レコード鑑賞会「ベーム最後の第九 ドミンゴの歌声とともに」を開催しました!

 2017年12月20(水)に、レコード鑑賞会「ベーム最後の第九 ドミンゴの歌声とともに」を開催しました。
 ベートーヴェンの交響曲第9番ニ短調Op.125《合唱》は日本の一年を締めくくる音楽として、年末になると全国各地でさまざまなオーケストラにより演奏されています。 当館でも何回かレコード鑑賞会で取り上げましたが、その都度「次回の第九は?」というお声をいただきますので、今回も《第九》の鑑賞といたしました。
 今回の鑑賞曲は、1980年11月に録音されたカール・ベーム指揮による演奏を選びましたが、これはベームの最後のレコード録音作品です。(この後は映像作品の「エレクトラ」のみです。)
 ベームはオーストリアのグラーツで生まれ、ウィーンで音楽を学びます。1917年にグラーツ歌劇場で指揮者としてスタートし、1921年にバイエルン国立オペラの指揮者、以後ハンブルク(1931~34年)、ドレスデン(1934~43年)などで音楽監督を歴任し、1943~45年と戦後復興後の1954~56年にウィーン国立歌劇場総監督を務めました。その後は、特定の歌劇場には束縛されず、ザルツブルク、バイロイト、メトロポリタンと世界的に活躍しました。
 彼の指揮は楽譜に忠実で、完璧さと的確なテンポとバランスの良さを追求するもので、交響曲のみならずオペラ指揮者としても活躍しました。特にモーツァルトとR.シュトラウスの権威として高い評価を得ています。演奏に対して非常に厳しく臨み、時には毒舌を交えた注意を与えたので、楽団員などから怖れられていた所もあるようですが、深く信頼もされていました。
 今回鑑賞したレコードを1980年11月に録音後、1981年8月14日ザルツブルク郊外の自宅で亡くなりました。ベームについては、本人の語りによる自叙伝『回想のロンド』(請求記号762.4A/39)などをご覧ください。
 当日は、前半に第一楽章と第二楽章を通して鑑賞し、休憩を挟んで第三楽章と第四楽章を鑑賞しました。鑑賞中は、皆さま思い思いにリズムを取ったり、目を閉じて没頭したり、音に合わせて身体を揺らしたりと様々に音楽を楽しむ様子が見られました。
 資料として、プログラムの他に「ベートーヴェンと≪第九≫の周辺」(「トピックスのとびら」No.149)と「《第九》にまつわるエトセトラ」(「トピックスのとびら」No.113)を配布しました。
 会場には、ベームや他の指揮者による≪第九≫のCDとベートーヴェン全集CD、≪第九≫LPのほか、ベームの自伝等の図書など、多様な資料を展示しました。休憩時間に熱心にご覧になる方、貸出される方もあり、普段は書庫に入っている資料も手に取ってご覧いただくことが出来ました。
 以前の鑑賞会のアンケートで、「もっと大音量で聴きたい」というご意見がありましたので、今回音量を上げてみたところ、「ピチカートまでよく聴こえた」等のご感想をいただきました。温かみのあるレコードの音を迫力ある音量で存分に味わっていただけたのではないでしょうか。今回もアンケートに貴重なご意見をたくさん頂戴しました。今後のレコード鑑賞会にできるだけ活かしていきたいと考えています。参加してくださった皆さま、ありがとうございました。

 (県立図書館職員:レコード鑑賞会担当)