『チーズの歴史 5000年の味わい豊かな物語』 アンドリュー・ドルビー著

『チーズの歴史 5000年の味わい豊かな物語』 アンドリュー・ドルビー著 ブルースインターアクションズ出版 2011年 資料番号:22539852 請求記号:648.18/6  OPAC(所蔵検索)

 チーズといえば・・・カマンベールチーズ、ゴルゴンゾーラ、モッツァレラ、すりおろして使うパルメザンチーズ・・・などなど。さまざまな種類がありますが、一般的に使われているチーズはごく一部だと感じます。そこでチーズ好きな私は本書で5000年もの歴史をもつ、多くのチーズをいっぺんに味わってしまおうと思い至ったわけです。

 本書は『チーズの歴史』という題名なものの、はっきりとしたチーズの歴史はわかっていないようで、残された逸話などから歴史をひもといていくのが面白味のひとつです。
 ところで、先ほどチーズ好きとのたまったものの私は青かびのチーズが少し苦手です。まず「かび」という響きから嫌悪感が出てしまいます。なぜ人々は「かび」を食べようと考えたのでしょうか。こちらもしっかりとした記述はないのですが、昔の人はかびを食べることにさほど抵抗がなかったようです。ただし、チーズには二種類のかびがあり、その一つはかび性のもので、長い綿毛のような青紫のかび。こちらは食べられない、つまり私が嫌悪感を抱いている方のかびだそうです。食べられる良性のかび。なるほど、それなら安心ですね。と思ったのも束の間、次の記述に「ダニとうじ」という文字が。「現代のチーズはダニのおかげでますますおいしくなってる」と書かれていますが、昔の不注意な人はダニのことを「チーズのちり」と呼びそのまま食べていたらしく、スティルトンと呼ばれるチーズは、「ダニかうじが周りにびっしりついているため、ダニを食べるためのスプーンがついてくる」そうです。青かび程度で嫌悪感を抱いていた私にはとても考えられない光景ですが、今でもチーズダニはヨーロッパの食品規制のグレーゾーンで生き延びているようです。
 はたして私はダニを食べられるのか・・・考えてはみたものの少し鳥肌が立ってしまいました。これはチーズ好き失格かもしれませんね。チーズに限った話ではないのですが、はじめて発酵したモノを食べた人や、毒があるモノを食べた人はかなりのチャレンジャーだと改めて感じました。
 チーズをこよなく愛する人々が、一見食べられなさそうな青かびやダニを食して新たなチーズのおいしさを見つけ出してくれる。そして今ではそれをより美味しく、安全に加工して私たちの食卓に並ぶ。安全に食べられると知っているからこそ美味しく味わうことができる。それってとても幸せなことですね。

(県立図書館:穴あきチーズにかぶりつきたい)