「「人生100歳時代」を支える県立図書館 おとなの社会科」を開催しました。

 2018年2月。玉縄桜がほころぶ県立図書館では、「「人生100歳時代」を支える県立図書館」というテーマのもとに、「学び直し」のきっかけづくりとなる公開講座を4回開催いたしました。人生100歳時代を充実したものとするためには、健康な身体と、知的好奇心を刺激する学びと、学んだ成果を発表する場が必要です。そこで、当館の所蔵資料とも関係の深い、暮らしと経済の基本的な知識を身に着ける「学ぶ」講座(全2回)と、学んだ成果を伝えるために欠かせないコミュニケーション能力を養う「伝える」講座(全2回)を企画しました。

 2月3日に開催した第1回「学ぶ」講座では、「歴史から経済を学ぶ」と題して同志社大学大学院ビジネス研究科教授の浜矩子氏に御講演いただきました。御著書である『浜矩子の歴史に学ぶ経済集中講義』(集英社)に沿った内容を、最近の話題とも絡めてわかりやすい語り口でお話しいただき、歴史は過去、現在、未来を繋いでくれる存在であるということ、現在を理解するために歴史を学ぶことの重要性を、多くの受講者が実感したのではないかと思います。「経済と歴史の両方に関する興味が深まりました」「歴史を見る目が変わりました」などの感想が寄せられました。

 2月11日に開催した第2回「学ぶ」講座では、「新聞から現代を学ぶ」と題して横浜国立大学大学院・都市イノベーション研究院准教授の高橋弘司氏に「新聞の読み方」を伝授していただきました。高橋氏は元新聞記者であり、新聞トリビアや記者時代のエピソードも織り交ぜながら御講演いただきました。複数の新聞の「俳優高倉健の訃報」「憲法9条改正」に関する記事を読み比べるグループワークも取り入れ、新聞ごとに論調が違い、特徴があるということを実感できる講座となりました。世論形成の裏側や現代社会の課題が見えたことは、受講者の今後の新聞の読み方に影響を与えたのではないでしょうか。

 2月17日と24日は両日参加可能な方を対象とした「伝える」講座を開講しました。フリーアナウンサーの北村浩子氏を講師に向かえ、1日目は人に伝わる話し方を学び、2日目は各自が選択した本のプレゼンテーション(紹介)を実践するというセットの講座です。「伝わる話し方」講座では、①本の紹介のコツ、②人前での話し方の基本、③プレゼンテーション実践の準備、という3点についてレクチャーしていただきました。FM横浜の「booksAtoZ」という番組を14年間担当し、2000冊以上の本を紹介してきた実績を持つ北村氏が語る「本を紹介するということの難しさ」に不安を覚えた参加者もいらっしゃったかもしれません。しかし、「相手は何も知らないという地平に立って話す」という意識の持ち方、短い文章で区切って話すなど具体的なポイントを教えていただき、プレゼンテーションのみならず日常生活でも活かせる話し方のコツがつかめたのではないでしょうか。
 「プレゼンテーション実践」講座では、参加者全員が一人あたり3分でさまざまなジャンルの本を紹介し、北村氏による講評が行われました。さまざまなジャンルの本が紹介され、会場は笑顔と拍手に包まれ大変盛り上がりました。紹介された本に興味を持ったという参加者の感想は、どのプレゼンテーションも聴く人に「伝わる」内容だったという証だと思います。講座終了後、参加者の発案により、紹介した本を集めて写真撮影会が行われました。今回のような参加型ワークショップは、参加者同士の交流も生み出すことができ、みなさまに図書館での「学び」の可能性を感じていただけたのではないかと思います。

 今回の講座をきっかけに、より深く学びたいと思った方もいらっしゃったかもしれません。人と情報をつなぐ場である県立図書館として、講座の会場内に「生涯学習情報コーナー」を設け、専門機関による講座や大学の生涯学習の紹介を行いました。季節は春、「「人生100歳時代」を支える県立図書館」の講座が新しいことを始めるきっかけになれば幸いです。

(県立図書館企画協力課講座担当)