに付箋を貼ると、弱い付箋の糊でも、紙の表面が付箋の粘着面にべったりと張り付いて離れなくなる。
 すると、この写真のように印刷面が付箋と一緒に剥がれたり、ページの紙が付箋の形に破れたりしてしまうのだ。
 この本は、幸い透明な付箋だったので、見出しの色付きの部分を切って、剥がれた文字をページに貼り直そうということになった。しかし、この本の悲劇はそれだけでは済まないのだ。付箋の合成糊は、年月が経つと、変色する。古くなったセロテープ(注)のように…… いつの日か、変色した合成糊はこの部分の文字を読みにくくし、コピーしたときには墨塗りしたように黒く写ってしまうようになるかもしれない。
 心して欲しい。絶対に、絶対に図書館の本に付箋を貼ってはならないのだ……

注 本が破れた時に、自主的にセロテープなどで修理して下さる方がいらっしゃいます。お心遣いは嬉しいのですが、破れたときはそのままの状態で、お返しください。図書館では補修用に変色しにくい特別な和紙を使って修理しておりますので、破けた部分を教えていただければ、図書館の職員が修理いたします。

(県立図書館 : 否河不純二)